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投資信託

④つみたてNISAは「米国株」か「全世界株」に投資するべき理由

 これまで老後資金には2000-3000万円必要で、そのために積み立て投資で資産をコツコツ形成していきましょうと解説してきました。

 この記事では、具体的にどの金融商品に投資することで、資産を増やしていくのかを解説していきます。

>>前の記事:「【20代30代からの老後準備③】つみたてNISAの威力をシミュレーションで検証」

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つみたてNISAは「米国株」か「全世界株」に投資する

 積み立て投資(つみたてNISA )は「米国株」か「全世界株」に投資することをお勧めいたします。

 つみたてNISAの商品の中には、「バランス型」「債券型」など様々な商品がありますが、株の投資信託へ投資しましょう。

 債権が含まれるバランス型や、債券のみからなる債券型は、確かにリスクが小さく安心できる商品になります。

 しかし皆さんは今後数十年と長期で投資を行おうとしています。数十年でみた場合、株価はほぼ確実に上昇します。しかも運用益が非課税になる制度の中で投資をしようとしているのに、上昇率が低い債券などに投資するメリットは小さいと思います。

《以下、前記事の一部抜粋》

これに関しては、確かにそのような可能性もありますが、1985年以降20年間の投資を行なった際、マイナスになることは一度もなかったと言うデータがあります(下の図を参照:J.P.Morgan Asset Management社のデータ)。

 つまり、長期であればあるほど、マイナスになるリスクを抑えることができるということです。

「米国株」か「全世界株」に投資をするとは、どういうことなのか

 「米国株」や「全世界株」に投資を行う方法を説明します。細かい説明は省きますが、大きく3つの方法があります。

  • 個別株を購入する
  • インデックス(株式指数)に連動する投資信託を購入する
  • 投資機関が選んだ個別株を集めた投資信託を購入する

 1つ目の個別株ですが、株に投資するとなったときに、一番イメージされるのが個別株の購入かと思います。米国企業の個別株(例えば、グーグルやアップルなど)を購入することで、「米国株」に投資することも可能ですが、おすすめいたしません。老後資金のための長期投資を行うには、リスクが高いからです。

 2つ目が、インデックスに連動する投資信託です。個人的には、この方法での投資をおすすめいたします。インデックスとは、株価全体を示すような指数のことを言います。つまり米国株式市場のインデックスに連動する投資信託を購入すれば、米国株式市場全体に投資を行うのと同じになります。よって個別株を購入するよりも、分散効果が得られリスクを抑えることができます。

 最後の3つ目ですが、インデックスではなく、投資機関が今後伸びそうな個別株を集めてきてパッケージ化された投資信託になります。個別株よりは分散効果がありますが、インデックス連動型投資信託よりもリスクは高いです。さらに人が調査を行い個別株を選ぶため、運用コストが高くなるデメリットもあり、長期投資には向かないと考えています。

 

 以下、「米国株」「全世界株」に投資を行う場合、インデックス連動型の投資信託に投資を行うものとして、話を進めていきます。

なぜ「米国株」か「全世界株」に投資するべきなのか

 なぜ株式の中でも、日本や欧州、中国ではなく、「米国株」か「全世界株」に投資するべきなのかについて、説明していきます。

株式資本主義が浸透している米国

 米国は資本主義国家ですが、もっと詳しくいうと、「株式資本主義国家」になります。

 つまり米国は、企業・中央銀行・政治家などが株価を押し上げることを最終目標に日々取り組んでいるということです。

 実際に2020年以降は、米国の中央銀行であるFRBもコロナショックで低迷した株価を戻すために必死になって金融政策を行なっています。日本とは少し異なる点になります。

 なぜ米国は、株価を上げることを目標にしているのでしょうか。

 それは、国民の余剰資産のおよそ半分が、株式や投資信託に投資されており、株価の上昇が国民の「幸福度」や「生活レベル」に直結するからです。(ちなみに日本国民は15%しか株式や投資信託に投資を行なっていません)

