この記事では、S&P500の投資信託の2022年の実績(チャート)を比較します。

NISA制度が最近よくニュースになっていて、お金の運用を考えてます。
S&P500で運用したいのですが、色々商品があるので、簡単に比較してほしいです

「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」の2022年の実績を比較。
できれば、比較しどちらがおすすめなのかも知りたいです。
最近、NISA制度の改訂などがニュースになっており、少子高齢化の観点からも資産運用の必要性が増しています。
その中でも「S&P500指数」は、最も有名な投資対象であり、全世界の投資家が好んで利用しています。
今回は、S&P500に連動する国内の投資信託の2022年の実績(データ・チャート)を比較します。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
この記事では最も人気の高い2つの投資信託に絞り、チャート比較、数字の比較を中心に2022年を振り返っていきます。
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500は、国内でのトップクラスに人気があり資金が集まっている投資信託です。S&P500に投資するなら、どちらかの投資信託がおすすめです。
特に、国内の投資信託がオススメの理由は、少額から運用できる点と、配当金などを自動で再投資してくれ、複利の力で効率よく運用できるからです。
また以下の証券会社などを利用すると、さらに手数料や実質コストを低くすることが可能なので、使わないと正直もったいないです。
- 投資信託を買う:SBI証券 × 三井住友カード(NL)
- 米国ETFを買う:マネックス証券
SBI証券と三井住友カード(NL)を組み合わせると、S&P500などの投資信託の購入金額に対して、0.5%~5%がポイント還元されるので、めちゃくちゃお得です。

2022年のS&P500を振り返る

S&P500の投資信託の比較をする前に、少しだけS&P500指数を振り返っておきます。
S&P500の1年間のチャート
先に、2022年のS&P500のチャートを見ます。

年明けから下落が進み、時より反発しているものの、1年間通してずっと下落傾向であったといえます。
結局、2022年S&P500指数は、「-19.44%」の下落となりました。
しかし10月以降は盛り返す場面のもあり、今後この下落トレンドを抜けれるかが注目されている中で、2023年を迎えた状況です。
米国市場の主なイベントなど
ではなぜ、2022年のS&P500指数含む、米国株式市場は大きく下落に転じたのでしょうか。
理由は、2020年のコロナウイルス感染症の影響を受けた経済を回復させるために講じていた金融政策の引き締めが開始されたためです。
具体的には、金利の引上げが1年間通して急ピッチで行われました。
- 2022年1月:0.00%〜0.25%
- 2022年12月:4.25%〜4.50%
- 引き上げ率:4.25%
株価と反対の動きをとる傾向がある「政策金利」の引き上げは、株式市場に下落圧力が生じます。
コロナの影響を受けて、政策金利は0.00%〜0.25%となっていましたが、インフレが進み始めたことで政策金利の引き上げを過去にないスピードで行われ、その影響を受けた「S&P500指数」は1年間通して苦しい展開となったのが下落の原因となります。
これらが2022年のS&P500指数の動きになります。
詳しくは以下の記事にまとめてます。
S&P500の投資信託を数字で比較

