この記事は、VOOとVGTの比較記事part2になります。part1は以下の記事です。
part1では、2010年の以降のパフォーマンスではVGTがVOOよりも良い結果でしたが、「リスク」を考えるとVOOがおすすめとお伝えしました。
part2のこの記事では、リスクについて述べていきます。
具体的には、2000年~2001年のITバブル時のパフォーマンスです。
ただし、VGTは2004年、VOOは2010年に販売が開始された商品なので、類似商品を比較することで、ハイテク銘柄が大暴落した時のVGTとVOOのパフォーマンスを比較できればと思います。
ITバブルとは
ITバブルとは、2000年にかけて当時普及が進んでいたインターネットの将来性を期待して、米国でインターネット関連企業の株価が利益の裏付けがなく急騰。最終的には、事業展開に失敗して破綻したり、不正会計が発覚したりして相場崩壊しました。
当時のハイテク銘柄ばかりから算出されるNASDAQ100指数をみてみると、

青線がNASDAQ100指数です。1998年から2000ねん3月をピークに株価が急上昇。その後1-2年間で株価は4-5分の1に大暴落しています。これがITバブルになります。
ちなみにオレンジ線はS&P500指数で比較的下げ幅は小さくなっており、ITバブルではハイテク企業のみが売られたことがよく分かります。
VGTとVOO 比較の前提条件
VGTとVOOのチャートについて、1999年以降を比較したいのですが、VOOは2010年9月販売開始、VGTは2004年1月に販売開始となっており、比較することができません。
そこで似たようなチャートを描く類似商品で比較を行います。
対象 | 販売開始 | |
VGT | 情報技術セクター (MSCI US Investable Market Information Technology) | 2004年1月 |
→ QQQ | NASDAQ100指数 | 1999年3月 |
VOO | S&P500指数 | 2010年9月 |
→ SPY | S&P500指数 | 1993年1月 |

VGTは、QQQへ置き換え。VOOは、SPYへ置き換えて比較します。
絶対値は合いませんが、今回の比較で、ハイテク系 vs S&P500指数の傾向は十分確認できます。
VGT vs VOO (QQQ vs SPY)のITバブル時の比較
1999年3月〜2021年5月の比較

1999年から2001年ごろまで、QQQ(VGT想定)は急成長を見せていますが、その後ITバブルで急落。そこから2010年ごろまでSPY(VOO想定)より低いパフォーマンスとなっています。しかしその後は、再度高い成長率を見せ、後半の約10年間はQQQ(VGT)がSPY(VOO)を上回っています。
2000年9月〜2021年5月の比較

少し違った期間で見てみます。2000年9月以降のチャート比較です。
先ほどとは異なり、QQQはSPYを2020年までの約20年間下回り続けていることがわかります。
つまりVGTはVOOよりここ10年間は高いパフォーマンスを見せているのは確かですが、購入するタイミングによっては、VOOよりもパフォーマンスが低くなりその状態が長期間続くといったリスクもあるということです。
ITバブル時と現在の状況を確認(NASDAQ100/S&P500)
では、ITバブル時ようなハイテク系だけの暴落が起きる可能性はあるのでしょうか。
現在のNASDAQ100指数とS&P500指数の比率の推移をみると、ITバブル時の水準まできていることが分かります。

将来のことはわかりませんが、もし仮にハイテク銘柄が大きく下落するような場面が今後来た時は、過去の例を見ると、VGTよりもVOOの方が長期間パフォーマンスが高くなる可能性があります。
まとめ
結局のところ、何をリスクに感じるかに依ると思います。
私の場合は、ITバブルのような下落が来た場合、VGTだけでは大きな損失を受けてしまうので、VOOを中心に資産運用しようと考えました。
しかし、VGTの成長を取り損ねることをリスクと感じる方もいますし、結局感じ方は人によると思います。なので今回の記事でご紹介した中で、データだけでも参考になれば幸いです。
個人的には、VOO(S&P500)で資産のコア部分を固め、少量の攻め枠でVGTを買っていくのが良いかと考えており、私はVOOの額の20-30%程度、VGTやQQQを購入しています。
VOOとVGTの最適な組み合わせ割合についても検討してみました。気になる方はこちらの記事をご確認ください。
また投資初心者の方は、まずはS&P500指数(VOO)へ投資を行うことをオススメします。
※ 投資はご自身のご判断で行っていただきますようお願い致します。