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VT・VTI・VOOを徹底比較!米国株が強い理由【2023年版】

20代・女性
20代・女性

NISA制度を使って、資産運用を開始したいです!

全世界株式か米国株式ってどっちがオススメなのか知りたい!

30代・男性
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VT・VTI・VOOの3つだと、結局どれがおすすめなの?

VTIとVOOならどっちがいいの?

この記事では、米バンガード社の米国ETFである「VT」「VTI」「VOO」の中身・ETF情報・銘柄・コスト・過去の上昇率・下落率を徹底比較します。

また過去データを用いて、運用シミュレーションを行います。

この記事で比較するもの
  • VT:全世界株式
    バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF
  • VTI:全米株式
    バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF
  • VOO:S&P500
    バンガード・S&P500 ETF

米国ETFである「VT」「VTI」「VOO」を比較することで、全世界株式と米国株式どちらがいいのかを検討していきます。

ちなみに、私はSBI証券のクレカ積立を利用して、S&P500(VOO)に連動する国内の「投資信託」で資産運用を行なっています。

SBI証券で積立投資をお考えの場合、クレカ積立がおすすめです。

SBI証券でクレカ積立を利用すると、最大で投資金額の5.0%のポイント付与を受けることが可能です。

クレカ積立については、他の記事で詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。

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【結論】VT・VTI・VOO どれがおすすめ?

では早速ですが、この記事の結論を述べます。あくまで過去のデータに基づく結果です。

VT・VTI・VOOの比較まとめ
  • VTでも上位銘柄は米国企業
  • 純資産総額は、VTIとVOOがかなり多い
  • 過去のチャートでは、数十年間VTI・VOOの方が良い
  • VTもVTIやVOOと同程度下落する
  • 運用シミュレーション結果、VTIかVOOが最終資産額が多い
  • これらの結果から、VTI・VOOがオススメ
  • VTIとVOOはあまり差はない
  • 全世界株(VT)でも長期運用すれば十分資産構築は可能
  • とにかく長期で資産運用することが重要

以上がこの記事の中で、色々と比較し検討した結果の結論です。

全ての項目に関して、この記事内で比較し検証しています。

過去のデータを見ると「VTI・VOO」が良さそう

やはり過去のデータを見る限りでは、米国株が強いです。

VT(全世界株)よりも、VTI(全世界株)やVOO(S&P500)の方が上昇率も高く、資産運用していれば最終資産総額も多くなっています。

下落局面においても、VT(全世界株式)は全世界に分散投資していることでリスクが小さいと考えられているかもしれませんが、実際の下落幅は」VTIやVOOを同じレベルで下落しています。

下落はVT・VTI・VOO全て同じレベル、上昇幅はVTI・VOOが大きいとなると、VTI・VOOで運用した方がいいとなるのは当然ですね。

ただこれらはあくまで過去のデータです。今後米国以外の国が急成長する可能性もあるので、みなさん迷われているのだと思います。

VTでも十分資産構築は可能

米国以外の成長に期待している、米国に絞ることにやはりリスクを感じる方は、VT(全世界株式)でも問題ありません。

なぜなら、VT(全世界株)で資産運用していても、長期で効率的に運用すれば十分に資産構築は可能です。

例えば、現行のつみたてNISAを想定し「毎月3.33万円(年間40万円)」を全世界株で運用したとすると、30年後には3000万円近い資産になります。

* 全世界株(年利5%と仮定)で運用した場合

このように毎月3万円でも、全世界株(VT)でも、長期でコツコツ運用を継続すれば、きちんと資産を構築できるわけです。

なので、過去データで米国株が強いとわかっていても将来のことは誰にもわからないので、ご自身で全世界株を選択したならそれを継続すれば、資産は構築することが可能です。

資産運用は、必ず「投資信託」で行う

全世界株式や全米株式、S&P500指数などには、米国ETFの「VT・VTI・VOO」だけでなく、投資信託でも資産運用をすることが可能です。

長期での資産運用は必ず投資信託で行うようにしましょう。理由は以下の4つです。

投資信託を利用するべき理由
  • 少額から始められる(100円から)
  • 為替など面倒な手続きなし
  • 分配金を自動で再投資してくれるので、効率良く資産が増える
  • クレカ決済で、購入金額の一部がポイントとして付与される

特に、後半の2つは重要です。

米国ETF「VOO」で運用すると、分配金をもらったときに、二重課税によって一時的に手元資金が減ります。具体的には、分配金に対し、一旦米国で税金を引かれ、その後に日本でも税金を取られます。米国での課税分は確定申告で取り戻せますが、一時的に手元資金が減ります。

これに対し、投資信託であれば、米国での課税なく自動で分配金をどれだけ少額でも再投資してくれるので効率良く運用できます。またこの分配金再投資には、日本国内での課税も含まれません。課税されることなく、再投資されます。投資信託を売却した際にはもちろん運用駅に対し税金は取られますが、再投資すると一時的に課税されることなく運用できます。つまり投資信託の方が米国ETFよりも効率良く資産運用することが可能です。

また最近普及が進んでいるクレカ決済で投資信託を購入すれば、購入金額の一部をポイント付与という形で取り戻すことが可能です。

例えば、SBI証券のクレカ積立を利用した場合、投資信託の購入金額の0.5%~5.0%の付与を受けることが可能です。その分をまた投資しておけば、20-30年後は数十万円という大きな額になって返ってきます

米国ETFで運用する場合、マネックス証券を利用する

そう入っても、運用コストは米国ETFの方が投資信託よりもさらに安いといったメリットもあります。

しかし米国ETFは、購入時に買付手数料が必要となるデメリットもあります。

その点、マネックス証券であれば「VT」「VTI」「VOO」などの米国ETFの買付手数料が実質無料のサービスが展開されているので、余計な手数料を取られたくない方にとってはオススメです。

ぜひマネックス証券利用して、VT・VTI・VOOを購入する際に、無駄な手数料を払わないようにしましょう。

【紹介】VT・VTI・VOOとは?