 株価が下がると国民の資産が減少するので、中央銀行も企業も政治家も、株価の維持・上昇に必死にならざるを得ないのです。

下がっても戻る米国インデックス

 どれだけ関係者が必死になっても株価が下がる時もあります。しかし下がったとしても、米国株はそこから復活し、現在でも最高値を更新し続けています。

 米国を代表とする株式インデックスに「S&P500指数」というものがあります。S&P500とは、米国のトップ500企業の株価から算出される指数で、米国株市場を示すと言っても過言ではない指数です。

 ちなみに株式インデックスとは、株価全体を示すような指数のことを言います。

 S&P500指数ですが、何度も大きな株価暴落が起きていますが、その度に復活し下落前の水準を更新する動きを見せています。実際にS&P500指数の推移をグラフで見てみましょう。

 グラフを見るとわかるように、S&P500指数(米国株)は、一時的に大きく下げることはあっても、必ず戻ってくるのです。

 ちなみにグラフ中のオレンジの線は、日本企業225社の株価から算出される「日経平均株価」の推移になります。米国株の指数であるS&P500に比べ、全く歯が立たない結果となっていることもわかります。

米国主要インデックスを比較

 米国株を示す指数は、主に3つあります。

  • NYダウ工業株30種平均株価(通称:NYダウ)
  • S&P500指数
  • NASDAQ100
構成銘柄数対象セクター対象企業
NYダウ30全セクター時々の経済情勢にあった指数の動きになるよう企業を選択
S&P500500全セクター米国市場の代表的な500社を選択
NASDAQ100100非金融部門のみ対象時価総額上位100企業(金融企業は除く)

 米国企業は全てで、5000-6000企業あります。この点から、NYダウでは米国株式市場全体を示すことは難しいと推測されます。

 一方で、「NASDAQ100」は金融関係を除くという点から、米国市場全体を表すには適していないと考えられます。但し時価総額トップ100から算出される指数なので、著しい成長が期待できます。

 S&P500は、5000-6000社分の500社ですが、他2つの指数に比べ、バランスが取れており、米国市場全体を示すには向いていると考えられます。

 では、NYダウ・S&P500・NASDAQ100の3つの指数の推移を比較してみてみましょう。

 NDXは、NASDAQ100。SPXは、S&P500指数。DJIは、NYダウを示しています。また参考までに日経平均株価も黄色でのせています。

 ここで言いたいのは、「米国株価を示す3つのうちどれが一番上がっているか」ではなく、「米国株価はどの指数も、仮に下がっても必ず上がり、現在も最高値を更新し続けている」と言う点です。

NYダウよりもS&P500指数の方がいい理由

 前章で少し述べていますが、3つの米国市場を示す指数の中では、S&P500指数が投資には向いていると考えています。

 理由は、NYダウは30社から成るので分散効果が小さく、NASDAQ100は中身に偏りがあるためです。 

 NASDAQ100は、近年アップルやマイクロソフト、グーグル、フェイスブック、アマゾンの台頭で指数自体が急激に伸びています。しかし2000年頃のITバブル時は他の指数に比べ大きく下落しています。偏りがあるとそのような下落リスクも増えるため、S&P500指数が投資には向いていると考えています。

 ちなみに、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは、自分が死んだら10兆円近くある資産の90%をS&P500指数に投資するよう奥さんに伝えているそうです。

世界株式の5割が米国

 米国株式市場はなぜ強いのでしょうか。理由は、経済力があり株式市場の規模が大きいからです。

 下の円グラフは、世界の株式市場の時価総額を国別割合(2018年10月時点)を示したものになります。

参照元:アメリカ株式市場が「歴史的な暴落」から何度でも蘇るワケ、著者:太田 創

 米国株式市場は、全世界の半分以上を占めており、その規模が分かるかと思います。米国株式市場に投資をすると言うことは、全世界の株式の半分に投資しているのと同じです。

 説明してきた通り、米国株式市場は全世界の中でも非常に大きな影響力がある株式市場なのです。

欧州・中国・日本株への分散は意味がない

 「米国株式全体に投資することは、全世界株式の半分以上に投資することと同じ」と考えると、あえて世界中の株式市場(中国・インド・イギリス・ドイツ・日本など)に分散投資する意味はあるのでしょうか。

