この記事では、2022年 W27(27週目:2022/7/4〜7/8)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
おそらく、2-3分あれば十分読めるかと思います
今週は、S&P500は約2%の上昇となりました。また先週に引き続き、市場状態を表す経済指数がいくつか発表されました。
米国株のセクター別のパフォーマンス、S&P500の上位銘柄の上昇率など、簡単に紹介していきますので、良ければ最後までご確認ください。
最後には、「VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)」の1週間の比較も行います。
※ 投資は自己責任でお願いいたします
S&P500 1週間の目立ったニュースなど

今週の米国株式市場は、いくつかの経済指標が発表されました。その内容を受けて株価が反応する場面もあったので、各経済指標についてみていきましょう。
6月 ISM非製造業景況感(7/6 23:00)
7/6に6月のISM非製造業景況感指数が発表されています。
ISM非製造業景況感指数とは
米国の非製造業の景況感を示す指数のことをいいます。
非製造業(375社以上)の購買・供給管理の責任者を対象に、各企業の受注や在庫、価格など10項目についてアンケート調査を実施。「良くなっている」、「同じ」、「悪くなっている」の三者択一の回答結果を集計し、季節調整を加えた事業活動・新規受注・雇用・入荷遅延の4つの指数をもとに、ISM非製造業景況感の総合指数を算出する。
ISM製造業景況感指数と同様に、0から100までのパーセンテージで表し、50%を景気の拡大・後退の分岐点、50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退を示す。
引用元:野村證券HP
IT・テクノロジー系企業景気拡大か景気後退かを精度よく、信頼度も高く状況を知れる指数である「ISM非製造業景況感指数」は、以下のような結果となりました。
総合 | |
---|---|
6月結果 | 55.3 |
6月予想 | 54.4 |
5月結果 | 55.9 |
一般的には、このISM製造業景況感指数が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。
6月の結果は「55.3」なので、各社の意見を平均すると、まだ景気が拡大中と判断していることになります。
ただし、前月と比べると指数が下落しており、徐々に景気後退へ向かっているとも受け取ることが出来ます。
ちなみに、ISM非製造業景況感指数発表直後、米国10年債利回りが上昇しました。それを受けて、株価は下落しています。
6月 米国雇用統計(7/8 21:30)
続いて、7/8に6月の米国雇用統計が発表されています。雇用統計は米国株式市場への影響度が非常に高い重要な指数になります。
米国雇用統計とは、
米国の雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な経済指標。
政府から最初に発表される前月の指標で、米国の景気の実体を表す最新の数値として、外国為替、株式、金利などのマーケットにも影響を与えるため、市場関係者が注視しています。
中でも最も注目される数字は、非農業部門雇用者数、失業率、時間当たり賃金などです。
引用元:SMBC日興証券HP
結果 | 市場予想 | |
---|---|---|
雇用数 (非農業) | 37.2万人 | 27.6万人 |
失業率 | 3.6% | 3.6% |
雇用者数は、市場予想の27.6万人に対し、結果37.2万人となりました。予想よりも+10万人も多い結果です。
この結果を受けて、米国10年債利回りは上昇しました。10年債利回りの上昇を受け、NASDAQ100などの株価は下落しています。
では、S&P500の1週間のチャートを確認していきましょう。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年 W27)

では、1週間のS&P500のパフォーマンスを見ていきます。
2022年7月4日(月)〜2022年7月8日(金)の5日間が、2022年27週目(W27)のS&P500の週間パフォーマンスです。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、S&P500とは?をご確認ください。
上昇率
S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは1分足で、1週間のチャートになります。