3つの米国ETFの比較を進めます。

まず、VT・VTI・VOOとは、米バンガード社が提供する米国ETFになります。

初めに、3つの対象銘柄・銘柄数を見てみましょう

VT・VTI・VOOの対象銘柄と数

各ETFの投資対象と、銘柄数を比較したのが以下の表です。

* 3つのETFの名称・対象銘柄・銘柄数

ティッカー株式名称銘柄数
VT全世界バンガード・トータル
・ワールド・ストック
ETF
 約8000 
VTI全米バンガード・トータル
・ストック・マーケット
ETF
約4000
VOO全米
S&P

500
バンガード・S&P500
ETF
約500
表:著者作成

VTは「全世界株式」、VTIは「米国株式(全体)」、VOOは「米国株式(S&P500)」が投資対象となっています。

全世界株式の方が対象株式は多く、VTは約8000銘柄に一度に分散投資できる優秀な商品です。

一方で、S&P500は500銘柄が対象なので、VOOは3つの中では最も対象銘柄が少なくなります。

その点、銘柄数が多い方が1つ1つの銘柄の重みが軽くなるので、「VT > VTI > VOO」の順で分散効果がありそうです。投資対象を分散すれば、リスクを回避できるといったメリットがあります。

分散しすぎも良くない?

しかし分散しすぎるとここの銘柄の成長の恩恵を受けにくくなり、リターンが低くなる可能性もあります。

実際にここ数年は、下のグラフにも示すように、米国の巨大IT企業である「GAFAM」や、ネットフリックス、テスラなどの成長が特に著しいため、米国市場に絞る方が全世界株式よりもリターンは良いと予想できます。

引用元:「月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資, 太田創著

おそらく、このあたりで皆さんの意見が分かれるため、全世界株式派と米国株式派が生まれると思います。

このあと実際に、VT・VTI・VOOに投資した際のパフォーマンスをシミュレーションで確認していきます。

ちなみにVT・VTI・VOOを購入する際は、買付手数料が発生します。

それほど高くありませんが、手数料なので出来れば「ゼロ」に抑えたいところですよね。

マネックス証券であれば「VT」「VTI」「VOO」などの米国ETFの買付手数料が実質無料のサービスが展開されています。VT・VTI・VOOの買付手数料が「実質ゼロ」です。

余計な手数料を取られたくない方にとってはオススメです。ぜひ利用して、VTIやVOOを購入する際に、無駄な手数料を払わないようにしましょう。

【比較①】VT・VTI・VOOの構成銘柄/割合

続いて、VT、VTI、VOOのそれぞれのETFを構成している銘柄を比較します。

銘柄を比較すると分かりますが、VT・VTI・VOOは大体似たような銘柄で構成されています。しかし各銘柄が占める割合がVT・VTI・VOOで異なります。

*【最新】VT・VTI・VOOの構成銘柄比較

No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1AAPLアップル3.06%5.17%6.04%
2MSFTマイクロソフト2.81%4.71%5.55%
3AMZNアマゾン1.17%1.92%2.32%
4GOOGLアルファベット
A
0.85%1.39%1.64%
5GOOGアルファベット
C
0.72%1.21%1.46%
6TSLAテスラ0.90%1.56%1.76%
7UNHユナイテッド
ヘルスケア
0.76%1.30%1.54%
8JNJジョンソン

ジョンソン
0.74%1.22%1.43%
9BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
0.72%1.37%1.73%
10USドル0.97%
11XOMエクソン
モービル
0.71%1.21%1.41%
12JPMJPモルガン
チェース
1.04%1.22%
上位
10銘柄
合計
割合
12.52%20.51%24.33%
※2023年2月4日
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1AAPLアップル3.31%5.56%6.55%
2MSFTマイクロソフト3.04%5.08%5.99%
3AMZNアマゾン1.49%2.43%2.90%
4GOOGLアルファベット
A
1.04%1.74%2.04%
5GOOGアルファベット
C
0.95%1.53%1.88%
6TSLAテスラ0.90%1.56%1.76%
7UNHユナイテッド
ヘルスケア
0.76%1.27%1.50%
8JNJジョンソン

ジョンソン
0.74%1.24%1.46%
9BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
0.63%1.21%1.54%
10USドル0.74%1.09%
11NVDAエヌビディア1.18%
METAメタ・
プラット
フォーム
上位
10銘柄
合計
割合
13.63%22.71%26.80%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1MSFTマイクロソフト3.44%5.71%6.83%
2AAPLアップル3.18%5.21%6.23%
3AMZNアマゾン1.82%2.97%3.59%
4GOOGLアルファベットA1.08%1.80%2.15%
5TSLAテスラ1.07%1.75%2.12%
6GOOGアルファベットC1.04%1.61%2.00%
7FBメタ・プラットフォーム
(旧フェイスブック)
1.00%1.64%1.96%
8NVDAエヌビディア0.88%1.44%1.81%
9US ドル0.80%
10UNHユナイテッド・ヘルスケア0.59%0.98%1.17%
12BRK/Bバークシャ・ハザウェイ1.05%1.35%
上位10銘柄合計割合14.90%24.17%29.22%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1MSFTマイクロソフト3.17%5.24%6.35%
2AAPLアップル2.98%4.95%6.00%
3AMZNアマゾン1.86%3.05%3.75%
4GOOGLアルファベット1.11%1.88%2.27%
5GOOGアルファベット1.07%1.69%2.13%
6TSLAテスラ1.13%1.88%2.31%
7FBメタプラットフォーム
(旧フェイスブック)
0.98%1.62%1.97%
8NVDAエヌビディア0.78%1.28%1.62%
9JPMJPモルガン
チュース
0.64%1.07%1.29%
10BRK/Bバークシャハザウェイ1.04%1.36%
11US Dollar0.82%
上位10銘柄合計割合14.53%23.69%29.05%
No.ティッカー銘柄 VT  VTI  VOO 
1AAPLアップル2.65%4.35%5.51%
2MSFTマイクロソフト2.51%4.35%5.27%
3AMZNアマゾン1.84%3.19%3.86%
4FBフェイスブック1.06%1.83%2.21%
5GOOGアルファベット0.95%1.64%1.98%
6GOOGLアルファベット0.94%1.55%1.95%
7TSLAテスラ0.64%1.11%1.34%
8BRK/Bバークシャー
ハサウェイ
1.19%1.53%
9JPMJPモルガン
チュース
0.67%1.16%1.40%
10JNJジョンソン&
ジョンソン
0.62%1.03%1.25%
1100700テンセント0.62%
12US Dollar0.82%
上位10銘柄合計割合12.70%21.39%26.32%

