この記事では、2022年 W23(23週目:2022/6/6〜6/10)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
おそらく、2-3分あれば十分読めるかと思います。
S&P500指数と、他指数の比較。10年最利回り・為替の動きを見ていきます。
自分用のメモとして記事を作成している面もあるので、詳細は省くこともありますが、S&P500のセクター別パフォーマンスの紹介、上位銘柄の日々の上昇率、VIX指数の確認を簡単に行いますので、さくっとコーヒーでも飲みながら見てもらえると嬉しいです。
※ 投資は自己責任でお願いいたします
S&P500 1週間の目立ったニュースなど

まずは今週(6/6~6/10)の米国市場のイベントを見ていきます。
今週の米国経済指標の発表(2022年 W23)
今週も、先週に引き続き、重要な米国経済指標の発表がありました。
5月の消費者物価指数です。
消費者物価指数は、CPI:Consumer Price Index と呼ばれ、私たち消費者が実際に物を購入するときの商品小売価格(物価)の変動率を表す指数です。
ここ最近は各国物価上昇をいかに抑えるかに焦点が当たっており、このCPIは最も重要な指数とも言えます。
6/10(金)に5月度の数値が発表され、以下のように市場予想を上回る結果となりました。
日にち | 米国経済指標 | 結果 | 市場予想 | 先月 |
---|---|---|---|---|
6/10(金) | 5月 消費者物価指数(総合) | 8.6% | 8.2% | 8.3% |
・5月 消費者物価指数(総合)
4-5月あたりで物価上昇はある程度落ち着きを見せるだろうという市場予想を裏切るとなり、先月に比べても数値は上昇してしました。
先週発表があった「5月 ISM製造業景況感指数」や「5月 米雇用統計」に引き続き、各種経済指標は史上予想を超える値となっています。
それを受けて、今週金曜日は米国10年債利回が大きく上昇しました。それを嫌がる形でS&P500をはじめとする株価指数や個別株は、大きく下落して1週間締めくくる形となりました。
ちなみに消費者物価指数は「総合」と「コア(食品・エネルギーを除く)」の2つの指数がありますが、総合数値を参考しておけば問題ありません。
コアは、食品分野とエネルギー分野を除いた指数ですが、実際の私たちの生活での買い物は、食品やガソリンなども多いと思いますので。参考までにコアの数字も記載しておきます。
日にち | 米国経済指標 | 結果 | 市場予想 | 先月 |
---|---|---|---|---|
6/10(金) | 5月 消費者物価指数(コア) | 6.0% | 5.9% | 6.2% |
では、続いてS&P500指数のチャートなどを詳しくみていきます。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年5月 W23)

2022年6月6日〜2022年6月10日(W23)のS&P500指数の週間パフォーマンスを見ていきます。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
上昇率
S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは15分足で、1週間のチャートになります。

先週は、月曜日が休場日でしたが、今週は5日間フルで市場は動いていました。
月曜日から水曜日は大きく動きはありませんでしたが、木曜日からずるずると下落が始まり、金曜日に大きく下落した1週間となっています。
金曜日に大きく下落した理由は、先ほど述べたように、「消費者物価指数」が市場予想を上回ったことでインフレ懸念が強まったことが考えられます。
S&P500 日々の上昇率
次に、毎日の上昇率を表にまとめます。
日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
6/6 | 月 | +0.31% |
6/7 | 火 | +0.95% |
6/8 | 水 | -1.08% |
6/9 | 木 | -2.38% |
6/10 | 金 | -2.91% |
1週間 | -5.06% |
日々の上昇率(パフォーマンス)をみても、木曜日・金曜日に大きく下落していることがわかります。
1週間全体で見ると、5%以上の下落となっており、非常に大きな下落幅となっています。
ヒートマップ
続いて、S&P500を構成する銘柄の1週間のヒートマップを見てみます。
2022/6/6(月)~2022/6/10(金)の上昇率になっています。

1週間のS&P500のヒートマップは、真っ赤になっておりどの銘柄も大きく下落していることがわかります。
唯一緑となっており、プラスとなっているのは、エネルギー銘柄の数銘柄程度となっており、厳しい1週間でした。
後ほど紹介しますが、S&P500の上位銘柄であるGAFAMを見ても、全ておおきく下げています。
セクター別パフォーマンス
次に、 S&P500指数のセクター別パフォーマンスを見ていきます。
まずは、セクター別の1週間の上昇率を比較します。
セクター | ティッカー | 上昇率 |
---|---|---|
情報技術 | VGT | -6.35% |
一般消費財 | VCR | -5.86% |
ヘルスケア | VHT | -3.50% |
生活必需品 | VDC | -2.66% |
素材 | VAW | -5.96% |
公益 | VPU | -3.83% |
資本財 | VIS | -4.96% |
通信 | VOX | -4.61% |
不動産 | VNQ | -5.75% |
金融 | VFH | -6.63% |
エネルギー | VDE | -0.80% |
そのセクターも下落。特に一金融・情報技術セクターの下落幅が最も大きくなっています。一方で、エネルギーセクターは先週に引き続き、下落幅が最も小さく、1%未満の下落幅になっています。
例えば、S&P500指数・VGT(情報技術セクター)・VDE(エネルギーセクター)を比較してみると、以下のチャートになります。