日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
7/4 | 月 | (休場日) |
7/5 | 火 | +0.16% |
7/6 | 水 | +0.36% |
7/7 | 木 | +1.50% |
7/8 | 金 | -0.08% |
1週間 | +1.94% |
今週は、7/4(月)が独立記念日のため、株式市場が休場日でした。
7/5(火)〜7/8(金)の4日間のうち、3日間が上昇、金曜日のみ若干下落しています。
1週間トータルで見ると、+1.94%と上昇しています。
先週は、-2.21%の下落だったため、先週分は取り返せていませんが、上昇しています。
S&P500 採用銘柄のヒートマップ
今週は、休場日があり計算がややこしいため、ヒートマップを省略いたします。
セクター別パフォーマンス
セクター別でパフォーマンスが異なっているので、セクター別のパフォーマンスを見てみましょう。
セクター別の1週間の上昇率を比較します。
比較には米バンガード社のETFのパフォーマンスを使用します。
比較のために、先週のセクター別上昇率も記載しています。
セクター | ティッカー | 今週の 上昇率 | 先週の 上昇率 |
---|---|---|---|
情報技術 | VGT | +4.58% | -4.80% |
金融 | VFH | +0.65% | -1.47% |
ヘルスケア | VHT | +1.47% | +0.13% |
エネルギー | VDE | -2.27% | +1.09% |
一般消費財 | VCR | +4.49% | -4.95% |
素材 | VAW | -1.32% | -2.96% |
資本財 | VIS | +0.25% | -0.84% |
不動産 | VNQ | -0.72% | -0.40% |
公益 | VPU | -2.81% | +4.08% |
生活必需品 | VDC | -0.35% | +0.35% |
通信 | VOX | +3.29% | -3.46% |
参考 S&P500 | VOO | +1.95% | -2.66% |
今週は、情報技術・一般消費財セクターが4%以上の上昇を見せています。
情報技術セクターは、アップル・マイクロソフト・エヌビディア・ビザ・マスターカードなどから構成されています。
一般消費財セクターは、アマゾン・テスラ・マクドナルド・ナイキ・スターバックスなどからこうz性されています。
また通信セクターも3%以上の上昇を見せており、アルファベット(グーグル)・メタプラットフォーム(旧フェイスブック)などから構成されています。
つまり、アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・テスラといった、米国株式市場の中でも時価総額が大きい銘柄の上昇率が高かったと言えます。
後ほど、上位銘柄の上昇率も見ていきます。
一方で、エネルギーと公益セクターは、下落しており、下落率も高くなっています。
ただエネルギーセクターに限って言うと、年初来で見た場合、まだ30%近くの上昇となっており、まだまだ力強い動きとなっています。
各セクターの日別パフォーマンス
7月5日(火)〜7月8日(金)の各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

セクターによって傾向が異なります。
先ほど紹介した、情報技術(VGT)、通信(VOX)、一般消費財(VCR)は、7/5(火)と7/7(木)に大きく上昇しています。
一方で、1週間では下落していた、エネルギー(VDE)、公益(VPU)は、7/5(火)に大きく下落していることがわかります。
S&P500 上位銘柄のパフォーマンス
最後に、S&P500指数の大部分の割合を占めているトップ銘柄のパフォーマンスを見ておきましょう。
以下は、米バンガード社のホームページに記載のS&P500指数に連動する米国ETF「VOO」の構成銘柄になります。
7/11時点の情報ですが、先週の情報は変わらず、上位銘柄の構成割合も変化ありませんでした。実際には微妙に変化しているが、更新されていないだけかもしれませんが・・・

ここでは上位5銘柄の「アップル・マイクロソフト・アルファベット(グーグル)・アマゾン・テスラ」について、紹介します。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 |
---|---|---|
AAPL | アップル | +5.84% |
MSFT | マイクロソフト | +3.11% |
GOOGL | アルファベット (グーグル) | +9.76% |
AMZN | アマゾン | +5.46% |
TSLA | テスラ | +10.34% |
(比較) | S&P500 | +1.94% |
今週は、S&P500の上位5銘柄全て、S&P500指数よりも大きく上昇していることがわかります。
特にアルファベット・テスラの上昇率が大きく、10%近く上昇しています。これは、S&P500指数の上昇幅の5倍程度になります。
しかしアルファベットとテスラは、先週8%近く下落していました。今週下落分以上に上昇はしていますが、先週の反動で他銘柄よりも上昇率が高くなっていると考えられます。
最後に、参考程度ですが、上位5銘柄とS&P500の1週間のチャートを載せておきます。

ちなみに、アップルやマイクロソフト、グーグル、テスラなどの米国株の個別銘柄を少額で取引したい方は、LINE CFDの利用が便利です。
LINE CFDであれば、米国の個別株を1株の価格の何十分の1の価格で取引を開始することが可能です。
S&P500と他指数の比較

S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較を行います。
また株価への影響が大きい「為替・10年債利回り・VIX指数」との比較も行っていきます。
NYダウ・NASDAQ100との比較
青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。