表の構成銘柄の割合を見ると、上位10銘柄で占める割合は、「VOO > VTI > VT」の順で異なります。

最新の構成割合だと、VOOだで「約4分の1程度」が上位10銘柄で構成されていることになります。

つまり、VOOが最も集中した投資になっており、VTが最も分散した投資になります。

また過去の構成割合と比べると、ここ1年は上位銘柄の割合が低くなってきています。この理由は、米国のハイテク企業の株価低迷が影響しています。

上位銘柄の割合が低くなったということは、その分分散した投資になっていることになります。

この辺りも含めて、続いて、個々のETFの構成割合を詳しくみていきます。

VTの構成銘柄(全世界株式)

では、初めに全世界株式(VT)の構成銘柄と割合、またその変動について解説します。

VTの上位10銘柄

No.ティッカー名称最新
2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
1AAPLアップル3.06%3.31%2.65%
2MSFTマイクロ
ソフト
2.81%3.04%2.51%
3AMZNアマゾン1.17%1.49%1.84%
4GOOGLアルファ
ベットA
0.85%1.04%0.95%
5TSLAテスラ0.90%0.64%
6GOOGアルファ
ベットC
0.72%0.95%0.94%
7METAメタ・
プラット
フォーム
1.06%
9USドル0.97%0.76%0.82%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
0.78%0.76%
11JNJジョンソン&
ジョンソン
0.73%0.74%
12BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
0.72%0.63%
13JPMJPモルガン
チェース
0.67%
14テンセント0.62%
15XOMエクソン
モービル
0.71%
上位10銘柄
割合
12.52%13.63%12.70%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には0.数%含まれています。
引用元:ETF.com

VTは、全世界が対象ですので、少し前までは中国企業である「テンセント」が上位に食い込んできていました。しかし最新の上位銘柄だと全て米国企業となっています。

また最新の情報でも、最も多くの割合を占めるマイクロソフトやアップルでも3%程度となってます。

この上位銘柄の構成割合は、ここ最近低下傾向にあり、またVTIやVOOと比べて低く、全世界の色々な株式に分散されていることが分かります。

逆に言えば、VTは「米国のIT企業(アップル等)の成長をリターンとして受けにくい」ということにもなります。

この点は、人の好みや考え方で捉え方が変わる点なので、ご自身のメリット・デメリットを判断しましょう。

VTIの構成銘柄(全米株式)

続いて、全米株式(VTI)の構成銘柄と割合についてです。

VTIの上位10銘柄

No.ティッカー名称最新
2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
1AAPLアップル5.17%5.56%4.35%
2MSFTマイクロ
ソフト
4.71%5.08%4.35%
3AMZNアマゾン1.92%2.43%3.19%
4GOOGLアルファ
ベットA
1.39%1.74%1.64%
5TSLAテスラ1.56%1.11%
6GOOGアルファ
ベットC
1.21%1.53%1.55%
7METAメタ・
プラット
フォーム
1.83%
9BRK/Bバークシャ
ハザウェイ
1.37%1.21%1.19%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
1.30%1.27%
11JPMJPモルガン
チェース
1.04%1.16%
12JNJジョンソン&
ジョンソン
1.22%1.24%1.03%
13XOMエクソン
モービル
1.21%
14USドル1.09%
上位10銘柄
の割合
20.51%22.71%21.39%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には0.数%含まれています。
引用元:ETF.com

VTIは、全米の株式が対象ですので、VTに比べ中国株など世界各国の株式が含まれません。

その分、VTIは米国企業の各銘柄の割合が高くなっています。構成割合を見ても、アップルなどの上位10銘柄が占める割合は、VTよりも多くなっています。

ちなみにこの後紹介する「VOO」と比べると、VTIの構成割合はVOOよりも少ないため、割合だけで言うと、VTとVOOの間ぐらいのイメージとなります。

また2021年7月時点と2023年2月時点の比較すると、2023年の方が2021年に比べて、上位10銘柄が占める割合が低くなっており、銘柄も多少の入れ替えが見られます。

例えば、旧フェイスブックであるメタプラットフォームが上位10銘柄が姿を消し、代わりにヘルスケア銘柄のジョンソン&ジョンソンがランクインするなど、たった1-2年ですが、VTIなどの上位10銘柄の割合は大きく異なっていることがわかります。

VOOの構成銘柄(S&P500)

最後に、S&P500(VOO)の構成銘柄と割合、その変化について紹介します。

VOOの上位10銘柄

No.ティッカー名称2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
1AAPLアップル6.04%6.55%5.51%
2MSFTマイクロ
ソフト
5.55%5.99%5.27%
3AMZNアマゾン2.32%2.90%3.86%
4GOOGLアルファ
ベットA
1.64%2.04%1.98%
5TSLAテスラ1.76%1.34%
6GOOGアルファ
ベットC
1.21%1.88%1.95%
7METAメタ・
プラット
フォーム
2.21%
8NVDAエヌビディア1.18%
9BRK/Bバークシャ
ハザウェイ
1.73%1.54%1.53%
10UNHユナイテッド
ヘルスケア
1.54%1.50%
11JPMJPモルガン
チェース
1.22%1.40%
12JNJジョンソン&
ジョンソン
1.43%1.46%1.25%
13XOMエクソン
モービル
1.41%
上位10銘柄
の割合
24.33%26.80%26.32%
※上位10銘柄以外は数字を記載していません。実際には数%含まれています。

VOOですが、対象銘柄はS&P500指数です。

指数名にもあるように、500銘柄に投資するのがVOOです。なのでVOOは、VTやVTIに比べると、より更に選択と集中が行われた米国ETFになっています。実際に上位10銘柄の割合が最も高くなっています。

数字を見ても、マイクロソフトやアップルが占める割合・上位10銘柄が占める割合は最も高く、米国市場の巨大企業にかなり集中していることがわかります。

つまりVOOは米国市場の大企業の成長を最も受けやすいETFと言えます。

一方で他のVTやVTIに比べ、個々の銘柄の影響度が高くなるので、例えばアップルの株価が暴落したら、その分落下率も多くなるといったデメリットもあるので、意見が分かれるところでもあります。

VOOに連動する「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」

VOOは米国ETFです。米国ETFは個別株と同様に扱われるので、裁定取引金額が高いことや、取引が面倒になる場合もあります。

もしVOO(S&P500)に投資したい場合、国内の投資信託である「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」をオススメします。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、100円から投資可能です。さらに分配金再投資が可能でなので税金面の処理が簡単になることに加え、複利の力で資産をより効率的に増やすことが可能です。

そんなSBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、SBI証券マネックス証券で取り扱いがあります。

