この記事では、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」について詳しく解説します。
資産運用を始めたいけど、SBI・V・S&P500について詳しく知りたい!
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」もあって、どれが一番いいのか知りたい!
記事前半で、SBI・V・S&P500を解説します。
記事後半では、SBI・V・S&P500と、eMAXIS Slim・SBI・V・全米株式の比較を行いますね!
おむこ
おそらく、この辺りを悩んでいるあなたは、「無駄なく効率的に資産を運用し数百万円〜数千万円の資産を作りたい」と考えているかと思います。
少しでも効率よく運用したいですよね。そのために、SBI・V?eMAXIS Slim?S&P500?全米株式?と悩んでいると思います。
わたしも、「SBI・V・S&P500は良さそうだけど、eMAXIS Slimとどっちがいいの?」「S&P500と全米株式ってどっちにするべき?」と悩んでいた時期があります。
結論としては、「大差はないので、とにかく長期運用することが重要!」ですが、やはり気になると思いますので、この記事で解説していきます。
記事の前半部分は、SBI・V・S&P500について、ファンドに仕組みや上位銘柄など詳しく解説します。
記事の後半部分は、運用シミュレーション比較していきます。具体的には、以下3つを比較します。
また最後に、SBI・Vシリーズの投資信託を無駄なく効率的に運用する方法についても紹介します。
3分程度で読めるかと思いますので、最後までご覧ください。
* SBI・V・S&P500と三井住友カード(NL)の組み合わせは強力!
【前半】SBI・V・S&P500とは?|業界最安運用コスト
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、S&P500指数連動する米国ETF(バンガード・S&P500 ETF:VOO)へ間接的に投資する国内の投資信託です。
仕組みや内容について、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの有価証券届出書の内容から説明していきます。
SBI・V・S&P500の「純資産額・基準価格」
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、2021年6月15日に発表されました。
2023年2月24日時点でのファンドの状況は以下の通りです。
純資産額は、7000億円を超えており、SBI・V・S&P500は非常にたくさんの資金を集めているファンドになります。
またファンドの成長率は、設定来となる約3年間で「+74%以上」と大きく成長しているファンドになります。
SBI・V・S&P500の信託報酬
以下に、SBI・Vシリーズの投資信託の運用コスト(信託報酬)を表にまとめます。
データは、2023年2月24日時点のものを記載しています。
SBI・V・S&P500の信託報酬「0.0938%/年」は業界最安値です。
SBI・V・S&P500は、S&P500(米国株100%)なので、新興国を含む全世界株式のファンドに比べて信託報酬(運用コスト)は安くなっています。
最も有名な投資信託の一つである「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬に比べても、SBI・V・S&P500はさらに安いです。
つまり、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、無駄なコストを極限まで抑えた投資信託であると言えます。
そして無駄なく運用したい私たちにとっては、非常にオススメの投資信託と言えます。
SBI・V・S&P500の「仕組み」
SBI・V・S&P500は、S&P500指数への連動を目指した投資信託です。
さらに詳しく言うと、SBI・V・S&P500は米国ETFである「バンガード・S&P500ETF(VOO)」に直接投資している投資信託です。
* SBI・V・S&P500の仕組み
私たちはSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(図内のベビーファンドに相当)を購入します。
その資金は、一度マザーファンドに集められます。
そのマザーファンドを通して、バンガード・S&P500 ETF(VOO)を購入するという流れです。
つまり、私たちは、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの投資信託を購入することで、間接的に米国ETFのVOOに投資していることになります。
ベビーファンドとマザーファンドの投資先情報
