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VT・VTI・VOOを徹底比較(VTIかVOOがおすすめな理由)

※ 2022年10月14日 記事更新

30代サラリーマン
30代サラリーマン

VT・VTI・VOOの3つだと、結局どれがおすすめなの?

VTIとVOOならどっちがいいの?

円安や物価上昇・老後2000万円問題など、日本国内の状況に不安を感じ、これから株式などを利用して資産運用を始めようと考えている方も多いと思います。

「全世界株のVT・全米株のVTI・S&P500のVOOってなに?」「VT・VTI・VOOの3つだと、結局どれがおすすめなの?」「全世界株式と米国株、どっちがいいの?」と疑問を持っている方も多いと思います。

この記事では、米バンガード社の米国ETFである「VT」「VTI」「VOO」の中身・ETF情報・銘柄・コスト・過去の上昇率・下落率を徹底比較し、3つの違いについて解説します。

具体的には、全世界株式・全米株式・S&P500の3つに関して、実際に購入した際のリターンをシミュレーションを行い、どれが優れたパフォーマンスを示すのか検証します。

  • VT:全世界株式
    バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF
  • VTI:全米株式
    バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF
  • VOO:S&P500
    バンガード・S&P500 ETF

VTI・VOOに特化した比較は、以下の記事になりますので、良ければそちらをご確認ください。

また米国株に仮想通貨を1%だけ加えたポートフォリオの検証も行ってみました。詳しくは以下の記事をご覧ください。過去のデータを使うと、仮想通貨ありのポートフォリオの方が高いパフォーマンスとなりました。

* 著者紹介

  • 著者:オムタンケ
  • 30代の普通の会社員(メーカー、研究開発)
  • 夫婦で、経済的自立(FI)が目標
  • 「資産運用」と「ブログ運営」を開始
  • 資産運用歴:S&P500×イーサリアム
    ・2016年〜:S&P500で長期運用(90%)
    ・2021年〜:暗号資産(イーサリアム、10%未満)
  • 日本株はやっていません
  • 銀行:住信SBIネット銀行
  • クレカ:マリオットボンヴォイ、三井住友カード(NL)
  • 証券会社:SBI証券、マネックス証券、LINE証券
  • 暗号資産:コインチェック、ビットフライヤー

※ 資産運用は、人によって考え方や好みが分かれるので、どれで資産運用するのかはご自身の判断でお願いいたします

※ また本記事で使用しているデータは、「2022年08月05日時点で公開されているデータ」をもとに作成/比較しています。一部過去のデータも比較用に残しています。

【結論】VT・VTI・VOO どれがおすすめ? → VTI・VOO

では早速ですが、この記事の結論を述べます。しかしあくまで過去のデータに基づく結果です。

  • 成長率は、VTI≧VOO>VTの順
  • 下落局面では、VOOが最も下落幅が小さい
  • 下落局面では、VTが最も下落幅が大きい
  • 以上から、米国株式(VTI or VOO)がおすすめ
     
  • VTIとVOOはほとんど同じ。好みで選んでOK
  • VTIとVOOは「マネックス証券」で買付手数料実質無料
  • 少額から始めたい方は「投資信託」がおすすめ

以上がこの記事の中で、色々と比較し検討した結果の結論です。

「VTI」「VOO」を買うにはマネックス証券を使用するべき

過去データを使ったシミュレーション結果を見ると、「VTI(全米株式)」「VOO(S&P500)」のパフォーマンスが優秀である結果となりました。

しかし、VTIやVOOなどの米国ETFは、国内の投資信託よりも運用コストは断然安いのですが、購入時に買付手数料が必要となります。

その点、マネックス証券であれば「VT」「VTI」「VOO」などの米国ETFの買付手数料が実質無料のサービスが展開されているので、余計な手数料を取られたくない方にとってはオススメです。ぜひ利用して、VTIやVOOを購入する際に、無駄な手数料を払わないようにしましょう。

米国ETFではなく、投資信託を利用するのもアリ

全世界株式や全米株式、S&P500指数などには、米国ETFの「VT・VTI・VOO」だけでなく、投資信託でも資産運用をすることが可能です。特に、VTI・VOOには種類も多く、優秀なファンドがあります。

最近では、クレカ決済で購入金額に対するポイント還元サービスもあり、実質コストを下げることも可能です。「クレカ決済」「SBI・V・S&P500 と eMAXIS Slim の比較」などに関しては、以下の記事を参考にしてみてください。

では、実際に投資した場合、どのようなパフォーマンスを得ることができるのか、過去のデータを使用したシミュレーションを行い解説していきます。またVT・VTI・VOOのETH情報や銘柄などについても順番に解説していきます。

ただし、結局のところは、VT・VTI・VOOの中でどれに投資するべきかは、各人の考え方や年齢、投資目的によって意見は異なりますので注意。

【紹介】そもそもVT・VTI・VOOとは?