数十万円以下程度の運用の場合、米国ETFよりも投資信託の方が効率良く運用できるので一度検討してみてはいかがでしょうか。

【比較②】分配利回り・コスト・純資産額

ここではVT・VTI・VOOについて、「運用コスト」「分配金(分配利回り)」「純資産額」「基準価格」を比較します。

まずは各項目を表にまとめたので、以下をご確認ください。

* 運用コスト・利回・純資産額・基準価格の比較

項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.07%0.03%0.03%
分配利回り2.02%1.54%1.58%
純資産額
(百万米ドル)
26,591280,588279,252
基準価格
(最低購入金額)
$93.5$207.84$378.85
(2022年08月05日時点のデータをもとに作成)
項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.07%0.03%0.03%
分配利回り2.27%1.49%1.51%
純資産額
(百万米ドル)
23,509269,240271,331
基準価格
(最低購入金額)
$91.43$207.55$380.18
(2022年08月05日時点のデータをもとに作成)
項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.07%0.03%0.03%
分配利回り1.89%1.29%1.31%
純資産額
(百万米ドル)
26,307299,088279,850
基準価格
(最低購入金額)
$101.11$220.91$402.69
(2022年01月23日時点のデータをもとに作成)
項目VTVTIVOO
運用コスト
(経費率)
0.08%0.03%0.03%
分配利回り1.52%1.29%1.39%
純資産額
(百万米ドル)
21,299243,655225,707
基準価格
(最低購入金額)
103.34218.44386.39
(2021年7月16日時点のデータをもとに作成)

では、それぞれ詳しく見ていきます。

運用コスト

まずはコストです。米国ETFの運用コストは、「経費率」で示されます。

この経費率は、VTIとVOOは0.03%となっているのに対し、VTはやはり新興国株式の運用も含むため、0.07%と若干高くなっています。

運用コスト(経費率)
  • VT:0.07%/年
  • VTI:0.03%/年
  • VOO:0.03%/年
銘柄2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
VT(全世界株式)0.07%0.07%0.08%
VTI(全米株式)0.03%0.03%0.03%
VOO(S&P500)0.03%0.03%0.03%

経費率は、年間で運用にかかる手数料になります。例えば、総額100万円分ETFを購入していたとすると、VTではコスト700円/年、VTIとVOOでは300円/年、のコストが年間かかるという意味です。

100万円に対し500円の差なので、正直コストに関しては大差ないと考えても良さそうです。

コストの差よりも、リターンの差の影響が大きいですね。

分配利回り

次に分配金ですが、VTの分配利回りのみ2%を超えているのに対し、VTIとVOOは1%中頃となっています。少し差があるように見えます。

分配利回り
  • VT:2.02%/年
  • VTI:1.54%/年
  • VOO:1.58%/年
銘柄2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
VT(全世界株式)2.02%2.27%1.52%
VTI(全米株式)1.54%1.49%1.29%
VOO(S&P500)1.58%1.51%1.39%

分配利回りは、年間でもらえる配当金のようなものです。

例えば、税金を無視すると、100万円投資していた時に、VTでは2.02万円/年の分配金を受け取れるのに対し、最も低いVTIでは、1.54万円/年の分配金を受け取れるという意味です。

つまり、VT・VTI・VOOの3つのETFだと、100万円投資して、最大0.48万円/年(4800円/年)の差があります。

しかし100万円の1%は1万円なので、運用コスト同様に、分配利回りの数字よりも「リターン率(成長率・騰落率)の大小」の方が、私たちの資産の増減には影響が大きそうです。

純資産額

次に純資産額です。VTは、VTIやVOOに比べ、一桁分額が少ないことがわかります。

純資産額
  • VT:26,591 百万米ドル
  • VTI:280,588 百万米ドル
  • VOO:279,252 百万米ドル
銘柄2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
VT(全世界株式)26,59123,50921,299
VTI(全米株式)280,588269,240243,655
VOO(S&P500)279,252271,331225,707
単位:百万米ドル

純資産額は、VTがVTI・VOOに比べて非常に少なくなっています。これは単純に、VTよりも、VTIやVOOの方が人気があると考えることができます。

中には1人で多くの資産をVTIやVOOに入れている方もいるかもしれませんが、それで桁が異なるほどの差が生じるとは考えにくいです。

つまり、世間では、全世界株式(VT)に投資している人よりも、全米株式(VTI) or S&P500(VOO)に投資している方が多いということになります。

基準価格(株価)

最後に、基準価格です。VTが最も基準価格が低く、VOOが最も基準価格が高い値となっています。

基準価格(株価)
  • VT:$93.5
  • VTI:$207.84
  • VOO:$378.85
銘柄2023/
2/4
2022/
8/5
2021/
7/16
VT(全世界株式)$93.5$91.43$103.34
VTI(全米株式)$207.84$207.55$218.44
VOO(S&P500)$378.85$380.18$386.39

基準価格は、1株あたりの価格なので、単純に購入最低金額となります。

つまり、VTの方が少額から購入することが可能です。

分配金で1株VT・VTI・VOOを買うには?

ちなみに、米国ETFは分配金を自動で再投資できないため、複利的に投資を行いたい場合、得た分配金で再度ETFを購入する必要があります。

100万円($10,000)分、VT・VTI・VOOを購入したと仮定します。

この時に得られる分配金で、もう一株VT・VTI・VOOを購入できるか計算してみましょう。

銘柄分配
利回り
$10,000
投資した
場合の
分配金
(税は除く)
基準
価格
分配金
再投資
可能か
VT
全世界
2.02%$202$93.5可能
VTI
全米
1.54%$154$207.84不可
VOO
S&P
500
1.58%$158$378.85不可

上の表の通り、100万円分購入した際に、分配金だけで1株購入し直せるのは、「VT」のみとなっています。つまり購入最低金額が低い方が、少ない分配金でも再購入しやすいため、米国ETFで資産運用する場合は、VTの方が複利的に資産運用を行うことができるメリットがあります。

VTIやVOOで配当金再投資の弱点を補う方法

VTIやVOOは、$10,000(約130万円)を投資して得た分配金では、VTIやVOOを1株すら購入することはできません。

この点、VTIやVOOは、複利の効果を得にくく、効果的な運用がしにくいです。

この場合、「投資信託を利用する」ことをおすすめいたします。

全米株式、S&P500に連動を目指す国内の投資信託であれば、100円から好きな金額だけ好きなときに購入することが出来ます。さらに投資信託は内部で配当金の再投資を行うことが可能です。