もう少し詳しく仕組みを説明します。
ここでは運用報告書からSBI・V・S&P500の仕組みを数値的に解説します。
興味がない方は、飛ばしても問題ありません。
私たちの資金がまず初めに集まるベビーファンド、つまりSBI・V・S&P500インデックスファンドの投資先は、100%がマザーファンドとなっていることが分かります。(表中の100.31%)
次に、マザーファンドの投資状況です。
マザーファンドに集まった資金の99.17%がバンガード社の米国ETFである「バンガード S&P500 ETF(VOO)」に投資されていることが分かります。
私たちの資金のほぼ全てが米バンガード社が運用する最も有名な米国ETFである「VOO」に投資されています。
以上から、先ほど説明した通り、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの資金の99%以上が、米国ETFである「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」に投資されていることが分かります。
SBI・Vシリーズとは?|4つの投資信託
SBI・Vシリーズの投資信託は、SBI証券が米バンガード社とタッグを組み販売している投資信託です。
2023年2月時点でSBI・Vシリーズから「4つの投資信託」が発表されています。
SBI・Vシリーズの投資信託が実現したいこと
「Vシリーズは、皆さまの長期の資産形成を応援する低コストのインデックスファンドシリーズです。Vシリーズと通して、これまで以上に多くの個人投資家の皆さまの資産形成をサポートできるようになるものと期待している」
引用元:SBI証券ホームページ
SBI証券と米バンガード社がタッグを組むことで、SBI・Vシリーズの投資信託は、業界最安値の運用コストを実現しています。
またSBI・Vシリーズの特徴は、低コストだけではありません。
SBI・Vシリーズは、米バンガード社の米国ETFへ間接的に投資できるため、高いパフォーマンスが期待できます。
さらに、分配金の再投資が自動で簡単に行えるため、複利の力で資産を効率よく運用することができます。
SBI・Vシリーズで実現できること
つまりSBI・Vシリーズの投資信託では、以下の3つを実現できます。
生活資金や老後資金の運用は、長期運用が前提になります。
長期運用を行う際に重要なのが、複利の力を利用することです。
そのために重要なのが、「低コスト」「高いパフォーマンス」「分配金の再投資」の3点です。
これら3点を実現したSBI・V・S&P500は、まさに生活資金や老後資金の長期運用に適した商品と言えます。
SBI・Vシリーズの「4つの投資信託」
SBI証券は、SBI・Vシリーズに関して、以下の4つの投資信託を発表しています。
4つの投資信託全てが、米バンガード社が運用する米国ETFに直接投資しています。
S&P500であれば「VOO」、全米株式は「VTI」、全世界株式は「VT」、米国高配当株式は「VYM」となっています。
特に「VOO(S&P500)」と「VTI(全米株式)」「VT(全世界株式)」の3つは日本でも長期投資の対象としいて人気がある商品となっていますね。
しかしこれらの米国ETFは購入するのに手間がかかったり、税金面が少しややこしくなっています。
その中で、SBI・Vシリーズの投資信託は、手間をかけずにそれらに投資できるので人気を集めていると言うわけです。
SBI・Vシリーズの「5つのメリット」
SBI・Vシリーズのメリットを紹介します。以下の5つです。
この5つのメリットから、「業界で最も低コスト(信託報酬率が0.15%以下)」と「米バンガード社の運用する米国ETFへ間接的に投資が可能(VT・VTI・VOO・VYM)」について、もう少し詳しく解説します。
業界で最も低コスト(信託報酬率が0.15%以下)
運用コストは、投資信託はわたしたちの資金を運用機関がかわりに運用するため「手数料」が必要となります。
この投資信託の手数料は、証券会社や商品によって様々ですが、この「SBI・Vシリーズ」の運用コスト(信託報酬)は「業界最低水準」です。
「SBI・Vシリーズの投資信託」は、出来るだけ余計なコストを省いて効率的に資産運用したい方におすすめの商品なのです。
S&P500・VOOってなに?|長期投資で人気
そもそもS&P500やVOOは、どのような銘柄などで構成されているのでしょうか。
S&P500について、詳しく知りたい
VOOって具体的に何に投資してるの?構成銘柄を知りたい
このような悩みを持っている方もいるかと思うので、ここではバンガード・S&P500 ETF(VOO)とS&P500指数について、簡単に紹介します。
既に理解されている方は、飛ばしてもらって、後半のSBI・V・S&P500を使った運用シミュレーションをご覧ください。
そもそも「S&P500指数」とは?