3つの米国ETFの比較を進めます。まず、VT・VTI・VOOの3つの米国ETFは、米バンガード社が提供する米国ETFになります。

各ETFの投資対象と、銘柄数を比較したのが以下の表です。

ETF対象
株式
名称対象
銘柄数
VT全世界バンガード・トータル
・ワールド・ストック
ETF
 約8000 
VTI全米バンガード・トータル
・ストック・マーケット
ETF
約4000
VOO全米
S&P

500
バンガード・S&P500
ETF
約500
表:著者作成

VT・VTI・VOOでは投資対象が異なります。VTは「全世界株式」、VTIは「全米株式」、VOOは「S&P500」が投資対象となっています。全世界株式の方が対象株式は多いので銘柄数は多く、一方でS&P500は500銘柄が対象なので、3つの中では最も対象銘柄が少なくなります。

その点、銘柄数が多い方が1つ1つの銘柄の重みが軽くなるので、「VT > VTI > VOO」の順で分散効果がありそうです。投資対象を分散すれば、リスクを回避できるといったメリットがあります。

しかし分散しすぎるとここの銘柄の成長の恩恵を受けにくくなり、リターンが低くなる可能性もあります。実際にここ数年は、下のグラフにも示すように、GAFAMと呼ばれる巨大IT企業5社やネットフリックス、テスラなどの成長が特に著しいため、米国市場に絞る方が全世界株式よりもリターンは良いと予想できます。

引用元:「月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資, 太田創著

実際に、VT・VTI・VOOに投資した際のパフォーマンスについては、後ほどシミュレーションで確認していきます。

【比較①】VT・VTI・VOOの構成銘柄/割合

続いて、VT、VTI、VOOのそれぞれのETFを構成している銘柄を比較します。

銘柄を比較すると分かりますが、VT・VTI・VOOは大体似たような銘柄で構成されています。しかし各銘柄が占める割合がVT・VTI・VOOで異なります。

*【最新】VT・VTI・VOOの構成銘柄比較

No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1AAPLアップル3.31%5.56%6.55%
2MSFTマイクロソフト3.04%5.08%5.99%
3AMZNアマゾン1.49%2.43%2.90%
4GOOGLアルファベット
A
1.04%1.74%2.04%
5GOOGアルファベット
C
0.95%1.53%1.88%
6TSLAテスラ0.90%1.56%1.76%
7UNHユナイテッド
ヘルスケア
0.76%1.27%1.50%
8JNJジョンソン

ジョンソン
0.74%1.24%1.46%
9BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
0.63%1.21%1.54%
10USドル0.74%1.09%
11NVDAエヌビディア1.18%
METAメタ・
プラット
フォーム
上位
10銘柄
合計
割合
13.63%22.71%26.80%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1MSFTマイクロソフト3.44%5.71%6.83%
2AAPLアップル3.18%5.21%6.23%
3AMZNアマゾン1.82%2.97%3.59%
4GOOGLアルファベットA1.08%1.80%2.15%
5TSLAテスラ1.07%1.75%2.12%
6GOOGアルファベットC1.04%1.61%2.00%
7FBメタ・プラットフォーム
(旧フェイスブック)
1.00%1.64%1.96%
8NVDAエヌビディア0.88%1.44%1.81%
9US ドル0.80%
10UNHユナイテッド・ヘルスケア0.59%0.98%1.17%
12BRK/Bバークシャ・ハザウェイ1.05%1.35%
上位10銘柄合計割合14.90%24.17%29.22%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1MSFTマイクロソフト3.17%5.24%6.35%
2AAPLアップル2.98%4.95%6.00%
3AMZNアマゾン1.86%3.05%3.75%
4GOOGLアルファベット1.11%1.88%2.27%
5GOOGアルファベット1.07%1.69%2.13%
6TSLAテスラ1.13%1.88%2.31%
7FBメタプラットフォーム
(旧フェイスブック)
0.98%1.62%1.97%
8NVDAエヌビディア0.78%1.28%1.62%
9JPMJPモルガン
チュース
0.64%1.07%1.29%
10BRK/Bバークシャハザウェイ1.04%1.36%
11US Dollar0.82%
上位10銘柄合計割合14.53%23.69%29.05%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1AAPLアップル2.65%4.35%5.51%
2MSFTマイクロソフト2.51%4.35%5.27%
3AMZNアマゾン1.84%3.19%3.86%
4FBフェイスブック1.06%1.83%2.21%
5GOOGアルファベット0.95%1.64%1.98%
6GOOGLアルファベット0.94%1.55%1.95%
7TSLAテスラ0.64%1.11%1.34%
8BRK/Bバークシャー
ハサウェイ
1.19%1.53%
9JPMJPモルガン
チュース
0.67%1.16%1.40%
10JNJジョンソン&
ジョンソン
0.62%1.03%1.25%
1100700テンセント0.62%
12US Dollar0.82%
上位10銘柄合計割合12.70%21.39%26.32%