つまり投資信託の方が、複利の力で効率的に資産運用を行うことが可能です。

VTIとVOOに連動する投資信託
  • VOO
    • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  • VTI
    • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
    • 楽天・全米株式インデックス・ファンド

中でも、SBI・Vシリーズの投資信託は、信託報酬(運用コスト)が業界最安値レベルなので、最もオススメの投資信託になります。

そんなSBI・Vシリーズは、SBI証券マネックス証券で取り扱いがありますので、これを気に一度確認してみてはいかがでしょうか。

【比較③】長期チャートの比較

続いて、VT(全世界株式)・VTI(全米株式)・VOO(S&P500)の過去のパフォーマンスを比較してみます。

長期投資前提で検討している方が多いと思うので、ここでは以下の4つの期間で比較したいと思います。

一部データがないため、全世界株と米国株式の比較になります。

VT・VTI・VOOを比較する期間(一部、全世界株と米国株の比較)
  • 5年(2018年〜2022年)
  • 10年(2013年〜2022年)
  • 30年(1990年〜2022年)
  • 50年(1970年〜2022年)

5年(2018年〜2022年)の比較

ではまず、過去5年間の比較を行います。

* 2018~2022年のチャート

画像:著者作成

過去5年間のVT・VTI・VOOのチャートを比較すると、米国株式(VTI・VOO)のチャートが強いことがわかります。

上昇率を見ても、2倍近い差があることがわかります。

VTI・VOOを比較すると、期間によってどちらがより高いパフォーマンスとなっているか異なりますが、最終的にはVOO(S&P500)の方が高い上昇率となっています。

10年(2013年〜2022年)の比較

続いて、過去10年間の比較を行います。

* 2013~2022年のチャート

画像:著者作成

過去10年間のVT・VTI・VOOのチャートも比較していきますが、5年の比較と傾向は変わりません。

VTよりも、VTIやVOOの方が上昇率は高く、2倍近い差となっています。

VTIとVOOでも、VOOの方が最終的な上昇率は高くなっています。

30年(1990年〜2022年)の比較

もっと長期間の30年間で比較します。20代30代で資産運用を考えている方は、この辺りが実際の老後資金準備などのシミュレーションになるかもしれません

ここでは、VTやVTI・VOOの過去データがないので、全世界株式指数と米国株式指数で比較します。

* 1990~2022年の全世界株式と米国株式の比較

黒が全世界株式(VT想定)、赤が米国株式(VTIやVOO想定)のチャートです。

終始米国株の方が良いパフォーマンスとなっています。30年間の運用となると、上昇率も大きくなり、その分「差」も大きくなっています。全世界株式の運用が「+300%」程度にとなっているのに対し、米国株式の運用は「+1000%」を超えています。

過去のデータを見る限り、VTよりもVTIやVOOの方が強い動きをしてそうですね。

50年(1970年〜2022年)の比較

最後に、50年間の比較をしてみましょう。

50年間運用を続ける人はもしかしたら少ないかもしれませんが、世代を跨いで運用したい方や、子供のジュニアNISAを利用していて、そのまま新NISAなどに移行して運用する方は、50年間の運用データも気になるかもしれません。

* 1970~2022年の全世界株式と米国株式の比較

1970年に運用を始めて、50年間運用した場合の結果です。

この場合、運用を開始して15年目〜25年目あたりの1985~1995年ごろの10年間は「全世界株式(VT)」の方が上昇率が大きくなっています。

1985年ごろから全世界株式の方が上昇率が高い理由としては、日本経済のバブル期が影響していると考えられます。この頃の世界企業の時価総額ランキングは、日本企業がズラリと並んでいました。

この影響を受けて、米国株のみよりも、全世界株式の方がパフォーマンスはよかったと考えられます。

その後、2000年(運用開始30年)以降は、ほぼ同じぐらいか、米国株のパフォーマンスが良くなっています。

チャート比較まとめ

ここまで、いくつかの期間でVT・VTI・VOOのチャートを比較してきました。

結局のところ、上昇率は4つの期間の全てで、米国株式が強い結果となりました。

また過去10年間に限っては、「VOO>VTI>VT(S&P500 > 全米株式 > 全世界株式)」 という順になりました。

ただしこのチャート比較は、単純に基準価格の過去のチャート(成長率)を比較しただけなので、分配金(配当金)の再投資は考慮されていません。

実際に投資を検討されている方は、長期での投資目的で分配金は再投資される方も多いはずです。

なので、後ほど「分配金再投資を含めたトータルリターン」の比較を行います。

【考察】全世界株(VT)はリスクが低いのか?

チャートを比較し整理している時に、我が家で疑問に感じたことがあったので、ここで考察していき

おむこ
おむこ

VTは全世界株に分散投資している分、リスクが小さいと考えられているけど、本当にリスクが小さいの?

リスクが小さいということは、全世界株VTの方が下落しにくいということ?

ここでは、全世界株(VT)は本当にリスクが小さいのか?を少し確認していきます。

リスクが小さい=下落しにくいというイメージだと思います。なので実際に2つの大きな下落場面において、VT・VTI・VOOのチャートを比較していきます。

比較する2つの下落場面

  • 2020年:コロナショック時の下落
  • 2022年:経済政策による下落

(考察1)2020年:コロナショック時の下落場面

早速ですが、コロナショックで株式市場が大きく下落した場面のVT・VTI・VOOのチャートを比較してみましょう。

* 2020年:コロナショック時のチャート比較

画像:著者作成

コロナショックは2020年2月ごろから株価が下落し始めました。その時のチャートを見ると、VTもVTIもVOOも同程度下落していることがわかります。

その後、切り返して上昇していく場面では、VTIやVOOの方が上昇幅が大きくなっていることもわかります。

(考察2)2022年:経済政策による下落場面

次に、2022年のチャートを見てみましょう。

2022年は、インフレ圧力を抑え込むために米国では特に金利上昇を進め、株価に下落圧力がかかりました。この時のチャートを見てみましょう。

* 2022年:経済政策による株価下落年のチャート比較

画像:著者作成

ここでも3つのETFは、同じような動きをとっていることがわかります。下落幅もVT・VTI・VOO同程度であり、VTが特別下落に強いという印象は見られません。

ただし、下落後の上昇場面ではVTも米国株式同様の上昇率となっています。

(考察まとめ)VTは下落に強いのか?

