近年コロナの影響もあり、副業を始めたり、何かスキルを身につけたり、資格取得を目指したりと、考えている方が増えてきていると思います。
その中で、ファイナンシャル・プランナー技能検定(以下、FP試験)は生活に必要な情報・知識を身につけるのに最適です。しかし、いざ受験しようと思った時に、まず考えないといけないのが、
金財 or FP協会のどちらの試験機関で受験するべきかということです。
この記事では、ファイナンシャル・プランナーへの入門となるFP3級試験を実施している2つの試験機関の差についてまとめ、どの試験機関で受験するべきか、をご紹介します。
この記事の結論
・FP3級の試験機関は2つ。金財 or 日本FP協会。
・2つの試験機関の大きな違いは、試験科目が異なること
・合格率が高いのは、日本FP協会(資産設計提案業務)
・よって、FP協会での受験がおすすめ
FP3級の試験内容、試験範囲を解説
初めに、FP3級の試験について、簡単にご紹介します。
FP3級試験とは? →ファイナンシャル・プランニング 技能検定3級
FP3級試験(ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級)は、国家試験になります。
国家試験の中には、受験資格が必要にある試験もありますが、FP3級は誰でも受験が可能です。3級に合格することで、2級・1級の試験を受験することができるようになります。金融機関等に勤めていない方は、まず3級試験を受験し合格を目指しましょう。
受験方法、申し込みについて
ファイナンシャル・プランニング技能検定は、
「NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、FP協会)」
「一般社団法人 金融財政事情研究会(以下、金財)」
という2つの試験機関で実施されます。
試験日は、毎年1月、5月、9月に実施され、それぞれの試験日の約2ヶ月前に、3週間ほどの申込み期間が設けられ、どちらの試験機関も受験日など、ほとんど同じです。
もちろん合格後、得られる資格も同じ。学科試験の内容も共通問題であり同じであるため、学科試験に関してはどちらの試験機関で受験しても差はありません。
※しかし、実技試験の内容がFP協会、金財で異なるため、実技試験の内容から、どちらの試験機関で受験するかを判断しましょう。
6つの試験範囲(出題分野)について
試験科目は、学科試験・実技試験ともに以下の6分野から出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
6つの出題分野について、詳しくは以下に紹介します。
ライフプランニングと資金計画
子供の教育資金計画や、老後の生活設計を立てるに当たって必要となる、公的年金、健康保険・介護保険、教育・住宅ローン等の仕組みについて勉強します。
リスク管理
病気や事故など、人生の中での「リスク」にに対処するための、損害保険・生命保険などの各種保険商品についての種類・特徴・選択方法・関係法令について勉強します
金融資産運用
金融市場や投資の基本理論について勉強し、株や債権、外貨、投資信託等の金融商品の特徴や仕組み、売買の方法について勉強します。資産運用におけるリターンとリスクについて分析と判断ができるようになります。
税金(タックスプランニング)
所得税を中心に、住民税・所得税・消費税など色々な税金に関して出題されます。
所得税控除や、確定申告等についてきちんと理解し、税金計算が自分で出来るようになることは、節税に大いに役立ちます。
不動産
マイホームを購入したり、保有している不動産を売却したりするときに必要となる税金や関連法令、契約に関する知識、また、不動産投資について勉強します。
そのほかに、不動産広告登記簿の内容を理解することができるようになります。
相続
財産の相続・贈与、事業の継承に際して関連する法令や税金、必要となる知識について勉強します。弁護士・税理士などの専門家への依頼もスムーズに進められ、身内間での遺産相続争いの防止に役立つ知識です。
頻出分野や非頻出分野について
6つの出題範囲があるFP3級試験ですが、FP3級試験も1つの試験に過ぎません。やはり「傾向」「頻出分野」「あまり出題されていない分野」が存在します。気になる方は、以下の記事をご確認ください。
※実技試験についてはデータ整理中です。
試験機関はどっちで受験すれば良いのか? →FP協会がおすすめ
早速、本題に入ります。FP3級を受験する際に決めなければいけないのが、「どの試験機関で受験するか」です。これに関しては、結論、FP協会で受験する方が合格率が高いです。
試験機関は、すでにご紹介の通り、以下の二つがあります。
「NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、FP協会)」
「一般社団法人 金融財政事情研究会(以下、金財)」
このどちらかの試験機関に、受験申し込みをすることでFP3級の受験が可能となります。
では、これら2つの試験機関は、何が異なり、どちらに申し込む方が良いのかを次に説明していきます。
2つの試験機関で異なる点
先に、2つの試験機関の大きな違いを紹介しておくと、異なる点は、実技試験の科目になります。
逆に言えば、それ以外は大きな差はないということです。学科試験の内容は、全く同じになります。
当たり前ですが、どちらの試験期間で受験しても合格後に得られる資格は同じです。ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)という国家資格が得られます。
以下に、2つの試験機関で異なる点を説明していきます。
試験日程も2つの機関で全く同じ
FP3級の試験は、毎年1月、5月、9月に実施され、それぞれの試験日の約2ヶ月前に、3週間ほどの申込み期間が設けられます。これらに関して、試験日程は全く同じ。申し込み機関などに若干の差がありますが、ほとんど同じです。なので試験日程を気にして、試験期間を考える必要はありません。
受験場所に違いはあるのか?