先ほど紹介した通り、銘柄数は「VT > VTI > VOO」の順で数が異なりました。

表の構成銘柄の割合を見ると、上位10銘柄で占める割合は、「VOO > VTI > VT」となっており、VOOだと約4分の1以上を上位10銘柄から構成されていることになります。

つまり、VOOが最も集中した投資になっており、VTが最も分散した投資になります。

続いて、個々のETFの構成割合を詳しくみていきます。

VTの構成銘柄(全世界株式)

では、初めに全世界株式(VT)の構成銘柄と割合、またその変動について解説します。

VTの上位銘柄

No.ティッカー名称最新
2022/
8/5

2022/
1/23

2021/
7/16
1AAPLアップル3.31%3.44%2.65%
2MSFTマイクロ
ソフト
3.04%3.18%2.51%
3AMZNアマゾン1.49%1.82%1.84%
4GOOGLアルファ
ベットA
1.04%1.08%0.95%
5TSLAテスラ0.90%1.07%0.64%
6GOOGアルファ
ベットC
0.95%1.04%0.94%
7METAメタ・
プラット
フォーム
1.00%1.06%
8NVDAエヌビディア0.88%
9USドル0.76%0.80%0.82%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
0.76%0.59%
11JNJジョンソン&
ジョンソン
0.74%
12BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
0.63%
13JPMJPモルガン
チェース
0.67%
14テンセント0.62%
上位10銘柄
割合
13.63%14.90%12.70%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には0.数%含まれています。
引用元:ETF.com

VTは、全世界が対象です。なので少し前までは、中国企業である「テンセント」が上位に食い込んできていましたが、最新の上位銘柄だと全て米国企業となっています。

また最も多くの割合を占めるマイクロソフトやアップルでも3%程度であり、この上位銘柄の構成割合は、VTIやVOOと比べて低く、全世界の色々な株式に分散されていることが分かります。

逆に言えば、VTは「米国のIT企業(アップル等)の成長をリターンとして受けにくい」ということにもなります。

この点は、人の好みや考え方で捉え方が変わる点なので、ご自身のメリット・デメリットを判断しましょう。

VTIの構成銘柄(全米株式)

続いて、全米株式(VTI)の構成銘柄と割合についてです。

VTIの上位銘柄

No.ティッカー名称最新
2022/
8/5

2022/
1/23

2021/
7/16
1AAPLアップル5.56%5.71%4.35%
2MSFTマイクロ
ソフト
5.08%5.21%4.35%
3AMZNアマゾン2.43%2.97%3.19%
4GOOGLアルファ
ベットA
1.74%1.80%1.64%
5TSLAテスラ1.56%1.75%1.11%
6GOOGアルファ
ベットC
1.53%1.61%1.55%
7METAメタ・
プラット
フォーム
1.64%1.83%
8NVDAエヌビディア1.44%
9BRK/Bバークシャ
ハザウェイ
1.21%1.05%1.19%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
1.27%0.98%
11JPMJPモルガン
チェース
1.16%
12JNJジョンソン&
ジョンソン
1.24%1.03%
13USドル1.09%
上位10銘柄
の割合
22.71%24.17%21.39%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には0.数%含まれています。
引用元:ETF.com

VTIは、全米の株式が対象です。

VTIは、VTに比べ中国株など世界各国の株式が含まれないので、その分米国企業の各銘柄の割合が高くなっています。構成割合を見ても、アップルなどの上位10銘柄が占める割合は、VTよりも多くなっています。

ちなみにこの後紹介する「VOO」と比べると、VTIの構成割合はVOOよりも少ないため、割合だけで言うと、VTとVOOの間ぐらいのイメージとなります。

また2021年7月時点と2022年7月時点の比較すると、2022年の方が2021年に比べて、上位10銘柄が占める割合が高くなっており、銘柄も多少の入れ替えが見られます。

例えば、旧フェイスブックであるメタプラットフォームが上位10銘柄が姿を消し、代わりにヘルスケア銘柄のジョンソン&ジョンソンがランクインするなど、たった1年ですが、VTIなどの上位10銘柄の割合は大きく異なっていることがわかります。