S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数です。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しています。
内容は、米国の4000社以上の全企業の中から、選ばれた優秀な500社の時価総額から算出される指数が「S&P500指数」です。
選ばれると言うことは外される企業もあり、常に優秀な企業のみが残る指数なので、非常に安定しているのが特徴で、過去100年間を見ても、S&P500指数は右肩上がりに成長を続けています。
* S&P500の過去100年のチャート
近年、日本国内でも最も人気のある株価指数が「S&P500」
近年、日本国内でも老後2000万円問題が報道されて以来、資産運用で注目されるのが「S&P500指数」です。
S&P500は長期パフォーマンスが高く安定しているのがメリットです。
一方で、デメリットとしては、短期的に大きな成長はしない点です。
500社の株価から算出されるため、短期的に数十%上昇するようなことはほとんどありません。
ではS&P500に連動する「VOO」とは?
VOOは米国ETFです。正式名称は、バンガード・S&P500 ETFとなり、米バンガード社が運用しています。
VOOはS&P500指数への連動するように運用されており、S&P500指数のパフォーマンスとほぼ同じ変動を見せます。
では、具体的にどのような銘柄で運用されているのでしょうか。
VOOの構成銘柄の国別割合
当たり前ですが、VOOは米国の企業100%で構成されています
* VOOの国別構成割合
VOOの構成銘柄-上位10銘柄
続いて、構成銘柄のうち上位10銘柄をみてみましょう。
* VOOの上位10銘柄
※ 2023年2月24日時点で米バンガード社に公開されているデータを参照
※ 米バンガード社には2023年1月31日時点のデータと記載あり
1位から、アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット(グーグル)・テスラなどが名を連ねています。
また上位10銘柄の構成割合を全て足すと、「約25%」になります。VOOは上位10銘柄だけで約4分の1が構成されていることが分かります。
VOO S&P500 | VTI 全米株式 | VT 全世界株式 | |
---|---|---|---|
上位10銘柄 の割合 | 約25% | 約20% | 約13% |
VTI(全米株式)は上位10銘柄で20%程度なので、それよりもVOO(S&P500)の方が上位銘柄が占める割合が高いこともわかります
つまりVOOは、米国企業で成長が著しい企業にある程度は投資しながらも、残りで500社に分散した良い所どりの銘柄とも言えます。
SBI・V・S&P500は、そんなVOOに直接投資している投資信託なので、優秀なパフォーマンスとなっています。
SBI・V・S&P500で運用シミュレーション
では、SBI・V・S&P500で運用した場合、私たちの目標・目的は達成できるのでしょうか?
SBI・V・S&P500に興味がある方は、以下のような悩みがあるかと思います。
特に、SBI・V・S&P500で今後資産運用していて本当に大丈夫なのか?もっと効率のいい方法/商品はないのか?と考えている人も多いかと思います。
そこで、実際にSBI・V・S&P500の過去のパフォーマンスデータから、運用資産シミュレーションをしてみます。
そして、私たちの目標・目的を本当に達成できるのか、検討していきます。
資産運用の目標設定
シミュレーションする上で、まずは目標設定を行います。
ここでは大きく2つの目標を設定し、シミュレーションしていきます。
SBI・V・S&P500の成長率は8%と仮定する
まずSBI・V・S&P500の平均上昇率は、以下の実績と、過去100年間のS&P500指数の上昇率から、「8%」と仮定してシミュレーションしていきます。
* S&P500指数(日本円換算)の騰落率
上のSBI・V・S&P500の目論見書に記載の過去10年の騰落率を平均すると「+17%」となります。
しかしここ数年の米国株は調子が良かったこともあり、今後20-30年間この上昇率を維持する可能性は低いと考えられます。
一方で、過去100年のデータから、S&P500指数の成長率は「7-9%前後」と一般的に言われています。
なので、この間をとって、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの平均成長率を「8%」と仮定して、以下のシミュレーションを進めます。
①:SBI・V・S&P500で15年後1000万円は可能?
では、先にSBI・V・S&P500で15年後1000万円をつくれるか?と検討していきます。
SBI・V・S&P500を毎月3万円、15年間継続した結果
毎月3万円運用に回すと、15年間で540万円を投資することになります。
しかしSBI・V・S&P500(年8%成長と仮定)で15年間運用すると、「1038万円」となります。
つまり、SBI・V・S&P500で15年運用すれば1000万円可能
つまり、SBI・V・S&P500で資産を運用すれば、15年後に1000万円をつくれる可能性はあるいうことになります。
例えば、出産後に子供の教育費のために運用を開始すると、高校入学時に1000万円を作ることもできそうです。
実際には、SBI・V・S&P500は分配金再投資されますので、今回の試算結果よりもさらに多く資産となります。
②:SBI・V・S&P500で30年後3000万円は可能?