S&P500や情報技術セクターに対し、エネルギーセクターは、大きくプラスになる展開となっていましたが、金曜日の下落でマイナスに転じています。
また以下は、各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

やはり週の前半は、どのセクターも上昇傾向でしたが、後半にかけて下落していることがわかります。
GAFAM+TN
最後に、S&P500指数の大部分の割合を占めているトップ銘柄のパフォーマンスを見ておきましょう。
6/10(金)時点の、S&P500の上位構成は、以下の7銘柄となっています。これらの銘柄の頭文字をとり、GAFAM+TNとしています。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 |
---|---|---|
AAPL | アップル | -5.67% |
MSFT | マイクロソフト | -6.31% |
GOOGL | アルファベット (グーグル) | -2.74% |
AMZN | アマゾン | -10.38% |
TSLA | テスラ | -0.97% |
NVDA | エヌビディア | -9.33% |
FB → META | メタ・プラットフォーム | -7.97% |
アマゾンの下落幅が目立ちます。一方でテスラの下落幅はそれほど大きくありません。
なんとなくテスラの方が成長銘柄の印象があり、上下動が激しい印象でしたが、今週に限っては最も下落幅が小さ区なっています。
またメタ・プラットフォーム(旧フェイスブック)のティッカーシンボルは「FB」のままでしたが、ついに「META」に変更し、完全に「メタ・プラットフォーム」となりました。そんなメタですが、今週は約8%の下落となっています。
GAFAM+TNの日々の上昇率をざっくりまとめたヒートマップです。

日々の上昇率を見ると、アマゾンの下落のタイミングが早いことがわかります。その分他の銘柄に比べ下落幅が大きくなっています。
一方でテスラの下落のタイミングは1日遅くなっており、その分下落幅が小さくなっています。
最後に7銘柄の1週間のチャートを比較しておきます。ざっくり各銘柄がどのような動きだったのか理解できます。

ちなみに、米国株の個別銘柄を少額で取引したい方は、LINE CFDの利用が便利です。
S&P500と他指数の比較

S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較。
また為替・10年債利回り・VIX指数との比較を行います。
NYダウ・NASDAQ100との比較
青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。
NYダウが最も下落幅が小さく、続いてS&P500、最も下落幅が大きいのはNASDAQ100指数となっています。

10年債利回り・為替・VIX指数
最後に、「S&P500 VIX指数」「10年債利回り」「為替」とS&P500指数を比較してみましょう。

順に見ていきます。
まず恐怖指数と呼ばれる「VIX指数(オレンジ:橙)」ですが、週半ばは下落しており、市場には安心感が多少は広がっていたと考えられますが、金曜日に急上昇しています。
その原因は、消費者物価指数の発表であり、そこの起点に10年債利回り(紫)・VIX指数が上昇、そしてS&P500も下落していることがわかります。
S&P500(日本円換算)のチャート

ここは自分用のメモに近いです。私は投資信託を用いてS&P500に投資しているので、日本円に換算したパフォーマンスが気になる時があります。
特に最近は為替の動きが激しいので、念のため確認していきます。
まずは直近の為替の動きですが、以下の2022年初めからのチャートのように急激に円安に進んでいます。具体的には、ざっくり17%程度円安に進んでいます。

為替が円安に進むと、S&P500に連動を目指す投資信託(為替ヘッジなし)のパフォーマンスは良くなります。
一方で、ここ最近米国株は下落傾向です。以下のチャートの通り、ざっくりS&P500指数は、マイナス17%程度になっています。

では、S&P500指数の円換算値はどうなっているのでしょうか。

計算すると、「-1.15%」となりました。
つまり直近は、S&P500の下落を、為替の変化率でカバーしている形となっています。
円の価値が下がっているので、米国ドルとして投資している商品を持っていると、仮に株価が下がっても、相対的に米国ドルの価値が上がっているので、円に戻すときには下落幅が小さくなるということです。
(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
詳しくは、「S&P500とは?」の記事で紹介していますが、ここでは投資信託のみ簡単に紹介します。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
1. SBI V S&P500 インデックス ファンド | 2. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 便利さ | 安心度 | |
SBI証券 | ○ | ○ | ○ | ◎ |
マネックス証券 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
楽天証券 | × | ○ | ○ | ○ |
LINE証券 | × | ○ | ○ | △ |
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
まとめ(2022年 W23 のS&P500)
今週のS&P500指数は、「-5.06%」となりました。
5月 消費者物価指数(CPI)の発表があり、市場予想を上回ったため警戒感が強まり、株価が下がっていると考えられます。
ただ長期投資を前提としている方は、この下落のタイミングはチャンスと捉えることもできます。
私は、S&P500に長期投資前提で運用しているのであまり気にしていませんが、投資はあくまで自己責任でお願いいたします。ではまた来週。