VOOの構成銘柄(S&P500)

最後に、S&P500(VOO)の構成銘柄と割合、その変化について紹介します。

VOOの上位銘柄

No.ティッカー名称最新
2022/
8/5

2022/
1/23

2021/
7/16
1AAPLアップル6.55%6.83%5.51%
2MSFTマイクロ
ソフト
5.99%6.23%5.27%
3AMZNアマゾン2.90%3.59%3.86%
4GOOGLアルファ
ベットA
2.04%2.15%1.98%
5TSLAテスラ1.76%2.12%1.34%
6GOOGアルファ
ベットC
1.88%2.00%1.95%
7METAメタ・
プラット
フォーム
1.96%2.21%
8NVDAエヌビディア1.18%1.81%
9BRK/Bバークシャ
ハザウェイ
1.54%1.35%1.53%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
1.50%1.17%
11JPMJPモルガン
チェース
1.40%
12JNJジョンソン&
ジョンソン
1.46%1.25%
上位10銘柄
の割合
26.80%29.22%26.32%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には数%含まれています。

VOOですが、対象銘柄はS&P500指数です。

指数名にもあるように、500銘柄に投資するのがVOOです。なのでVOOは、VTIより更に選択と集中が行われた米国ETFになっています。実際に上位10銘柄の割合が最も高くなっています。

数字を見ても、マイクロソフトやアップルが占める割合・上位10銘柄が占める割合は最も高く、米国市場の巨大企業にかなり集中していることがわかります。

つまりVOOは米国市場の大企業の成長を最も受けやすいETFと言えます。

一方で他のVTやVTIに比べ、個々の銘柄の影響度が高くなるので、例えばアップルの株価が暴落したら、その分落下率も多くなるといったデメリットもあるので、意見が分かれるところでもあります。

【比較②】分配利回り・コスト・純資産額(VT・VTI・VOO)

ここではVT・VTI・VOOについて、「運用コスト」「分配金(分配利回り)」「純資産額」「基準価格」を比較します。まずは各項目を表にまとめたので、以下をご確認ください。

項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.07%0.03%0.03%
分配利回り2.27%1.49%1.51%
純資産額
(百万米ドル)
23,509269,240271,331
基準価格
(最低購入金額)
$91.43$207.55$380.18
(2022年08月05日時点のデータをもとに作成)
項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.07%0.03%0.03%
分配利回り1.89%1.29%1.31%
純資産額
(百万米ドル)
26,307299,088279,850
基準価格
(最低購入金額)
$101.11$220.91$402.69
(2022年01月23日時点のデータをもとに作成)
項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.08%0.03%0.03%
分配利回り1.52%1.29%1.39%
純資産額
(百万米ドル)
21,299243,655225,707
基準価格
(最低購入金額)
103.34218.44386.39
(2021年7月16日時点のデータをもとに作成)

では、それぞれ詳しく見ていきます。

運用コスト

まずはコストです。米国ETFの運用コストは、「経費率」で示されます。

この経費率は、VTIとVOOは0.03%となっているのに対し、VTはやはり新興国株式の運用も含むため、0.07%と若干高くなっています。

運用コスト(経費率)
  • VT:0.07%/年
  • VTI:0.03%/年
  • VOO:0.03%/年
銘柄22/08/0521/07/16
VT(全世界株式)0.07%0.08%
VTI(全米株式)0.03%0.03%
VOO(S&P500)0.03%0.03%

経費率は、年間で運用にかかる手数料になります。例えば、総額100万円分ETFを購入していたとすると、VTではコスト700円/年、VTIとVOOでは300円/年、のコストが年間かかるという意味です。

100万円に対し500円の差なので、正直コストに関しては大差ないと考えても良さそうです。

コストの差よりも、リターンの差の影響が大きいですね。

分配利回り

次に分配金ですが、VTの分配利回りのみ2%を超えているのに対し、VTIとVOOは1%中頃となっています。少し差があるように見えます。

分配利回り
  • VT:2.27%/年
  • VTI:1.49%/年
  • VOO:1.51%/年
銘柄22/08/0521/07/16
VT(全世界株式)2.27%1.52%
VTI(全米株式)1.49%1.29%
VOO(S&P500)1.51%1.39%

分配利回りは、年間でもらえる配当金のようなものです。例えば、税金を無視すると、100万円投資していた時に、VTでは2.27万円/年の分配金を受け取れるのに対し、最も低いVTIでは、1.49万円/年の分配金を受け取れるという意味です。

