この記事では、2022年 W28(28週目:2022/7/11〜7/15)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
おそらく、2-3分あれば十分読めるかと思います
今週は、S&P500は「-0.93%」の下落となりました。
また今週は、現在の金融市場の中でも最も注目度が高い「消費者物価指数」の発表がありました。7/13(水)に発表された、6月度の消費者物価指数は発表後に株価が大きく下がるきっかけとなりました。
その内容について、他にも米国株のセクター別のパフォーマンス、S&P500の上位銘柄の上昇率など、簡単に紹介していきますので、良ければ最後までご確認ください。
最後には、「VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)」の1週間の比較も行います。
※ 投資は自己責任でお願いいたします
S&P500 1週間のニュース(6月度消費者物価指数)

今週の米国株式市場にとっての大きなニュースを取り上げていきます。
今週は、「6月度の米国消費者物価指数」の発表がありました。その発表後、株価は大きく変化しました。
では、消費者物価指数の発表内容について簡単に紹介していきます。
6月度 米国消費者物価指数の発表
そもそも消費者物価指数とはなんなのでしょうか?
米国消費者物価指数とは?
米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数です。CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれ、米労働省が毎月中旬に公表しています。
消費者が購入するモノやサービスなど、総合的に物価がどのように変化しているかを指数として表したものです。
インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されています。
なお、消費者物価指数の中から、変動の激しいエネルギー関連数値や食料品目を取り除いたものを「消費者物価指数コア」といいます。
引用元:SMBC日興証券、楽天証券
「総合的に物価がどのように変化しているかを指数として表したもので、インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されている」ということで、ここ最近は各国物価上昇をいかに抑えるかに全力を注いでいるため、消費者物価指数にはより注目度が上がっている状況です。
6月度の米国消費者物価指数は、日本時間7/13(水)の21時30分に発表されました。
その結果は、以下の通りで、市場予想を上回る結果となしました。
日にち | 米国経済指標 | 結果 | 市場予想 | 先月 |
---|---|---|---|---|
7/13(水) | 6月 消費者物価指数(総合) | 9.1% | 8.8% | 8.6% |
7/13(水) | 同上(コア) | 5.9% | 5.7% | 6.0% |
5-6月あたりで物価上昇は、ある程度落ち着きを見せるだろうという市場予想を裏切るとなり、先月に比べても消費者物価指数は上昇する結果になりました。
ちなみに、消費者物価指数は「総合」と「コア(食品・エネルギーを除く)」の2つの指数があります。コアは、食品分野とエネルギー分野を除いた指数ですが、実際の私たちの生活での買い物は、食品やガソリンなども多いと思いますので、総合の数字を見ておけば問題ありません。
では、続いてS&P500指数のチャートなどを詳しくみていきます。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年 W28)

では、1週間のS&P500のパフォーマンスを見ていきます。
2022年7月11日(月)〜2022年7月15日(金)の5日間が、2022年28週目(W28)のS&P500の週間パフォーマンスです。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、S&P500とは?をご確認ください。
上昇率
S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは1分足で、1週間のチャートになります。

日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
7/11 | 月 | -1.15% |
7/12 | 火 | -0.92% |
7/13 | 水 | -0.07% |
7/14 | 木 | -0.30% |
7/15 | 金 | +1.92% |
1週間 | -0.93% |
7/11(月)〜7/15(金)の5日間のうち、4日間で下落、最終日である金曜日のみ上昇しています。
S&P500は、1週間トータルで見ると「-0.93%」の下落となっています。
先週は、+1.94%の上昇であったため、その半分程度が下落したということになります。
S&P500 採用銘柄のヒートマップ
S&P500採用銘柄の時価総額と上昇率を見れる「ヒートマップ」を参考までに見てみましょう。