続いて、SBI・V・S&P500で30年後3000万円をつくれるか?を試算します。
秋ほどと同じ条件でシミュレーションします。
SBI・V・S&P500を毎月3万円、30年間継続した結果
毎月3万円運用に回すと、30年間で1080万円を投資することになります。
しかしSBI・V・S&P500(年8%成長と仮定)で30年間運用すると、「4471万円」となります。
SBI・V・S&P500で30年運用すれば3000万円は可能
SBI・V・S&P500で資産を運用すれば、30年後に3000万円をつくれる可能性はあるいうことになります。
一般的に老後資金は、老後2000万円問題と言われるように、2000-3000万円必要と言われています。
20代、30代の私たちが、老後資金のために資産運用を開始すると、4000万円の資産を作ることも可能と言うことになります。
(考察)長期投資することの重要性
シミュレーションを2つしましたが、30年で運用した方が資産の増価額がかなり大きくなっています。
投資額 | 最終資産額 | 増価額 | |
---|---|---|---|
15年運用 | 540万円 | 1038万円 | 498万円 |
30年運用 | 1080万円 | 4471万円 | 3391万円 |
運用期間が倍になれば、わたしたちの投資額も倍になりますが、それ以上に最終的な資産額は4倍以上になっています。
SBI・V・S&P500の上昇率を8%と仮定しましたが、資産額が大きくなれば同じ8%でも増価額は大きくなるため、長期運用の重要性が分かります。
【前半まとめ】SBI・V・S&P500とは
ではここまで解説した「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」について、一度まとめます。
後半は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やSBI・V・全米株式との比較を行いますので、引き続きご覧ください。
【比較①】SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドと、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を比較しています。
SBI・V・S&P500と、もうひとつ優秀な投資信託があります。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500はどっちがオススメ?
どっちで資産運用するべきか悩んでいます。
このような悩みもあるかと思うので、徹底的に比較していきます。
まずはファンド情報を比較
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500の情報・仕様を比較します。
* ファンド情報比較表
ファンド名 | SBI・V・S&P500 インデックス ファンド | eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) |
---|---|---|
投資対象 | S&P500指数 | S&P500指数 |
具体的な 運用方針 | バンガード・ S&P500 ETFを購入 S&P500指数 (円換算ベース) に連動する投資成果 をめざす | 米国株式を購入 S&P500指数 (配当込み、円換算ベース) に連動する投資成果 をめざす |
信託 報酬率 (税込) | 年0.0938% 程度 | 年0.0968% 程度 |
実質コスト (税込) | 年0.104% 程度 | 年0.112% 程度 |
設定日 | 2019年9月26日 | 2017年9月29日 |
設定・運用 | SBIアセット マネジメント | 三菱UFJ国際投信 |
取り扱い 証券会社 | SBI証券 マネックス証券 他 | SBI証券 楽天証券 マネックス証券 他 |
比較すると、SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500では、2つの異なる点がありますね。
異なる点①:運用コスト
1点目は、運用コストです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も十分低コストですが、SBI・V・S&P500は更に低いコストとなっており、長期投資に適した商品となっています。
信託報酬だけでなく、実際に運用してかかったコスト「実質コスト」も、SBI・V・S&P500の方がより安くなっていることが分かります。
異なる点②:具体的な運用方針
2点目は、具体的な運用方法です。
SBI・V・S&P500は、米国ETF「VOO」に投資することで、S&P500指数(円換算ベース)と連動したパフォーマンスを目指します。
一方で、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、S&P500指数(円換算ベース、配当込み)に連動するよう個別株を組み合わせて運用しています。
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slimのチャート比較
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は「配当込み」となっており一見良さそうですね。
しかし、SBI・V・S&P500もVOOからの配当金をファンド内で再投資しているため、パフォーマンスは大きく変わりません。
実際に過去の基準価格のチャートを見てみましょう。