S&P500指数の大きな動きをおさらいしたので、投資信託のパフォーマンスをみていきます。
では2022年の「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の基準価格・純資産総額の増減率を比較してみます。
* S&P500の投資信託の数値比較(2022年)
SBI・V S&P500 | eMAXIS Slim S&P500 | 差 | |
---|---|---|---|
基準価格 の増減 | -6.11% | -6.09% | 0.02% |
純資産額 の増減 | +54.75% | +68.43% | 13.68% |
信託報酬 | 0.094 %/年 | 0.097 %/年 | 0.003 %/年 |
実質コスト | 0.104 %/年 | 0.112 %/年 | 0.008 %/年 |
基準価格は、2つの投資信託ともに6%程度の下落となっています。差は0.03%ですが、微々たる差なのでほとんど差はないと考えて良いでしょう。
では、各項目もう少し詳しく解説していきます。
純資産総額の比較
まず純資産総額から比較します。
* S&P500の投資信託の純資産総額比較(2022年)
ファンド情報 | SBI・V・S&P500 | eMAXIS Slim S&P500 |
---|---|---|
21/12/30 | 458,941 百万円 | 948,759 百万円 |
22/12/30 | 710,199 百万円 | 1,598,017 百万円 |
2022年の 増加額 | 251,258 百万円 | 649,258 百万円 |
純資産額 増加率 | +54.75% | +68.43% |
SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500の純資産総額の上昇率を比較すると、eMAXIS Slim S&P500の方が純資産総額は増えていることがわかります。13.68%上昇率が高くなっています。
この理由としては、eMAXIS Slim S&P500の方が取り扱っている金融機関が多いことが挙げられます。
取り扱っている金融機関が多いので、利用している顧客も多く資金流入も多くなったと言えます。
いずれにせよ2022年、S&P500の2つの投資信託は50%以上も資金が増えており、それだけ多くの人が投資信託を購入したということがわかります。
基準価格の比較
続いて、基準価格です。
2022年、本家のS&P500指数は約19%の下落となっていたので、S&P500の投資信託の基準価格も同様の下落が推測されます。
* S&P500の投資信託の基準価格比較(2022年)
ファンド情報 | SBI・V・S&P500 | eMAXIS Slim S&P500 |
---|---|---|
21/12/30 | 17606円 | 19204円 |
22/12/30 | 16530円 | 18035円 |
2022年の 増加額 | -1076円 | -1169円 |
純資産額 増加率 | -6.11% | -6.09% |
実際、2つの投資信託の基準価格は下落していますが、約6%程度の下落にとどまっています。
S&P500指数の19%の下落との差については、この後解説します。
2つの投資信託の下落率にはほとんど差はありません。厳密には、0.02%の差はありますが微々たる差です。
投資信託・S&P500・為替の比較
では、国内の投資信託とS&P500の下落率の差について、解説します。
国内の投資信託の多くは、S&P500指数だけでなく為替変動も織り込んで基準価格を算出しています。
なので、先ほどの基準価格の表に「為替の変化率」も加えて見てみましょう。
* S&P500投資信託の基準価格と為替
SBI・V S&P500 | eMAXIS Slim | VOO | S&P500 指数 | 為替 ドル円 | |
---|---|---|---|---|---|
21/12/30 | 17606 | 19204 | $437.77 | 4778.73 | 115.02円 |
22/12/30 | 16530 | 18035 | $351.34 | 3839.50 | 132.70円 |
変化量 | -1076 | -1169 | -$86.43 | -939.23 | +17.68円 |
変化率 | -6.11% | -6.09% | -19.74% | -19.44% | +15.37% |
為替(ドル円)は、2022年円安への動きが強い一年でした。表の数値通り、円安側をプラスとすると、為替(ドル円)は「+15.37%」となっています。
国内のS&P500の投資信託は、「S&P500指数の変動率」と「為替の変動率」から算出されます(実際の算出には日にちのずれなどがあり、複雑なので省略します)
そこでざっくり計算してみると、S&P500指数の下落率19%と、為替変動率の15%を足し合わせると、4%程度となり、国内の投資信託の基準価格の変化率「6%」と近い値となります。
つまり2022年は、S&P500指数は大きく下落したけど、為替では円安が進んだ影響を受けて、S&P500の投資信託の基準価格の下落率はそこまで大きくならなかったという結果です。
最近は、米国と日本の金融対策について、大きな差が生じており、その影響を受けて為替変動率も従来よりも大きくなっています。なので、投資信託の基準価格にとっても、為替変動率は無視できない要因となっていることがわかります。
そうなると、日々コツコツとつみたて購入することの重要性はますます上がっていきますね。

S&P500の投資信託をチャートを比較

続いて、S&P500の投資信託の基準価格のチャートも確認し比較します。
SBI・V・S&P500の基準価格チャート
1つ目、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの基準価格チャートをみましょう。
* 2022年のSBI・V・S&P500の基準価格

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの2022年の基準価格のチャートを見ると、年初から基準価格は下落しています。その後、春に持ち返すも、夏頃に再度下落。9月ごろにもう一度上昇するも、10月以降はずるずる下落する結果となりました。
もっとS&P500の投資信託「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」について、知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。


eMAXIS Slim S&P500の基準価格チャート
2つ目の投資信託、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価格チャートをみましょう。
* 2022年のeMAXIS Slim S&P500の基準価格

eMAXIS Slim S&P500も同じS&P500との連動を目指す投資信託なので、SBI・V・S&P500の基準価格の動きとほとんど変わりません。
ではこれら2つのS&P500の投資信託のチャートを重ねて比較してみましょう。
こちらも、もっとS&P500の投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」について、知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。