つまり、VT・VTI・VOOの3つのETFだと、100万円投資して、最大0.78万円/年(7800円/年)の差があります。

しかし100万円の1%は1万円なので、運用コスト同様に、分配利回りの数字よりも「リターン率(成長率・騰落率)の大小」の方が、私たちの資産の増減には影響が大きそうです。

純資産額

次に純資産額です。VTは、VTIやVOOに比べ、一桁分額が少ないことがわかります。

純資産額
  • VT:23,509 百万米ドル
  • VTI:269,240 百万米ドル
  • VOO:271,331 百万米ドル
銘柄22/08/0521/07/16
VT(全世界株式)23,50921,299
VTI(全米株式)269,240243,655
VOO(S&P500)271,331225,707
単位:百万米ドル

純資産額は、VTがVTI・VOOに比べて非常に少なくなっています。これは単純に、VTよりも、VTIやVOOの方が人気があると考えることができます。

中には1人で多くの資産をVTIやVOOに入れている方もいるかもしれませんが、それで桁が異なるほどの差が生じるとは考えにくいです。

つまり、世間では、全世界株式(VT)に投資している人よりも、全米株式(VTI) or S&P500(VOO)に投資している方が多いということになります。

基準価格(株価)

最後に、基準価格です。VTが最も基準価格が低く、VOOが最も基準価格が高い値となっています。

基準価格(株価)
  • VT:$91.43
  • VTI:$207.55
  • VOO:$380.18
銘柄22/08/0521/07/16
VT(全世界株式)$91.43$103.34
VTI(全米株式)$207.55$218.44
VOO(S&P500)$380.18$386.39

基準価格は、1株あたりの価格なので、単純に購入最低金額となります。

つまり、VTの方が少額から購入することが可能です。

分配金で1株VT・VTI・VOOを買うには?

ちなみに、米国ETFは分配金を自動で再投資できないため、複利的に投資を行いたい場合、得た分配金で再度ETFを購入する必要があります。

100万円($10,000)分、VT・VTI・VOOを購入したと仮定します。

この時に得られる分配金で、もう一株VT・VTI・VOOを購入できるか計算してみましょう。

銘柄分配
利回り
$10,000
投資した
場合の
分配金
(税は除く)
基準
価格
分配金
再投資
可能か
VT
全世界
2.27%$227$91.43可能
VTI
全米
1.49%$149$207.55不可
VOO
S&P
500
1.51%$151$380.18不可

上の表の通り、100万円分購入した際に、分配金だけで1株購入し直せるのは、「VT」のみとなっています。つまり購入最低金額が低い方が、少ない分配金でも再購入しやすいため、米国ETFで資産運用する場合は、VTの方が複利的に資産運用を行うことができるメリットがあります。

VTIやVOOで配当金再投資の弱点を補う方法

VTIやVOOは、$10,000を投資して得た分配金で、再度VTIやVOOを1株購入することはできません。この点、VTIやVOOは、複利の効果を得にくく、効果的な運用がしにくいです。

この場合、「投資信託を利用する」ことをおすすめいたします。

全米株式、S&P500に連動を目指す国内の投資信託であれば、100円から好きな金額だけ好きなときに購入することが出来ます。さらに投資信託は内部で配当金の再投資を行うことが可能です。

つまり投資信託の方が、複利の力で効率的に資産運用を行うことが可能です。

また投資信託は、SBI証券に優秀な商品が揃っており、クレカ決済によるポイント還元の効果は大きいので、無駄なく効率的に運用することができます。

【比較③】チャート比較(VT・VTI・VOO)

続いて、VT(全世界株式)・VTI(全米株式)・VOO(S&P500)の過去のパフォーマンスを比較してみます。ここでは、「1年」「3年」「5年」「10年」の4つの期間で過去のパフォーマンスを比較します。

過去1年間の推移(2021年〜)
過去3年間の推移(2019年〜)
過去5年間の推移(2017年〜)
過去10年間の推移(2011年〜)

過去のチャートを見ると、騰落率(成長率)は、4つの期間の全てで、「VOO>VTI>VT(S&P500 > 全米株式 > 全世界株式)」 という順になりました。

ただしこの比較は、単純に基準価格の過去のチャート(成長率)を比較しただけなので、分配金(配当金)の再投資は考慮されていません。実際に投資を検討されている方は、長期での投資目的で分配金は再投資される方も多いはずです。

なので次の章で、「分配金再投資を含めたトータルリターン」の比較を行います。

【シミュレーション①】VT・VTI・VOO に「一括投資」

先ほどはチャートの比較を行いました。

ここでは、実際にVT・VTI・VOOに投資したときのリターンを比較していきます。実際に米国ETFを購入し、分配金も再投資し、長期で運用した際のトータルのリターンや、投資途中で必ず来る下落場面での下落幅の比較を行います。