緑が上昇、赤が下落ですが、今週は銘柄によって明暗が分かれる結果となっています。
セクターによって上昇/下落があるというよりは、同じセクター内でも銘柄によって上昇/下落している印象です。
しかしその中でも、エネルギーセクターのみはほとんどの銘柄で赤(下落)となっていることがわかります。
セクター別パフォーマンス
では、セクター別のパフォーマンスを見ていきます。
ここではS&P500採用銘柄だけでなく、比較は米バンガード社のETFのパフォーマンスを使用します。
参考のために、先週のセクター別上昇率も記載しています。
セクター | ティッカー | 先週の 上昇率 (W27) | 今週の 上昇率 (W28) |
---|---|---|---|
情報技術 | VGT | +4.58% | -0.73% |
金融 | VFH | +0.65% | -1.12% |
ヘルスケア | VHT | +1.47% | -0.70% |
エネルギー | VDE | -2.27% | -2.90% |
一般消費財 | VCR | +4.49% | -1.00% |
素材 | VAW | -1.32% | -1.16% |
資本財 | VIS | +0.25% | -1.35% |
不動産 | VNQ | -0.72% | -0.31% |
公益 | VPU | -2.81% | +0.01% |
生活必需品 | VDC | -0.35% | +0.10% |
通信 | VOX | +3.29% | -2.28% |
参考 S&P500 | VOO | +1.95% | -0.92% |
今週の上昇率・下落率は、先週ほど幅は大きくありません。しかしエネルギーセクターのみは先週に引き続き2%以上の下落になっています。
また情報技術・一般消費財・通信セクターは、先週3%以上の上昇を見せていましたが、今週は約1-2%の下落となっています。
その辺りのセクターは、アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・テスラの上昇率の影響を受けやすく、これら5銘柄は、先週は大きく上昇、今週はアップル以外下落しているため、情報技術・一般消費財・通信セクターはそのような動きになっていると考えられます。
各セクターの日別パフォーマンス
7月11日(月)〜7月15日(金)の各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

先ほど紹介した、情報技術(VGT)、通信(VOX)、一般消費財(VCR)は、7/11(月)に他のセクターに比べて下落幅が大きくなっています。7/12以降はそれほど大きな差はありません。
S&P500 上位銘柄のパフォーマンス
最後に、S&P500指数の大部分の割合を占めているトップ銘柄のパフォーマンスを見ておきましょう。
以下は、米バンガード社のホームページに記載のS&P500指数に連動する米国ETF「VOO」の構成銘柄になります。
7/16時点の情報ですが、先週の情報は変わらず、上位銘柄の構成割合も変化ありませんでした。実際には微妙に変化しているが、更新されていないだけかもしれませんが・・・

ここでは上位5銘柄の「アップル・マイクロソフト・アルファベット(グーグル)・アマゾン・テスラ」について、紹介します。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 |
---|---|---|
AAPL | アップル | +2.13% |
MSFT | マイクロソフト | -4.09% |
GOOGL | アルファベット (グーグル) | -1.72% |
AMZN | アマゾン | -6.35% |
TSLA | テスラ | -4.27% |
(比較) | S&P500 | -0.93% |
今週は、銘柄によって傾向が異なります。アップル以外は下落、アップルのみ2%以上上昇しています。
下落している銘柄は、S&P500の下落幅よりも大きく下落していることもわかります。
最後に、参考程度ですが、上位5銘柄とS&P500の1週間のチャートを載せておきます。

ちなみに、アップルやマイクロソフト、グーグル、テスラなどの米国株の個別銘柄を少額で取引したい方は、LINE CFDの利用が便利です。
LINE CFDであれば、米国の個別株を1株の価格の何十分の1の価格で取引を開始することが可能です。
S&P500と他指数の比較

S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較を行います。
また株価への影響が大きい「為替・10年債利回り・VIX指数」との比較も行っていきます。
NYダウ・NASDAQ100との比較
青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。