 近年はグローバル化が進み、米国企業はもはや世界中どこの国でも製品・サービスを展開しています。さらに製造方法も、自国で製造する商品は少なくなっています。例えば、iPhoneでも台湾で主に製造されているなど、米国を中心にして世界中の経済が回るような動きになってきています。

 さらにニュースで「アメリカ株式市場の暴落に伴い、日経平均株価も暴落」などと聞いたことはないでしょうか。いまや米国株が下がれば、とりあえず全世界の株式が下がってしまう状況になっています。 逆に米国株が上昇すれば、それを材料に世界中の株式が上がることもよくあります。

 よって私は、「米国株が下がる時は全世界の株も高い確率で下がるのであれば、わざわざ複数の国に分散投資を行う必要はないのでは?」と考えています。

 つまり、米国にだけ投資をしておけば、それ以上わざわざ分散投資する必要はないと考えています。

 但し、投資は人によって考え方が異なるので、米国株に集中することに抵抗がある方は、「全世界株」をおすすめいたします。

つみたてNISAにおすすめの投資信託 3選

 ここまで長期投資をする際は、米国株もしくは全世界株に投資を行う。

 また米国株に投資をする場合、インデックス連動型の投資信託を選び、対象のインデックスはS&P500指数が良いと紹介してきました。

 では具体的に、米国株(S&P500)と全世界株に投資を行う際のおすすめのファンド(商品)を3つご紹介します。

《米国株-1》SBI-SBI バンガード S&P500 インデックスファンド

 まず1つ目が、SBI証券で購入が可能な「SBI-SBI バンガード S&P500 インデックスファンド」になります。

SBI証券の投資信託ランキングの第1位となっている「SBI-SBI バンガード S&P500 インデックスファンド」は、とにかく低コストが特徴です。

 投資対象がS&P500指数である投資信託の中では、最も低いコストで運用することが可能です。

 コストは長期投資の場合、馬鹿にならない場合があるので、長期投資をする際に最もおすすめできるファンドとなっています。

《米国株-2》三菱UFJ国際 -eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

 もしSBI証券に口座を持っておらず、「SBI-SBI バンガード S&P500 インデックスファンド」に投資することができない場合は、「三菱UFJ国際 - eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資を行いましょう。コストはほんの少しだけSBIより高いですが、ほとんど差はありません。

 むしろ「三菱UFJ国際 - eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が純資産総額は高いです。「SBI-SBI バンガード S&P500 インデックスファンド」は最近できたばかりなので、純資産額はそれほど大きくありません。

《全世界株》三菱UFJ国際 -eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

 もしどうしても「全世界株」へ投資を行いたい方のために、「全世界株」のおすすめファンドもご紹介しておきます。

 「三菱UFJ国際 -eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、「全世界株」に投資する場合のファンドになります。こちらは同じくSBI証券の投資信託購入ランキングで第3位となっている商品です。

実際に証券会社の口座を開設し、投資を行おう

 どの投資信託に積み立て投資を行うか決まったら、口座を解説する必要があります。

 証券会社は、「SBI証券」か「楽天証券」のどちらかで開設することをお勧めします。

 理由は、コストが安い投資信託を購入できる証券会社であること、アプリも使いやすく、手続きも簡単に済むからです。加えて、クレジットカードをうまく利用することで、ポイントを稼ぐことも可能なことから、「SBI証券」か「楽天証券」のどちらかで開設することをお勧めします。

 次の記事では、実際に口座開設をどのように行うのか、手順を解説していきます。

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