シミュレーション①の条件

ここでは実際に、約100万円($10,000)を投資した場合、過去10年間だといくらになるのか、簡単にシミュレーションしてみます。投資先は、もちろん「VT・VTI・VOO」になります。

先程の分配金問題は、再投資することを条件にシミュレーションします。

シミュレーション①の条件
  • 期間:2011年1月〜2021年6月(約10年間)
  • 初期費用$10,000(約100万円)を一括投資し、その後放置する
  • 分配金は再投資するものとする

シミュレーション①の結果

VT・VTI・VOOのいずれかに、一括で100万円購入し、10年間運用を続けた時のシミュレーションの結果が以下です。

2022年の最後の部分が少し見えづらいですが、微妙にVOOがVTIよりも勝っています。

つまり単純なチャート比較と同じく、分配金の再投資など含めたトータルリターンの大きさは「VOO>VTI>VT」という結果です。

シミュレーション結果からも、過去のデータを見る限りでは、VTよりも、VTIかVOOに投資する方が資産を増やすことができそうです。

下落時のパフォーマンスの比較

これらのシミュレーションについて、もう少し詳しく結果を見てみましょう。

資産運用した際の各種数値を下に示します。

  • Vangard S&P500 ETF:VOO
  • Vangard Total Stock Market ETF:VTI
  • Vangard Total World Stock ETF:VT

表をみると、最終資産総額は、VOOが最も高くなっており、僅差でVTIとなっています。一方でVTはVTIやVOOに比べ、$10,000以上少なくなっています。ここまでは先ほど説明した通りです。

ここでもう一つ注目したいのが、「下落率および最低成長率」です。

これらの値を見ると、いずれもVOOが最も下落幅が小さいことがわかります。つまり、株式の下落局面において最も下落しなかったのが「VOO(S&P500)」ということになります。

VOOは銘柄数は少ないものの、過去10年間に限って言えば、リスク(下落率)が最も小さく、最もリターン(最終資産総額)が大きくなるETFということが分かります。

下落リスクの指標「ソリティレシオ」について

ソリティレシオについて
  • ソリティレシオ(Sortino ratio)は、下落リスクに対する上昇リターンを示す数値で、分母に下落リスク、分子にリターンを入力し算出される
  • ソリティレシオが高いほど、「下落リスクに対するリターンが大きい」or「リターンは低くても下落リスクがとにかく低い」のどちらかと考えることができる

下落リスクに対するリターンの割合を示す「ソリティレシオ」を見ても、VOOが最も高い数値を見せています。

過去のデータから下落リスクが小さいETFを選びたい方は、VTやVTIではなく、VOOがおすすめのETFとなります。

【シミュレーション②】VT VTI VOO に「つみたて投資」

先ほどは、一括投資した場合のシミュレーションを行いました。その結果、過去10年間運用した場合「VOO」が下落局面にも強く、最終リターンも高くなりました。

しかし実際は、一括で数十万円や数百万円の資金を購入する人は少ないと思います。私も含めて、毎月や毎年決まった額をコツコツ投資する人がほとんどかと思います。

なのでここでは、毎年資金を追加していった場合のシミュレーションを行います。比較項目は先ほどと同じです。

シミュレーション②の条件

先ほど同様、10年間の運用で、分配金は再投資。投資対象は「VT・VTI・VOO」です。

さっきと違うのは、「毎年資金を追加していく」ところです。詳細は以下です。

シミュレーション②の条件
  • 期間:2011年1月〜2021年6月(約10年間)
  • 初めに、$3,600(約36万円)を一括投資する
  • その後毎年、$3,600(約36万円)を追加投資していく
    (つみたてNISAを想定毎月3万円投資想定
  • 分配金は再投資するものとする

シミュレーション②結果(VT vs VTI vs VOO)

毎年追加投資した際のシミュレーションの結果が以下です。

つみたてNISAを想定した毎年36万円追加していく運用の場合でも、一括投資の時と同じで、リターンの大きさは「VOO>VTI>VT」という結果になりました。

「一括投資」と「つみたて投資」どちらの場合でも、過去10年間のデータを見る限りは、VTよりも、VTIかVOOに投資する方が資産をより成長させることができそうです。

下落時のパフォーマンス比較(VT vs VTI vs VOO)

追加投資していく場合のシミュレーションについても、下落時のパフォーマンスを詳しく見てみましょう。資産運用した際の各種値を下に示します。

まず、最終資産総額は、やはり、VOOが最も高くなっています。続いて、僅差でVTIとなってます。VOOとVTIの差は、10年間の運用で、$3,000(約30万円)となっています。一方でVTは、VTIやVOOに比べ、$20,000(約200万円)以上少なくなっています。

