
この記事では、アメリカの市場指標の一つであるS&P500について説明し、その指数に連動する投資信託やETFなどに投資すべき理由を説明します。
私自身、S&P500に連動する銘柄に投資しており、銘柄の特徴や過去の成長度合いから長期での投資を考えております。ちなみにSBI証券を使用して投資を行なっています。興味がある方は別に記事をご覧ください。
S&P500とは?
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスという投資機関が算出している米国市場の株価指数です。
またS&P500は、「時価総額加重平均型」の株価指数になります。また時価総額とは、株価に上場株式数を掛けた値で、1941年から1943年の時価総額の平均を10として、現在の時価総額がどの程度なのかを表しています。
要するに、2021年1月現在、S&P500の値は3800前後なので、戦前に比べ約380倍になっているということになります。
米国市場には、他にもNYダウ平均という指数もありますが、NYダウ平均が30銘柄の厳選された指数であるのに対し、S&P500は代表的な500銘柄から構成されており、米国市場の80%をカバーする指数となっております。つまり、NYダウ平均よりも、S&P500の方がリスク分散することができると考えられます。
そんなS&P500は、投資信託やETFを通して投資することができます。
なぜ「S&P500」が買われるのか?
理由としては、経済は成長を続けており特に米国市場は安定した成長を見せているからです。実際のS&P500指数の推移を見てみましょう。

グラフを見ると、2000年からのITバブル、2008年のリーマンショック直後は大きく下げていますが、その後も確実に回復し、長期的に見ると大きく指数が上昇していることがわかります。
これより、特に長期的な投資先として、S&P500に関連する投資信託やETFが人気を集めています。
S&P500関連だと、どれに投資すればいいのか?
S&P500指数に投資する場合、その指数に連動して値上がり/下がりするファンドを購入する必要する必要があります。
各運用会社が様々なファンドを揃えており、どの運用会社の商品(ファンド) が優れているのか分からないことも多いので、簡単に代表的なファンド(投資信託、ETF)について、紹介していきます。
ETFとは?
ETFとは、Exchange Traded Fundの略で「上場投資信託」とよばれます。
S&P500などの、特定の株価指数に連動する運用成果を目指して運用される、インデックス型の投資信託になります。投資信託の特徴に加えて、株式市場に上場していることから、株式と同じようにリアルタイムで取引することができるため、流動性も高い商品となっています。
簡単に言えば、投資信託と株式市場の特徴を組み合わせた商品と言えます。
もっと詳しく知りたい方は、投資信託とETFのメリット/デメリットをまとめた記事をご覧ください。
S&P500 関連の投資信託
選ぶ基準として色々あるので皆さんの好みによりますが、
投資信託でもETF(上場投資信託)ともに、運用コストが必要となります。
そのため選ぶ一つの基準として、低(運用)コストが挙げられます。
コストで選ぶ場合、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が最も低コストになります。個人的にも、このファンドに投資しておりおすすめです。
もう一つの選択基準として、純資産残高が挙げられます。
これが多いと単純に購入している人/保有している人が多く、安心感があると思います。
純資産残高だと、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が最も多い資産残高になります。
その他の各運用会社の代表的な投資信託も含めた一覧が以下になります。
ファンド名 | 運用会社 | 信託報酬(税込/年) | 純資産残高(百万円) | つみたてNISA |
SBI・バンガード・S&P500 インデックス・ファンド | SBIアセット マネジメント | 0.0938%程度 | 108,950 | ○ |
eMAXIS Slim 米国 (S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 0.0968%以内 | 244,600 | ○ |
つみたて米国株式 (S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 0.22% | 129 | ○ |
iFree S&P500 インデックス | 大和アセット マネジメント | 0.2475% | 17,759 | ○ |
iFree レバレッジ S&P500 | 大和アセット マネジメント | 0.99% | 3,950 | × |
