この記事では、2022年 W26(26週目:2022/6/27〜7/1)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
おそらく、2-3分あれば十分読めるかと思います
今週は市場状態を表す経済指数がいくつか発表されました。
下落基調が続く米国株は、最近経済指標が市場予想に対してどうなのか、に注目が集まっています。
それらの内容についても、簡単に紹介していきますので、良ければ最後までご確認ください。
最後には、「VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)」の1週間の比較も行います。
※ 投資は自己責任でお願いいたします
S&P500 1週間の目立ったニュースなど

今週の米国株式市場は、いくつかの経済指標が発表されました。その内容を受けて株価が反応する場面もあったので、各経済指標についてみていきましょう。
6月消費者信頼感指数(6/28)
まず初めに、6/28に「6月消費者信頼感指数」が発表されました。
消費者信頼感指数とは
消費者のセンチメント(消費者マインド)をアンケートで調査して指数化した景気関連の経済指標です。一般的に個人消費やGDPとの相関性が高く、これらの先行指標として注目されています。
米国の民間経済研究所であるコンファレンスボード(全米産業審議委員会)が毎月発表。5,000世帯の消費者に対して現状や半年後の景況感についてアンケートを実施し、1985年を100として指数化しています。米国の現状の景況感を測る上で信頼性がより高いとされています。
引用元:SMBC日興証券HP
この消費者信頼感指数が発表され、6月は市場予想を下回る結果となりました。
消費者 信頼感指数 | |
---|---|
6月結果 | 98.7 |
6月 市場予想 | 101.0 |
5月結果 | 103.2 |
この米国市場の先行指標として注目されていた「消費者信頼感指数」が市場予想を下回ったことを受けて、6/28の米国株市場は、それまで上昇傾向でしたが、下落に転じました。
チャートは後ほど紹介します。
5月PCE物価指数(6/30)
続いて、6/30 21:30に「5月PCE物価指数」が発表されました。
PCE物価指数とは
米商務省が毎月末に発表している個人消費の物価動向を示す指標。
個人消費支出(Personal Consumption Expenditure = PCE)のデフレーターで、名目PCEを実質PCEで割ったものです。
消費段階での物価上昇圧力を測る尺度として用いられます。
PCEデフレーターから、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものを「PCEコアデフレーター」と呼び、FRBが最も重視している物価指標として知られています。
同様の指標に消費者物価指数がありますが、PCEデフレーターの方が調査対象が広いため、実際の物価動向を反映しているとされています。
引用元:大和証券HP
発表された結果が以下の通り。 総合もコアも共に市場予想を下回る結果となりました。
5月PCE 物価指数 | 総合 | コア |
---|---|---|
5月結果 | 6.3% | 4.7% |
5月 市場予想 | 6.4% | 4.8% |
4月結果 | 6.3% | 4.9% |
PCE物価指数は市場予想を下回り、一時的に株価は大きく下落したものの、その日中に株価は回復へ向かいました。
6月ISM製造業景況感(7/1)
最後に、6月のISM製造業景況感指数が発表されています。
ISM製造業景況感指数とは
米国の製造業の景況感を示す指数のことをいいます。
300を超える製造業企業に対して「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートを実施して、回答結果から指数を算出しています。
最新の状況を表し、しかも精度が高いとして信頼度も高いものになっています。
一般に、数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。
引用元:SMBC日興証券HP
景気拡大か景気後退かを精度よく、信頼度も高く状況を知れる指数である「ISM製造業景況感指数」は、以下のような結果となりました。
総合 | |
---|---|
6月結果 | 55.0 |
5月結果 | 56.1 |
5月対比 | -1.1 |
一般的には、このISM製造業景況感指数が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。
6月の結果は、「55.0」ですから景気が拡大と判断されます。ただし、前月と比べると指数が下落しており、徐々に景気後退へ向かっているとも受け取ることが出来ます。
ちなみに、ISM製造業景況感指数発表直後、株価は下落しています。
では、S&P500の1週間のチャートを見てみましょう。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年 W26)

では、1週間のS&P500のパフォーマンスを見ていきます。
2022年6月27日(月)〜2022年7月1日(金)の5日間が、2022年26週目(W26)のS&P500の週間パフォーマンスです。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、S&P500とは?をご確認ください。
上昇率
S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは1分足で、1週間のチャートになります。

日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
6/27 | 月 | -0.30% |
6/28 | 火 | -2.01% |
6/29 | 水 | -0.07% |
6/30 | 木 | -0.88% |
7/1 | 金 | +1.05% |
1週間 | -2.21% |
今週は、5日間のうち4日間が下落に終わった1週間でした。1週間トータルで見ると、-2.21%と大きく下落。
2022年に入ってから、厳しい期間が続いています。
S&P500 採用銘柄のヒートマップ
続いて、S&P500を構成する銘柄の1週間のヒートマップを見てみます。