S&P500の2つの投資信託の基準価格チャートを比較
早速、チャート重ね合わせて比較します。参考までにS&P500指数のチャートも載せています。
* S&P500投資信託の基準価格の比較

3つのチャートを比較してますが、線は2つしか見えません。これは2つの投資信託の基準価格の変化がほぼ一致しているため、片方が見えにくくなっているためです。
つまり、「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」の基準価格の変化率は2022年の1年間ほぼ同じだったということになります。
一方で、ピンク色で示しているのがS&P500指数の変化です。S&P500指数自体は、やはり下落率が大きく、2つの投資信託に比べ、下落幅も大きくなっています。

その他、「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」の仕様の差、実績の差などについて、詳しく知りたい方は、以下の記事にまとめていますので、ご覧ください。
S&P500の投資信託と「他銘柄」を比較

では最後に、S&P500の投資信託と、そのほかの銘柄を比較していきます。
具体的には以下の投資信託の2022年の基準価格のチャートを比較します。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 新興国株式
基準価格チャートの比較
早速みていきます。
* S&P500投資信託と他銘柄の比較(2022年)

「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」はほぼ同じだったので、ここでは「SBI・V・S&P500」のみ載せてます。
結果、 SBI・V・米国高配当株式のパフォーマンスが最も良い結果となっており、2022年は唯一プラスで終えています。
続いて、SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim 全世界株式がほぼ同じパフォーマンスとなっています。
逆に最もパフォーマンスが低かったのは、eMAXIS Slim 新興国株式になってます。
つまり、投資信託のシリーズや運用会社の違いに関係なく、2022年は「米国高配当株式>S&P500≒全世界株式>新興国株式」となりました。
米国高配当株式についてもっと知りたい方、高配当株式とS&P500の比較に関しては、こちらの記事「SBI・V・米国高配当株式(VYM)投資信託を紹介。VOOと比較」で詳しく書いています。
全世界株式(VT)・全米株式(VTI)・S&P500(VOO)の比較については、以下の記事で詳しく行なっているので、そちらを参考にしてください。

S&P500の投資信託をお得に買う方法
最後に、これまで紹介してきた「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」をお得に購入する方法を紹介しておきます。
S&P500の投資信託である「SBI・V・S&P500」や「eMAXIS Slim S&P500」を購入できる主要なネット証券会社は、以下の通りです。
eMAXIS Slim S&P500は、基本的に多くの証券会社で購入することができます。
しかしSBI・V・S&P500は「SBI証券」や「マネックス証券」でしか購入できません。
さらに、「SBI証券」や「マネックス証券」はクレジットカード決済が可能となっています。
クレカ決済で購入した投資信託(SBI・V・S&P500など)は、購入金額の0.5%~1.1%のポイント還元を受けることができ、実質コスト(0.1%前後/年)をさらに節約することができます。
特に「SBI証券×三井住友カード(NL)」の場合、当サイト経由で三井住友カード(NL)に入会すると2000円相当のポイントがプレゼントされるキャンペーンを行なっていますので、是非ご活用ください。

【まとめ】S&P500の投資信託の比較(2022年)

この記事では、2022年「S&P500の2つの投資信託」を数値的に、またチャートを比較しました。
2022年のS&P500は、大きく下落する年となりましたが、円安の影響を受けて投資信託の基準価格は大きくは下落しませんでした。
また「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」では、2022年ほとんど差は見られませんでした。

SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500は、国内では最も有名な投資信託と言っても過言ではありません。手数料が非常に安く、少額から運用できて、配当金を自動で再投資してくれるため、効率良く資産を運用できます。
さらに、効率を上げるためには、SBI証券と三井住友カード(NL)を組み合わせたクレカ決済をオススメします。
S&P500などの投資信託の購入金額に対して、0.5%~5%がポイント還元されるので、めちゃくちゃお得で、正直利用しないのはもったいないと思います。詳細は以下の記事にまとめています。