やはりコストは低いに越したことはないので、私は「SBI・バンガード・S&P500 インデックス・ファンド」がおすすめです。S&P500は長期的な投資に適していると考えているので、実際に私はつみたてNISAを用いてこのファンドに投資を行なっています。
おそらく「eMAXIS Slim 米国(S&P500)」の方が取り扱っている金融機関が多いため、信託報酬が若干高くても、純資産残高が多い状況になっていると考えています。
S&P500関連のETF
ETFには、国内ETF(東京証券取引所に上場)と、海外ETF(米国など海外の取引所に上場)の2種類があります。S&P500は世界中で人気なので、国内/海外(米国)どちらでも取引することができます。
ただし、海外ETFは外国株と同じ扱いになっているので、外国株を取り扱っている証券会社で購入する必要があります。国内ネット証券では、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で海外ETFを購入することができます。
さらにETFは分配金があり、これを再投資することで複利的に資産を運用することが可能です。
国内ETFの紹介
銘柄 | 銘柄 コード | 売買 単位 | 最低買付 金額(※) | 純資産 総額 | 信託報酬 | 管理会社 |
上場インデックスファンド 米国株式(S&P500) | 1547 | 10口 | 43,350 円 | 53.6億円 | 0.162% | 日興アセット マネジメント |
iシェアーズ S&P500 米国株ETF | 1655 | 1口 | 2,846 円 | 39.6億円 | 0.162% | ブラックロック ジャパン |
SPDR S&P500 ETF | 1557 (SPY) | 1口 | 39,600 円 | 272,640億円 | 0.0945% | ステート・ストリ ート・グローバル ・アドバイザーズ |
(※) 2021年1月14日時点の値から算出
これらの中では、SPDR S&P500 ETF(1557)が最も低コストなファンドが最も純資産残高も高いなっています。しかし、この純資産残高は海外ETFのものも含まれており、実際国内で取引されている量は少ないようです。なので、短期的に少しの値差で利益を取りに行く場合、流通リスクが高くなります。
なので、ある程度まとまった金額を長期的に国内ETFで投資する場合に限っては、SPDR S&P500 ETF(1557)も活用できるかと思います。
一方で、iシェアーズ S&P500米国株ETF(1655)は、最低買付金額が最も安く、手が出しやすいファンドとなっています。
とりあえず少額、ETFで様子を見てみる場合などは、SPDR S&P500 ETF(1557)との手数料差を見ても、大した額にならないので、iシェアーズ S&P500米国株ETF(1655)でも問題ないと思います。
海外(米国)ETFの紹介
続いて、海外(米国)ETFについてですが、
銘柄 | 銘柄コード | 売買単位 | 最低買付金額(※) | 純資産総額 | 信託報酬 | 管理会社 |
バンガード S&P 500 | VOO | 1口 | $380.51 | $999億 | 0.04 % | ザ・バンガード・グループ ・インク |
iシェアーズ・コア S&P500 | IVV | 1口 | $381.69 | $1540億 | 0.04 % | ブラックロック・ ファンド・アドバイザーズ |
SPDR S&P500 ETF | SPY (1557) | 1口 | $380.51 | 272,640 億円 | 0.0945 % | ステート・ストリート・ グローバル・アドバイザーズ |
国内ETFに比べ、純資産総額も多く、信託報酬も安いことが特徴です。
特に「バンガード S&P500」は、先ほど説明した「SBI・バンガード・S&P500 インデックス・ファンド」の99.2%を占める構成銘柄となっている銘柄になります。
まとめ ー S&P500に投資する際のおすすめファンド ー
今回は、S&P500について説明し、今後も成長を続ける指数であることを示しました。
またS&P500に投資するための手段(投資信託、国内ETF、海外ETF)を比較した結果、以下となりました。
国内ETFは気軽に購入できる点や、売買手数料が安いのがメリットですが、信託報酬が高い、または流動性が低いといったデメリットがあります。
海外ETFは純資産総額が大きく、流動性が高いのが特徴です。また信託報酬も国内ETFより安いですが、外国株売買手数料がかかるため、注意が必要です。
自分の好みや投資スタイルにあったETFで、S&P500への投資を検討してみてはいかがでしょうか。
S&P500以外の指数の実績についても比較してみましたので、よければ以下の記事をご確認ください