指数 | グラフ色 | 上昇率 |
---|---|---|
NYダウ | 黄 | -0.16% |
S&P500 | 青 | -0.93% |
NASDAQ100 | 赤 | -1.17% |
今週は、3指数とも下落。下落順は、NASDAQ100 > S&P500 > NYダウ の順で下落しています。
今週は、アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・テスラなどの上位銘柄の下落率が大きいと紹介しましたが、それらの銘柄の割合が高い「NASDAQ100」の下落率が最も大きくなっています。
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)
続いて、米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)とS&P500指数を比較してみましょう。

順に見ていきます。
青がS&P500、オレンジが恐怖指数、紫は米国10年債利回りになります。また1週間の重要なイベントであった消費者物価指数の発表時刻も白の矢印で記載しています。
まずは全体から、恐怖指数(VIX指数)は1週間の中では大きく上昇していましたが、1週間を終える時には、トータルで下落する結果になっています。
株式とよく連動すると言われている10年債利回りですが、瞬間的に上昇する時はあるものの、1週間を終える時点では-5%ほど下がっています。
続いて、消費者物価指数の発表があった時の各数値の動きですが、
消費者物価指数の発表後、恐怖指数は大きく上昇し、市場関係者が不安を感じていることが伺えます。米国10年債利回りも大きく上昇し、反動でS&P500も下落していますが、その日中に恐怖指数も、10年債利回りは元の水準まで戻っています。
S&P500も消費者物価指数発表後下落しましたが、その日中に回復し、7/13の上昇率は「-0.07%」とほぼ動きがない結果となっています。
S&P500(日本円換算)のチャート

S&P500で資産運用する場合、国内の投資信託を用いることが多いかと思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが多いかと思いますが、そこで日本円に換算したS&P500のパフォーマンスも見てみましょう。
>>参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コスト」
まずは、為替の動きになります。

1週間で見ると、+0.66%の円安となっています。消費者物価指数発表時も円安に変動しています。1週間の初めは137.6円でしたが、終わりには138.5円と約1円ほど円安に変動しています。
では次に、S&P500の日本円換算チャートになります。
ちなみに1分足での計算ができないので、日足で2022年1月3日からのチャートになります。

1月3日〜7月15日までで、S&P500(日本円換算)は「-2.43%」となっています。
6月の初旬に一時的にプラスに転ずる場面もありましたが、そこから大きく下落しました。
しかしここ最近少しづつまた盛り返しているところです。
VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)

最後に、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)について、今週のパフォーマンスを比較してみましょう。
1週間の 上昇率 | ||
---|---|---|
VOO | S&P500 | -0.92% |
VTI | 全米株式 | -1.09% |
VT | 全世界株式 | -1.52% |
比較すると、今週は、VOO(S&P500)の上昇率が最も低くなっています。一方で最も下落率が高いのは、VT(全世界株式)となっており、順番は、VOO(S&P500) > VTI(全米株式) > VT(全世界株式)となっています。
米国の2銘柄(S&P500と全米株式)はそれほど差はありませんが、全世界株式のみ1.5倍ほど下落幅が大きくなっています。
米国以外の株式市場を見てみると、ぱっとみて1%以上下落している市場(銘柄)が多いことがわかります。

これらが影響して、今週は全米株式やS&P500よりも、全世界株式の方が下落幅が大きくなっています。
その他の全世界株式(VT)と全米株式(VTI)、S&P500(VOO)の比較については、「VT・VTI・VOOの違いを解説」の記事で解説していますので、よければご覧ください。
(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば、三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
>>参考記事:【2022年】SBI証券クレカ積立を徹底解説!
まとめ(2022年 W28 のS&P500)
今週のS&P500は、「-0.93%」と下落しました。2022年初来で見ても、まだ大きく下落している状況です。一方で、長期投資を前提としている方は、この下落のタイミングはチャンスと捉えることもできます。
長期投資には、SBI証券×三井住友カード(NL)の組み合わせが非常に強力です。
S&P500にとっても厳しい局面が続いていますが、数年単位で見ると着実に成長しているのが「S&P500」です。