これに関しては、そもそも申し込み時に、受験地(受験エリア)の希望は出せますが、受験場所の希望は出せないので、あまりこだわる必要はないかと思います。個人的な見解ですが、どちらか一方の試験機関でしか受験できないエリアなどはありません。
合格率・難易度に差はあるのか?
結論から言うと、2つの試験機関で難易度・合格率は異なります。
学科試験は2つの試験機関で全く同じ問題、全く同じ試験時間で実施されますが、実技試験の内容が異なるため、難易度も変わってきます。合格率・難易度の詳細データが気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
試験機関によって異なる実技試験の合格率を簡単に見ていきましょう。
実技試験の合格率は、以下の表のとおりです。これは2016年度以降の合格率の平均値です。
試験機関 | 試験科目 | 合格率 | |
実技試験1 | FP協会 | 資産設計提案業務 | 84% |
実技試験2 | 金財 | 個人資産相談業務 | 64% |
実技試験3 | 金財 | 保険顧客資産相談業務 | 51% |
これをみると、FP協会で受験するのが最も高い合格率となっていると分かります。
その理由は、実技試験の科目が異なるからです。
実技試験の異なる試験科目について
学科試験は、2つの試験機関で全く同じ
学科試験に関しては、金財・FP協会どちらで受験しても、全く同じ内容の問題を受験することになります。なので、もし学科試験のみ受験する方がいれば、どちらの試験機関で受験しても問題ありません。
学科試験については、以下の記事にまとめていますので、気になる方は参考にしてください。
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実技試験は、2つの試験機関で内容が異なる
実技試験は、金財と日本FP協会で別の内容となっています。
但し、試験範囲自体は、さっき説明した6個の範囲から出題されます。それぞれどのような内容となっているのでしょうか。先に、わかりやすいように表にまとめて、後で説明します。
学科試験 | 実技試験 1 | 実技試験 2 | 実技試験 3 | |
FP協会・金財 | FP協会 | 金財① | 金財② | |
共通 | 資産設計 提案業務 | 個人資産 相談業務 | 保険顧客資産 相談業務 | |
A. ライフプランニングと資金計画 | ○ | ○ | ○ | ○ |
B. リスク管理 | ○ | ○ | × | ○ |
C. 金融資産運用 | ○ | ○ | ○ | × |
D. タックスプランニング | ○ | ○ | ○ | ○ |
E. 不動産 | ○ | ○ | ○ | × |
F. 相続、事業承継 | ○ | ○ | ○ | ○ |
金財では、
実技試験科目が、「個人資産相談業務」と、「保険顧客資産相談業務」の2つが用意されています。このうちどちらか1つを選び受験します。FP協会と同様に合格得点率は60%。合格点は50点満点中30点以上(得点率60%以上)です。金融資産や不動産など、個人的なライフプランにかかわること、生命保険など保険全般に重点を置いたことについて問われます。
FP協会では、
資産設計提案業務から20問が出題されます。合格点は100点満点中60点以上(得点率60%以上)です。倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニングのプロセス、顧客の状況分析と評価を問われます。
これら、実技試験の科目の差が試験機関による差になります。
これだけでは実技試験の内容についてイメージできないと思いますので、公式ホームページから過去問を無料ダウンロードし、違いを事前に確認することをオススメします。もう一度、各HPを貼っておきます。
「NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、FP協会)」
「一般社団法人 金融財政事情研究会(以下、金財)」
【まとめ】結局どっちの試験機関がおすすめ? → FP協会の合格率が高い
FP3級を受験するためには、2つある試験機関に申し込む必要があります。
これら2つの試験機関の大きな差は、実技試験の内容です。
それに伴い、合格率にも差があり、最も高い合格率となっているFP協会で受験する方が良さそうです。
なので、特に科目などを気にしない方は、FP協会での受験をオススメいたします。
ただしっかりと勉強や準備をすれば、FP3級自体難易度が高い試験ではないので、どの科目・どの試験機関でも十分に合格することは可能です。そのために、まずは過去問などを確認ししっかり準備しましょう。
勉強方法や独学で合格を目指している方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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