指数 | グラフ色 | 上昇率 |
---|---|---|
NYダウ | 黄 | +6.28% |
S&P500 | 青 | +1.94% |
NASDAQ100 | 赤 | +2.19% |
今週は、3指数とも上昇。上昇順は、NASDAQ100 > NYダウ >S&P500 の順で上昇しています。
今週は、アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・テスラなどの上位銘柄の上昇率が大きいと紹介しましたが、それらの銘柄の割合が高い「NASDAQ100」の上昇率が最も大きくなっています。
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)とS&P500指数を比較してみましょう。

順に見ていきます。
まずは全体から、恐怖指数(VIX指数)は1週間の中で下落傾向が続き、7%近く下落しています。
一方で、米国10年債利回りは1週間通じて、上昇傾向が続き、1週間で9%以上も上昇しています。
一般的に、10年債利回りが急上昇すると、株価にとっては難しい展開になると言われていますが、1週間を通じて、徐々に少しずつ上昇している感じなので、問題なく今週は株価も上昇したのかもしれません。
次に、最初に紹介した「ISM非製造業景況感」「雇用統計」の6月実績の発表ですが、そのタイミングを見ると、前者では10年最利回りが急落、後者では10年最利回りは急上昇していることがわかります。
特に、雇用統計発表後に10年最利回りが急下落した場面の「S&P500」を見ると、一時的に指数は下げていることがわかります。
その後、S&P500は下落分は戻しましたが上昇することもなく終わっています。
S&P500(日本円換算)のチャート

S&P500で資産運用する場合、国内の投資信託を用いることが多いかと思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが多いかと思いますが、そこで日本円に換算したS&P500のパフォーマンスも見てみましょう。
>>参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コスト」
まずは、為替の動きになります。

7/5(火)時点は、135.7円となっており、1週間スタートしました。その後、各経済指標が発表された瞬間は大きく価格が変動していますが、落ち着きを取り戻し、135.9円程度で1週間終えています。
つまり今週は、一時的には大きく価格が変動する場面もありましたが、1週間で見ると、米国ドル-日本円に大きな変動はなかったと言えます。
では次に、S&P500の日本円換算チャートになります。
ちなみに1分足での計算ができないので、日足で2022年1月3日からのチャートになります。

1月3日〜7月8日までで、S&P500(日本円換算)は「-3.26%」となっています。
6月の初旬に一時的にプラスに転ずる場面もありましたが、そこから大きく下落しました。しかしここ最近少しづつまた盛り返しているところです。このまま7/11週も上昇を続けて、とりあえずプラスになってほしいところです。
VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)

最後に、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)について、今週のパフォーマンスを比較してみましょう。
1週間の 上昇率 | ||
---|---|---|
VOO | S&P500 | +1.95% |
VTI | 全米株式 | +2.11% |
VT | 全世界株式 | +1.08% |
比較すると、今週は、VT(全世界株式)の上昇率が最も低くなっています。
最も上昇率が高いのは、VTI(全米株式)です。続いて、S&P500となっています。
やはり今週は、トップ5社の上昇率が非常に高かったので、その割合が高いVTI(全米株式)やVOO(S&P500)の上昇率がVT(全世界株式)よりも大きくなっています。
またVTI(全米株式)の方が、VOO(S&P500)よりも、上昇率が高いのは、小型株の上昇率が大型株よりも大きいことが要因と考えられます。
実際に小型株2000銘柄からなる「ラッセル2000指数」の1週間の上昇率は、「+2.41%」となっており、S&P500よりも高い上昇率となっています。
つまり小型株も含むVTI(全米株式)は、小型株の恩恵を受けて、VOO(S&P500)よりも上昇率が高い結果となったと言えます。
詳しくは、「VT・VTI・VOOの違いを解説」の記事で解説していますので、よければご覧ください。
(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば、三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
>>参考記事:【2022年】SBI証券クレカ積立を徹底解説!
まとめ(2022年 W26 のS&P500)
今週のS&P500は、「+1.94%」と上昇しました。
しかし、2022年初来で見ると、まだまだ大きく下落している状況です。一方で、長期投資を前提としている方は、この下落のタイミングはチャンスと捉えることもできます。
長期投資には、SBI証券×三井住友カード(NL)の組み合わせが非常に強力です。
またS&P500だけでなく、イーサリアムに関しても週間パフォーマンスを簡単にまとめていますので、気になる方は、こちらの記事をご確認ください。