続いて、下落率および最低成長率です。

下落時のパフォーマンスも、一括投資の時と同じく、VOOが最も小さく、VTが最も大きくなっています。元のデータが同じなので、当たり前ですが、つまり一括投資だけでなく、毎年追加投資して行っても、VOOが最も高いパフォーマンスとなっています。

【シミュレーション】結果まとめ

リターンは、①VOO(S&P500)、②VTI(全米株式)、③VT(全世界株式)となり、「VOO(S&P500)」が最も最終資産額が大きくなりました。

下落幅は、①VT(全世界株式)、②VTI(全米株式)、③VOO(S&P500)となり、「VOOが最も下落が小さい」結果となりました。

VT(全世界株式)は、基準価格が低く分配金を再投資しやすい点がメリットでした。しかし分配金を再投資するシミュレーションを行っても、VTIやVOOのパフォーマンスには及びませんでした。

以上の一括投資と追加投資の2つのシミュレーションの結果を以下にまとめます。

VT VTI VOOの比較まとめ
  • リターンは、VOO≧VTI>VT の順
  • VOOが最も高いリターンとなった
  • 過去10年間の下落幅は、VTが最も高い
  • VOOが最も 小さい下落幅であった
  • VTのメリットは、購入最低金額が低く、再投資が容易
  • VTIやVOOも投資信託を利用すれば再投資が容易となる

【検討①】結局、VT・VTI・VOO どれがおすすめ?

ここまでの過去10年間のデータを利用したシミュレーション結果から、「全世界株式のVTよりも米国株式100%である「VTI」か「VOO」のどちらかをオススメ」と言えます。

「全米株式のVTIと「S&P500のVOO」のどっちが良いかは、正直なところ大差はないかと思いますので、この2つに関しては皆さんの好みでどちらか選ぶと良いでしょう。

VTIとVOOの差よりも、注意するべき点が2点あります。

  • ①:複利の力で効率的に運用するには「投資信託が有利」
    → 理由:分配金を無駄なく運用できる

  • ②:VTI・VOOを買う際は、マネックス証券を利用するべき
    → 理由:買付手数料が唯一無料だから

米国ETFではなく、投資信託を活用する

米国ETFである「VTI」「VOO」は、基準価格が約3~4万円と比較的高く、個人で資産運用する場合、分配金再投資が難しいです。なので、VTIやVOOに連動する、投資信託の利用をオススメします。

投資信託を利用すれば、運用会社が自動的に配当金をファンド内で再投資してくれるので、無駄なく効率的に運用することができます。

配当金(分配金)の再投資有り無しの比較

実際に、S&P500指数に投資した際の「配当再投資」「配当再投資無し」を比較したグラフが以下になります。

引用元:「インデックス投資は勝者のゲーム─株式市場から確実な利益を得る常識的方法」

明らかに、配当や分配金を再投資して運用した方が資産の増え方が大きいのがわかります。これより、いかに再投資することによる複利の資産運用が重要か分かります。

投資信託の場合、内部で分配金などを再投資してくれるので、効率的に無駄なく資産を運用することができます。

VTI・VOOに投資する際のおすすめ投資信託

VTI・VOOに投資信託を用いて投資すればいいことがここまででわかりました。ではVTIやVOOに連動する/同じパフォーマンスが期待できる投資信託を紹介します。

VTI・VOOと同じ値動きの投資信託
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(S&P500・VOO)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(S&P500)
  • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(全米株式・VTI)

さらに、SBI証券」と「三井住友カード(NL)」を組み合わせて、カード決済で上記の投資信託を購入すると、0.5~1.0%のポイント還元も受けることができ、さらに実質運用コストを下げることができます。

安く「VTI」や「VOO」を買う方法

投資信託と米国ETFを比べると、運用手数料は圧倒的に米国ETFの方が安いです。

運用手数料買付手数料
米国ETF①VTI0.030%/年0.495%
or
22ドル
米国ETF②VOO0.030%/年0.495%
or
22ドル
投資信託①SBI・V
S&P500
0.105%/年無料
投資信託②eMAXIS Slim
S&P500
0.112%/年無料