2019年10月01日〜2023年2月23日までの比較になります。
* SBI・VとeMAXIS Slimのチャート比較
チャートを比較すると、2つの投資信託(SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim)はほとんど同じ動きをしています。
もっと細かい数値で比較してみましょう。
2019/ 10/01 | 2023/ 02/23 | 上昇率 | |
---|---|---|---|
SBI・V・S&P500 | 10,023 | 17,488 | +74.5% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 10,890 | 19,079 | +75.2% |
S&P500指数 | 2976.74 | 3991.06 | +34.1% |
為替(ドル円) | 108.19 | 134.90 | +24.7% |
基準価格の数値だけ比較すると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が「+0.7%」だけ上昇率が高くなっていることが分かります。
この0.7%は考え方によりますが、切り取る時期によってはパフォーマンスが逆転することもあるので、誤差の範囲と考えられます。
つまりSBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500は、ほとんど同じパフォーマンスと言えます。
トータルリターンで比較
SBI・V・S&P500やeMAXIS Slim S&P500のトータルリターンを比較します。
トータルリターンは、単純な値上がりだけでなく、分配金再投資による効果、運用コストも含んだあとの総合収益になります。
* トータルリターンの比較
1年リターン | 3年リターン (1年平均) | |
---|---|---|
SBI・V・S&P500 | +3.83%/年 | +14.92%/年 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | +3.85%/年 | +15.04%/年 |
差 | 0.02%/年 | 0.12%/年 |
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500のトータルリターンの差は、わずか「0.12%/年」です。
これも30-40年という長期投資をすれば、1%程度の差につながるかもしれませんが、誤差の範囲とも考えられます。
少しでも高い方が嬉しいという方は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が少し高いパフォーマンスを見せてくれそうですね。
結局どっちがオススメ?
トータルリターンを比較しても、僅かな差しかないので、個人的には好みで選んでも問題ないと思います。
正直なところどっちでも問題ないと思いますし、重要なのは長期で運用を続けることです。
そのためにもできるだけ早く運用を開始し、運用期間を1年でも長く確保する方が最終的なパフォーマンスは伸びます。
また0.12%でも大きな差だと感じる方は、このあと紹介する方法で、もっと効率的に運用する方法を紹介しますので、最後までご覧ください。
【比較②】SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と、「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」を比較しています。
資産運用でよく問題になるのが、「S&P500と全米株式はどっちがいいのか?」ということです。
SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式どっちがオススメ?
このような悩みもあるかと思うので、徹底的に比較していきます。
まずはファンド情報を比較
SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式の情報・仕様を比較します。
* ファンド情報比較表
ファンド名 | SBI・V・S&P500 インデックス ファンド | SBI・V・全米株式 インデックス ファンド |
---|---|---|
投資対象 | S&P500 | 全米株式 |
指数 | S&P500指数 (円換算ベース) | CRSP US トータル・マーケット インデックス (円換算ベース) |
具体的な 運用方針 | バンガード S&P500 ETF(VOO) を通して 運用する | バンガード トータル ストック マーケット ETF(VTI) を通して 運用する |
信託 報酬率 (税込) | 年0.0938% 程度 | 年0.0938% 程度 |
実質 コスト (税込) | 年0.104% 程度 | 年0.113% 程度 |
設定日 | 2019年9月26日 | 2021年6月29日 |
設定・運用 | SBIアセット マネジメント | SBIアセット マネジメント |
取り扱い 証券会社 | SBI証券 マネックス証券 他 | SBI証券 |
比較すると、SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式では、3つの異なる点がありますね。
異なる点①:投資対象
1点目は、投資対象です。
やはり全米株式の方が、同じ米国株でも対象銘柄数が多くなります。約8倍です。
投資信託 | 実質的投資先 | 国 | 対象銘柄数 |
---|---|---|---|