今回、直近の2つの下落場面のチャートを切り取り、VTとVTI・VOOを比較しました。

下落場面のチャート比較まとめ
  • 2020年:コロナショック時もVT,VTI,VOOは同程度の下落幅
  • 2022年:経済政策による株価下落場面も、3つは同程度の下落

VTは、対象銘柄が多く分散されているので、下落リスクが小さいと考えられますが、実際はVTIやVOOと同程度の下落が見られる結果となりました。

下落する場面では、様々な理由があるため一概に常に同じ下落幅とは言えませんが、少なくとも直近2回の下落場面では同程度の下落となる結果でした。

VTIやVOOは、米国ETFと国内投資信託で投資することが可能です。米国ETFで直接VTI・VOOに投資する場合、SBI証券マネックス証券だと買付手数料が実質無料になります。

さらに、マネックス証券の場合は、日本円のままVTIやVOOを購入する場合に発生する為替手数料も無料となっており、非常にオススメの証券会社です。

では、次の章で、分配金なども含めた運用シミュレーションをおこなっていきます。

【シミュレーション①】VT・VTI・VOO に一括投資

先ほどはチャートの比較を行いました。

ここでは、実際にVT・VTI・VOOに投資したときのリターンを比較していきます。

実際に米国ETFを購入し、分配金も再投資し、長期で運用した際のトータルのリターンや、投資途中で必ず来る下落場面での下落幅の比較を行います。

シミュレーション①の条件(一括投資)

ここでは実際に、約100万円($10,000)を投資した場合、過去10年間程だといくらになるのか、簡単にシミュレーションしてみます。

投資先は、もちろん「VT・VTI・VOO」になります。

先程の分配金問題は、再投資することを条件にシミュレーションします。

シミュレーション①の条件
  • 期間:2011年1月〜2023年1月末まで(約12年間)
  • 初期費用$10,000(約100万円)を一括投資し、その後放置する
  • 分配金は再投資するものとする

シミュレーション①の結果(一括投資)

VT・VTI・VOOのいずれかに、一括で100万円購入し、10年間運用を続けた時のシミュレーションの結果が以下です。


* 一括投資した場合の資産推移結果

画像:著者作成

* シミュレーション結果の詳細

VTVTIVOO
対象全世界株全米株S&P500
初期資金$10,000$10,000$10,000
最終資産額$20,714$35,023$35,784
最大下落率-26.58%-25.67%-24.80%
ワースト年の
下落率
-17.99%-19.51%-18.17%
ソリティレシオ0.871.311.38

シミュレーションの結果ですが、最終資産額を見ると、VTに比べてVTIとVOOは資産額が多いことがわかります。

またVTIとVOOでは、ほとんど変わりませんが、若干VOOの方が多くなっています。

下落パフォーマンスを見ると、最も下落率が大きかった年の下落率(ワースト年の下落率)は、VTが最も小さくなっていることがわかります。しかしそれほど大きな差はなく、VTIやVOOはVTに比べて1-2%程度下落率が大きい程度です。

それに対し、最終資産額は数十%もVTIやVOOの方が高いので、VTIやVOOで運用する方が良さそうな印象です

下落リスクの指標「ソリティレシオ」について

表の最後に、「ソリティレシオ」という値を比較しています。

ソリティレシオとは、以下の通りです。

ソリティレシオについて
  • ソリティレシオ(Sortino ratio)は、下落リスクに対する上昇リターンを示す
  • 分母に下落リスク、分子にリターンを入力し算出

つまり、ソリティレシオの値が大きいほど、「下落リスクに対するリターンが大きい」or「リターンは低くても下落リスクがとにかく低い」のどちらかと考えることができます。

もっと簡単にいうと、ソリティレシオの値が大きいほど、私たちは嬉しいと言うことになります。

下落リスクに対するリターンの割合を示す「ソリティレシオ」を見ても、今回のシミュレーション結果では「VOO」が最も高い数値を見せています。

過去のデータから下落リスクが小さいETFを選びたい方は、VTやVTIではなく、VOOがおすすめのETFとなります。

【シミュレーション②】VT VTI VOO につみたて投資

先ほどは、一括投資した場合のシミュレーションを行いました。

その結果、過去12年間運用した場合「VOO」が下落局面にも強く、最終リターンも高くなりました。

しかし、実際に一括で数十万円や数百万円の資金を購入する人は少ないと思います。

私も含めて、毎月や毎年決まった額をコツコツ投資する人がほとんどかと思います。

なのでここでは、毎年資金を追加していった場合のシミュレーションを行います。

比較項目は先ほどと同じです。

シミュレーション②の条件(つみたて投資)

先ほど同様、12年間の運用で、分配金は再投資。投資対象は「VT・VTI・VOO」です。

さっきと違うのは、「毎年資金を追加していく」ところです。詳細は以下です。

シミュレーション②の条件
  • 期間:2011年1月〜2023年1月末(約12年間)
  • 初めに、$3,000(約40万円)を一括投資する
  • その後毎月、$250(約3.3万円)を追加投資していく
    (つみたてNISAを想定毎月3.3万円投資想定
  • 分配金は再投資するものとする

シミュレーション②結果(つみたて投資)

毎月、コツコツ資金を投資した際のシミュレーションの結果が以下です。

* つみたて投資時の資産推移

画像:著者作成

* シミュレーション結果の詳細

VTVTIVOO
対象全世界株全米株S&P500
初期資金$3,000$3,000$3,000
追加投資額$250/月$250/月$250/月
累計投資額$39,250$39,250$39,250
最終資産額$78,234$99,319$102,236
増加額+$38,984+$60,065+$62,986
最大下落率-26.58%-25.67%-24.80%
ワースト年の
下落率
-17.99%-19.51%-18.17%
ソリティレシオ0.871.311.38

つみたてNISAを想定した毎年36万円追加していく運用の場合でも、一括投資の時と同じで、リターンの大きさは「VOO>VTI>VT」という結果になりました。

「一括投資」と「つみたて投資」どちらの場合でも、過去12年間のデータを見る限りは、VTよりも、VTIかVOOに投資する方が資産をより成長させることができそうです。

さらに、VTIかVOOどっちがおすすめなのかについても、最終資産額と下落リスクを比較すると「VOO」の方が下落リスクは小さく、上昇幅も大きいと言えます。

【シミュレーション】結果まとめ

では、シミュレーション結果もまとめていきます。

VT VTI VOOの比較まとめ
  • リターンは、VOO≧VTI>VT の順
  • VOOが最も高いリターンとなった
  • 過去10年間の下落幅は、VTが最も高い
  • VOOが最も 小さい下落幅であった
  • VTのメリットは、購入最低金額が低く、再投資が容易
  • VTIやVOOも投資信託を利用すれば再投資が容易となる