運用手数料は、米国ETFが投資信託の3分の1程度となっており、圧倒的に安くなっています。

一方で、米国ETFは買付手数料が必要となります。

つまり、米国ETFの「運用コスト+買付手数料」 と投資信託の「運用コスト」を比較し、安い方を考えることになると思います。

しかし「マネックス証券」の場合、この買付手数料が無料となります。

マネックスだと人気米国ETFの買付手数料が無料

冒頭にも紹介しましたが、「マネックス証券」であれば「VT」「VTI」「VOO」の米国ETFの買付手数料が無料となります。

画像:マネックス証券より

VT・VTI・VOO以外にも10銘柄、合計13銘柄の主要米国ETFの買付手数料が無料です。

買付手数料がかからない米国ETFだと、投資信託に比べ、トータルの手数料はかなり安く抑えることができます。ちなみに私は、投資信託はSBI証券で購入し、米国ETFは「マネックス証券」を利用しています。実際に使ってみた感想などを以下の記事にまとめています。

【検討②】では「VTIとVOO」のどっちがおすすめ?

全世界株式のVTよりも、米国株式である「VTIかVOO」がオススメということは分かりました。

では、VTIとVOOではどっちがおすすめなのでしょうか?

結論、どちらでもほとんど変わりませんので好みで選んで問題ありません。

VTIは全米株式なので大型株だけでなく、中型株・小型株も含まれるため、小型株などの成長銘柄の恩恵を受けたい方はVTIがおすすめです。反対に、大型株だけで十分と考える方はVOOでいいかと思います。

S&P500とRUSSELL2000の比較

参考までに、大型株500銘柄のS&P500指数と、小型株2000銘柄から算出されるRUSSELL2000指数を比較してみます。

簡単に言うと、S&P500にはRUSSELL2000に含まれる小型株は入っていません。

しかしVTI(全米株式)には、RUSSELL2000に含まれる銘柄も入っています。

S&P500とRUSSELL2000の指数を比較することで、S&P500と全米株式どちらが良いか検討していきます。

以下は、S&P500(大型株)とRUSSELL2000(小型株)のチャート比較です

2000年〜2010年

2000年から2010年を見ると、大型株500銘柄のS&P500よりも、小型株2000銘柄のRUSSELL2000指数の方が成長率が高くなっていることがわかります。

つまり、この期間に関しては、VOOよりも小型株を含むVTIの方がパフォーマンスは高くなると予想できます。

2010年〜2022年

次に、2010年以降のパフォーマンスを比較すると、小型株2000銘柄よりも大型株500銘柄であるS&P500指数の方が高いパフォーマンスを上げていることがわかります。

この期間においては、VTIよりもVOOの方が高いパフォーマンスとなると考えられます。

ただし、VTI(全米株式)も上位10銘柄だけで20%を超える構成割合です。ましてやS&P500に含まれる500銘柄の構成割合は非常に高くなるため、いくらVTIがRUSSELL2000の小型株を含むとは言え、割合は小さいものです。

なので影響度もそれほど大きくはありません。

よって、VTI(全米株式)とVOO(S&P500)は、好みで選んで問題ないというのがこの記事の結論です。どちらも優秀な投資対象なので、どちらを選んでも問題ありません。

それよりも資産運用をまだ行なっていない人は、まずは始める方が重要です。

【結論】米国株で「守りの資産」を早く運用する

皆さん資産を運用する理由は色々あるかと思いますが、「老後資金」「生活資金」の2つは絶対に運用に失敗できないお金です。こういった資金の多くは、今回紹介した「VT(全世界株式)」「VTI(全米株式)」「VOO(S&P500)」を利用し長期投資されていることが多いです。

このように、絶対失敗できない「守りの資産」を固めた上で、お小遣いなどの「多少攻めてもいい資産」に分けて、運用する方法を「コア・サテライト戦略」と言います。

この記事では、この「コア」でよく利用される「VT」「VTI」「VOO」の3つを比較行い、過去のデータを見る限り、「VTI」「VOO」がおすすめと紹介してきました。必ず先に、老後資金や生活資金などの運用を始めましょう。

その上で、多少攻めてもいい資金がある場合は、以下の記事を参考に運用してみてはいかがでしょうか。

特に、米国ETF「QQQ」はNASDAQ100指数への連動を目指すETFであり、先ほど紹介したマネックス証券の米国ETFの買付手数料無料プログラムの対象なので、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、米バンガード社の有名なETF(VT・VTI・VOO)を3つ紹介し、比較しました。

結論は、VTI(全米株式)かVOO(S&P500)の「米国株」で資産運用することです。

その際、米国ETFを活用する場合はマネックス証券で買付手数料を無料にすること、投資信託を利用する場合はSBI証券三井住友カード(NL)の組み合わせで購入金額の最大1%のポイント還元を受けるようにすると、実質のコストを抑えることができます。

米国ETFでも投資信託でも、どちらでも大丈夫ですが、余計なお金を使わず、無駄のないよう運用していきましょう。

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