SBI・V・S&P500 | VOO (S&P500) | 100% 米国 | 約500 |
SBI・V・全米株式 | VTI (全米株式) | 100% 米国 | 約4000 |
SBI・V・全米株式の方が銘柄数が圧倒的に多いので、分散効果が得られます。
加えて、全米株式だと小型株も含まれるので、今後大きく成長していく銘柄を自分のポートフォリオに入れることもできますね。
一方で、SBI・V・S&P500は、大型株500銘柄から構成されるので、安定感が強みとなります。
異なる点②:実質コスト
2点目は、実質コストです。
SBI・V・S&P500は、実質コストが0.104%/年と業界最安値となっていますが、SBI・V・全米株式は0.113%/年と「0.009%/年」高くなっています。
ファンド名 | SBI・V・S&P500 インデックス ファンド | SBI・V・全米株式 インデックス ファンド |
---|---|---|
信託 報酬率 (税込) | 年0.0938% 程度 | 年0.0938% 程度 |
実質 コスト (税込) | 年0.104% 程度 | 年0.113% 程度 |
設定日 | 2019年9月26日 | 2021年6月29日 |
SBI・V・全米株式は、まだ設定されてから日も浅く、SBI・V・S&P500に比べ純資産総額も小さくなっています。
そのため今後、資金が集まってきたら、実質コストもSBI・V・S&P500と同様レベルまで下がる可能性はあると思います。
異なる点③:取り扱い証券会社
SBI・V・S&P500は、比較的色々な証券会社でも購入することができます。
一方で、SBI・V・全米株式はSBI証券でしか購入できません。この点注意が必要です。
ファンド名 | SBI・V・S&P500 インデックス ファンド | SBI・V・全米株式 インデックス ファンド |
---|---|---|
取り扱い 証券会社 | SBI証券 マネックス証券 他 | SBI証券 |
SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式のチャート比較
SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式の基準価格のチャートを比較します。
期間は、SBI・V・全米株式が設定された2021/6/30以降のデータです。
* SBI・V・S&P500と全米株式のチャート比較
チャートを比較すると、2つの投資信託(SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式)で差が見られます。
SBI・V・S&P500の方がパフォーマンスが良いことが分かります。
もっと細かい数値で比較してみましょう。
* SBI・V・S&P500と全米株式の基準価格差
投資信託 | 2021/ 6/30 | 2023/ 02/24 | 上昇率 |
---|---|---|---|
SBI・V S&P500 | 15,086 | 17,461 | +15.74% |
SBI・V 全米株式 | 10,000 | 11,176 | +11.76% |
基準価格の数値だけ比較すると、SBI・V・S&P500の方が「4%近く」上昇率が高いことが分かりますね。
トータルリターンで比較
SBI・V・S&P500やSBI・V・全米株式のトータルリターンを比較します。
トータルリターンは、単純な値上がりだけでなく、分配金再投資による効果、運用コストも含んだあとの総合収益になります。
* トータルリターンの比較
1年 リターン | 3年 リターン (1年平均) | |
---|---|---|
SBI・V S&P500 | +3.83%/年 | +14.92%/年 |
SBI・V 全米株式 | +3.67%/年 | (データなし) |
差 | 0.16%/年 | ー |
SBI・V・S&P500とSBI・V・全米株式のトータルリターンの差は0.16%/年です。
SBI・V・全米株式は設定されてから火が浅いため3年間リターンのデータがありません。
なので中長期での比較ができませんが、3年リターンとなれば、もっと差は開く可能性もありますし、反対に差が詰まることもあります。
結局どっちがオススメ?
SBI・V・全米株式は、まだ日が浅い投資信託なので、実質コストはSBI・V・S&P500よりも割高ですし、3年平均リターンも見えていません。
ちなみに楽天・全米株式とSBI・V・S&P500で、トータルリターンを比較すると、SBI・V・S&P500の方が「0.50%/年」高いです。
楽天・全米株式とSBI・V・全米株式は同じ指数をターゲットに運用されるので、同じようなパフォーマンスになると考えられます。
以上より、0.5%/年の差は比較的大きいので、SBI・V・S&P500の方が運用パフォーマンスはより良いのではないかと思います。
0.5%の差は比較的大きいと感じますが、その分をさらにお得に運用することができる方法を次の章で紹介します。
もっと詳しい比較記事は以下になりますので、よければ確認してみてください。
S&P500は「クレカ積立」で効率的に運用するべき理由
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500と比較し、過去3年間の運用で「0.12%/年」の差が見られると解説しました。
ここでは、通常の積立運用に比べて「0.5%~1.1%」分、さらにお得に運用できる情報を紹介します。
0.12%/年よりも、割合としては大きく、長期で見たら効果が大きいのでぜひ参考にしてみてください。
クレカ積立とは?