リターンは、①VOO(S&P500)、②VTI(全米株式)、③VT(全世界株式)となり、「VOO(S&P500)」が最も最終資産額が大きくなりました。

下落幅は、①VT(全世界株式)、②VTI(全米株式)、③VOO(S&P500)となり、「VOOが最も下落が小さい」結果となりました。

VT(全世界株式)は、基準価格が低く分配金を再投資しやすい点がメリットでした。

しかし分配金を再投資するシミュレーションを行っても、VTIやVOOのパフォーマンスには及びませんでした。

(参考)下落相場シミュレーション(2020年以降)

シミュレーションの最後に、念の為下落相場が続いた2020年以降のシミュレーションもしておきます。

下落相場シミュレーション条件

下落相場シミュレーションの条件
  • 期間:2020年1月〜2023年1月末(約2年間)
  • 初めに、$3,000(約40万円)を一括投資する
  • その後毎月、$250(約3.3万円)を追加投資していく
    (つみたてNISAを想定、毎月3.3万円投資を想定)
  • 分配金は再投資するものとする
  • 2020年3月にコロナショック
  • 2022年1年間は株式市場全体が厳しい環境(実際に下落した)

下落相場でのシミュレーション結果

* 資産の推移

画像:著者作成

* シミュレーションの詳細数値結果

VTVTIVOO
対象全世界株全米株S&P500
初期資金$3,000$3,000$3,000
追加投資額$250/月$250/月$250/月
累計投資額$9,250$9,250
$9,250
最終資産額$14,290$14,667$14,843
増加額+$5,040+$5,417+$5,593
最大下落率-25.52%-24.81%-23.91%
ワースト年の
下落率
-18.01%-19.51%-18.19%
ソリティレシオ0.540.710.75

2020年以降はコロナショックに始まり、その後株価は急上昇しましたが、経済政策の影響を受けて2022年1年間は下落圧力を受けて継続的に株価は下げました。

その中でも、VTIとVOOがVTよりも最終資産額は高くなっています。

下落パフォーマンスに関しては、ワースト年の下落率はVTが最も小さいです。しかし最大下落率は、VTが最も大きくなっています。

ソリティレシオを見ると、VOO>VTI>VTの順で大きくなっています。

以上から、今回のシミュレーションでも「VOO」が最も良いパフォーマンスを見せたと言うことができます。

VOOに投資する場合、米国ETFか投資信託どちらがいいのか?

シミュレーションで優秀とわかった「VOO」ですが、投資する方法は多く存在します。

最も有名なのは、以下の3つだと思います。どれで使って運用するべきなのでしょうか?

VOOに投資する方法
  • VOO(米国ETF)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(投資信託)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(投資信託)

厳密に言うと、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はVOOではなく、S&P500に連動する投資信託ですがパフォーマンスはほとんど変わりません。

この中でオススメは、投資信託のどちらかを選択することです。理由は以下の4つです。

投資信託を利用するべき理由
  • 100円から始められる
  • 為替など面倒な手続きなし
  • 分配金を自動で再投資してくれるので、効率良く資産が増える
  • クレカ決済で、購入金額の一部がポイントとして付与される

特に、後半の2つは重要です。

米国ETF「VOO」で運用すると、分配金をもらえますが、一旦米国で税金を引かれた額に対し、日本でも税金を取られます。米国での課税分は確定申告で取り戻せますが、一時的に手元資金が減ります。

これに対し、投資信託であれば米国での課税なく自動で分配金をどれだけ少額でも再投資してくれるので効率良く運用できます。

また最近普及が進んでいるクレカ決済で投資信託を購入すれば、購入金額の一部をポイント付与という形で取り戻すことが可能です。証券会社にもよりますが、一般的に0.5%~1.0%分の付与を受けれます。その分をまた投資しておけば、20-30年後は数十万円という大きな額になって返ってきます

せっかくならば、もったいないので少しでも多くの資産を手間をかけずに得ましょう。

【検討①】結局、VT・VTI・VOO どれがおすすめ?

ここまで、VT・VTI・VOOの過去のチャートや、過去のデータを使った運用シミュレーションをおこなってきました。

そろそろまとめに入っていきます。

VT・VTI・VOO どれがおすすめ?

それで、結局のところどれがおすすめなのかは、以下のように考えます。

VT・VTI・VOOはどれがおすすめ?①
  • 過去データの上昇率/下落率だけで判断するなら、VTIかVOOがオススメ
  • ただし、人それぞれ考え方があるのでご自身で判断すること

過去データを見る限りでは、米国株(VTI・VOO)がオススメです。

ただし、ご自身で考えて判断し運用することが最も重要です。ご自身で判断し選択しないと長期での運用を続けることができません。

その上でももう少し細かくいうと、以下のようになるかと思いますので参考にしてみてください。

VT・VTI・VOOはどれがおすすめ?②
  • 過去のデータを重要視する人:VTIかVOO(米国株)
    理由:米国株の方が過去上昇率が高く、下落幅もVTと同等だったため
  • 過去のデータはあまり参考にしない方:VT・VTI・VOOで好みの銘柄
    理由:結局資産運用は長期で行うことが重要。自分の考えに合う銘柄を選ばないと長期では続けれないため
  • 新興国株や米国以外の先進国に可能性を感じる方:VT(全世界株)
    理由:3つの中では唯一米国以外の株式を取り入れているため

私であれば、「米国株のVOO(S&P500)が過去のデータを見る限り良さそう」と考えているため、S&P500に連動する投資信託でずっと運用を続けています。

米国株が強いのはわかったけど、やっぱり全世界に分散投資しておきたい。

このように感じるのであれば、VT(全世界株式)で全く問題ありません。ご自身で選んだ銘柄の方が必ず運用を続けることができます。

例えば、VTIやVOOで運用する際に「2つのヒント」

過去データからは、全世界株式のVTよりも米国株式100%である「VTI」か「VOO」のどちらかをオススメと言えます。

「全米株式のVTIと「S&P500のVOO」のどっちが良いかは、正直なところ大差はないかと思いますので、この2つに関しては皆さんの好みでどちらか選ぶと良いでしょう。

その時に、VTIとVOOの差を気にするよりも、もっと注意するべき点が2点あります。

運用する時の「2つのヒント」
  • ①:複利の力で効率的に運用するには「米国ETFではなく、投資信託がオススメ」
    → 理由:分配金を無駄なく運用できる
  • ②:もし米国ETFで運用する場合は、マネックス証券を利用する
    → 理由:2つの手数料が唯一無料だから(購入時為替手数料と買付手数料)

米国ETFではなく、投資信託を活用する

米国ETFである「VTI」「VOO」は、基準価格が約3~4万円と比較的高く、個人で資産運用する場合、分配金再投資が難しいです。なので、VTIやVOOに連動する、投資信託の利用をオススメします。

投資信託を利用すれば、運用会社が自動的に配当金をファンド内で再投資してくれるので、無駄なく効率的に運用することができます。

配当金(分配金)の再投資有り無しの比較

実際に、S&P500指数に投資した際の「配当再投資」「配当再投資無し」を比較したグラフが以下になります。

引用元:「インデックス投資は勝者のゲーム─株式市場から確実な利益を得る常識的方法」

明らかに、配当や分配金を再投資して運用した方が資産の増え方が大きいのがわかります。これより、いかに再投資することによる複利の資産運用が重要か分かります。

投資信託の場合、内部で分配金などを再投資してくれるので、効率的に無駄なく資産を運用することができます。

VTI・VOOに投資する際のおすすめ投資信託

VTI・VOOに投資信託を用いて投資すればいいことがここまででわかりました。

ではVTIやVOOに連動する/同じパフォーマンスが期待できる投資信託を紹介します。

VTI・VOOと同じ値動きの投資信託
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(S&P500・VOO)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(S&P500)
  • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(全米株式・VTI)

これらの投資信託は、少額から購入でき、分配金再投資の設定が可能なので効率良く資産を運用できます。

また運用コスト(信託報酬)も業界最安値レベルの0.1%/年程度なので、無駄なく運用できます。

さらに投資信託であれば、SBI証券のクレカ積立の利用で、買付金額の最大5.0%のポイント付与を受けることができます。

米国ETF「VT・VTI・VOO」を買うならマネックス証券

投資信託と米国ETFを比べると、運用手数料は圧倒的に米国ETFの方が安いです。

運用手数料買付手数料
米国ETF①VTI0.030%/年0.495%
or
22ドル
米国ETF②VOO0.030%/年0.495%
or
22ドル
投資信託①SBI・V
S&P500
0.105%/年無料
投資信託②eMAXIS Slim
S&P500
0.112%/年無料

運用手数料は、米国ETFが投資信託の3分の1程度となっており、圧倒的に安くなっています。

一方で、米国ETFは買付手数料や、購入時に日本円決済する場合為替手数料が必要となります。

つまり、米国ETFの「運用コスト+買付手数料」 と投資信託の「運用コスト」を比較し、安い方を考えることになると思います。

マネックスだと人気米国ETFの買付手数料が無料

しかしマネックス証券で、VT・VTI・VOOを買う場合、この買付手数料や購入時の為替手数料が実質無料となります。

冒頭にも紹介しましたが、「マネックス証券」であれば「VT」「VTI」「VOO」の米国ETFの買付手数料が無料となります。

VT・VTI・VOO以外にも14銘柄、合計17銘柄の主要米国ETFの買付手数料が無料です。

買付手数料がかからない米国ETFだと、投資信託に比べ、トータルの手数料はかなり安く抑えることができます。

【検討②】VTI・VOO どっちがおすすめ?

過去データでは、全世界株式のVTよりも、米国株式である「VTIかVOO」がオススメということは分かりました。

では、VTIとVOOではどっちがおすすめなのでしょうか?

結論、どちらでもほとんど変わりませんので好みで選んで問題ありません。

運用する自分の銘柄に「米国の小型株」が欲しいかどうか

VTIは、全米株式なので大型株だけでなく、中型株・小型株も含まれます。

一方で、VOOはS&P500指数と同じパフォーマンスを目指すため、S&P500指数に採用されている大型500銘柄で構成されています。

そのため、小型株などの成長銘柄の恩恵を受けたい方は、VTIがおすすめです。

反対に、大型株だけで十分と考える方はVOOでいいかと思います。

S&P500とRUSSELL2000の比較

参考までに、大型株500銘柄のS&P500指数と、小型株2000銘柄から算出されるRUSSELL2000指数を比較してみます。

簡単に言うと、S&P500にはRUSSELL2000に含まれる小型株は入っていません。

しかしVTI(全米株式)には、RUSSELL2000に含まれる銘柄も入っています。

S&P500とRUSSELL2000の指数を比較することで、S&P500と全米株式どちらが良いか検討していきます。

以下は、S&P500(大型株)とRUSSELL2000(小型株)のチャート比較です

2000年〜2010年

2000年から2010年を見ると、大型株500銘柄のS&P500よりも、小型株2000銘柄のRUSSELL2000指数の方が成長率が高くなっていることがわかります。

つまり、この期間に関しては、VOOよりも小型株を含むVTIの方がパフォーマンスは高くなると予想できます。

2010年〜2022年

次に、2010年以降のパフォーマンスを比較すると、小型株2000銘柄よりも大型株500銘柄であるS&P500指数の方が高いパフォーマンスを上げていることがわかります。

この期間においては、VTIよりもVOOの方が高いパフォーマンスとなると考えられます。

ただし、VTI(全米株式)も上位10銘柄だけで20%を超える構成割合です。ましてやS&P500に含まれる500銘柄の構成割合は非常に高くなるため、いくらVTIがRUSSELL2000の小型株を含むとは言え、割合は小さいものです。

なので影響度もそれほど大きくはありません。

よって、VTI(全米株式)とVOO(S&P500)は、好みで選んで問題ないというのがこの記事の結論です。どちらも優秀な投資対象なので、どちらを選んでも問題ありません。

それよりも資産運用をまだ行なっていない人は、まずは始める方が重要です。

まとめ(VT・VTI・VOO徹底比較)

この記事では、米バンガード社の有名なETF(VT・VTI・VOO)を3つ紹介し、比較しました。

結論は、過去データを見る限り、VTI(全米株式)かVOO(S&P500)がオススメです。

ただし、人それぞれ考え方があると思いますので、全世界株式に魅力を感じる方は、全世界株式である「VT」で運用しても問題ありません。

重要なのは、長期で運用を継続することです。

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※ 資産運用は、人によって考え方や好みが分かれるので、どれで資産運用するのかはご自身の判断でお願いいたしますまた本記事で使用しているデータは、「2023年02月04日時点で公開されているデータ」をもとに作成/比較しています。一部過去のデータも比較用に残しています。

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