その方法とは「クレカ積立」です。
クレカ積立とは、クレジットカード決済で投資信託を購入できるサービスです。
クレジットカードで決済できるだけでなく、購入金額に応じてポイントが付与されます。
※2024年9月10日(火)積立設定締切分(2024年10月1日(火)買付分)までのポイント付与。以降は対象カードごとのカードご利用金額などに応じたポイント付与率になります。
※三井住友カードつみたて投資のご利用金額は、プラチナプリファードの新規入会&利用特典、継続特典の付与条件であるご利用金額の集計対象となりません。
※クレカ積立上限は10万円
クレカ積立に関して、もっと詳しく知りたい方は以下の記事で解説してますので、ご覧ください。
クレカ積立の「0.5%」ってどれだけお得なのか
では「0.5%」がどれだけお得なのか、ここでも試算していきます。
SBI・V・S&P500を三井住友カード(NL)決済して、その購入金額の「0.5%」のポイント付与を受けたとします。
各試算条件は、先ほどの試算条件と同じとします。
月3万円を購入しポイント付与される1500円分は、SBI・V・S&P500を再度購入するとします。
この場合に、クレカ積立によるポイント付与有り無しで資産額を比較すると、「224万円」の差となります。
0.5%の効果でも大きな差となりますね。
三井住友カード(NL)のクレカ積立
三井住友カード(NL)にはいくつか種類があります。その種類によって、年会費とポイント付与率が異なります。
ちなみに、先ほど試算した「0.5%のポイント付与」が受けれるのは、三井住友カード(NL)になります。年会費は永年無料なので、持っておいて損はありません。
クレカ積立できるオススメ2社
クレカ積立は、SBI証券だけでなく、他にも何社かあります。おすすめは以下です。
個人的には、SBI証券×三井住友カード(NL)がおすすめです。
生活資金は必ず長期投資前提で!効率的に継続する
クレカ積立って言うけど、わざわざ積み立てる必要あるの?一度に購入すれば?
という意見も出てくると思います。
すでに多くの資産を持っている方は、数百万円などを一度に運用に回しておけばいいと思います。その方が運用に回る時間を長く取れるので、効率的と言う意見もあります。
しかし、実際問題として、数百万円を一度に運用に回せる方は少ないと思います。
なので、わたしたちは結局毎月決まった額をコツコツ積み重ねて、長期で運用することが重要となります。
私たちは子供や自分の老後のための資金が数十年後に必要
私たちは超高齢化社会の中で今後生活していきます。老後2000万円問題などは話題となりました。
一方で、わたしたちは給料面でも税金面でもさらに今後苦しくなります。実際に退職金は1990年頃に比べ、減少傾向にあります。
そんな中で、自分達の老後資金、子供のための教育費、自宅購入などの生活資金の準備などは、資産運用でカバーしていく必要があります。
そのために毎月決まった額をコツコツと積み重ねて、運用を継続しましょう。
その運用先が今回紹介した「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」やeMAXIS Slim S&P500というわけです。
またSBI証券×三井住友カード(NL)などのクレカ決済を利用することで、手間を省き、ポイント付与を受けながら効率良く運用するようにしましょう。
その時の投資信託をSBI・V・S&P500にしておけば、将来も余裕がある生活ができる可能性が高いと考えられます。
まとめ
この記事では、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドについて内容を紹介し、運用シミュレーションを行ってみました。
またeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やSBI・V・全米株式インデックス・ファンドと比較を行いました。
資産を効率的に運用するためには、「長期運用」「低コスト」「分配金の再投資」が条件になります。
これらの点を満たすのが、SBI・V・S&P500です。
さらに、SBI証券×三井住友カード(NL)でカード決済すると、購入金額の0.5%がポイント付与される大きなメリットがあります。
※ 2023年3月6日 記事更新
※ 2021年6月22日 記事投稿