先週は、エネルギーセクター以外は上昇し、エネルギーセクターは大きく下落していました。
今週は、ヘルスケアやエネルギーは緑となっており、上昇していますが、アップル・テスラなどのテクノロジー銘柄はほとんど下落していることがわかります。
セクター別パフォーマンス
セクター別でパフォーマンスが異なっているので、セクター別のパフォーマンスを見てみましょう。
セクター別の1週間の上昇率を比較します。
比較には米バンガード社のETFのパフォーマンスを使用します。
比較のために、先週のセクター別上昇率も記載しています。
セクター | ティッカー | 先週の 上昇率 | 今週の 上昇率 |
---|---|---|---|
情報技術 | VGT | +8.88% | -4.80% |
金融 | VFH | +5.29% | -1.47% |
ヘルスケア | VHT | +8.51% | +0.13% |
エネルギー | VDE | -8.12% | +1.09% |
一般消費財 | VCR | +9.41% | -4.95% |
素材 | VAW | +2.06% | -2.96% |
資本財 | VIS | +4.11% | -0.84% |
不動産 | VNQ | +6.99% | -0.40% |
公益 | VPU | +5.23% | +4.08% |
生活必需品 | VDC | +5.43% | +0.35% |
通信 | VOX | +7.70% | -3.46% |
今週は、ヘルスケア・エネルギー・公益・生活必需品セクターは上昇。それ以外の7つのセクターは下落しています。
エネルギーセクターは、先週-8%以上の下落で、今週上昇していますが、上昇幅は1%程度と小さく、先週の下落分を取り返せていません。
ただ年初来で見ると、エネルギーセクターは30%近くの上昇となっており、まだまだ力強い動きとなっています。
各セクターの日別パフォーマンス
6月27日(月)〜7月1日(金)の各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

セクターによって傾向が異なります。アップルやマイクロソフトなどのテクノロジーセクター(VGT)は、28日(火)に大きく下落、30日(木)も少し下落しています。これは経済指標の発表があった日と一致します。
一方でエネルギーセクター(VDE)は、29日(水)と30日(木)に大きく下落しているものの、27日(月)と28日(火)は大きく上昇していました。特に28日(火)は、他のセクターが全て下落している中で、唯一エネルギーセクターだけが上昇しています。
S&P500 上位銘柄のパフォーマンス
最後に、S&P500指数の大部分の割合を占めているトップ銘柄のパフォーマンスを見ておきましょう。
以下は、米バンガード社のホームページに記載のS&P500指数に連動する米国ETF「VOO」の構成銘柄になります。
7/2時点の情報ですが、先週の情報と内容は変わっていません。

ここでは上位5銘柄の「アップル・マイクロソフト・アルファベット(グーグル)・アマゾン・テスラ」について、紹介します。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 |
---|---|---|
AAPL | アップル | -1.93% |
MSFT | マイクロソフト | -3.03% |
GOOGL | アルファベット (グーグル) | -7.98% |
AMZN | アマゾン | -5.92% |
TSLA | テスラ | -7.51% |
(比較) | S&P500 | -2.21% |
今週は、S&P500の上位5銘柄全て、S&P500指数よりも大きく下落していることがわかります。
特にアルファベット・テスラの下落率が大きく、8%近く下落しています。これは、S&P500指数の下落幅の3倍以上になります。
最後に、参考程度ですが、上位5銘柄とS&P500の1週間のチャートを載せておきます。
ちなみに、アップルやマイクロソフト、グーグル、テスラなどの米国株の個別銘柄を少額で取引したい方は、LINE CFDの利用が便利です。

S&P500と他指数の比較

S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較を行います。
また株価への影響が大きい「為替・10年債利回り・VIX指数」との比較も行っていきます。
NYダウ・NASDAQ100との比較
青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。

今週は、3指数とも下落。下落時は、NASDAQ100 > S&P500 > NYダウの順で下落幅が大きくなる傾向にあります。理由は、テクノロジー銘柄の割合がNASDAQ100が最も高いからです。
今週もその順で下落幅が大きくなっています。
逆に先週は、3指数すべて上昇しており、上昇字はNASDAQ100が最も大きく上昇することが多いです。
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)とS&P500指数を比較してみましょう。

順に見ていきます。
まず6/30 21:30に発表された「5月PCE物価指数」の内容を受けて(白矢印)、米国10年債利回りが大きく下落、VIX指数(恐怖指数)は大きく上昇、S&P500も大きく下落していることがわかります。
その後株価は、少しづつ回復しています。
よくみると、28日にも3つの値が急激に変化しているところがあり(白矢印)、そのタイミングは「6月消費者信頼感指数」の発表があったタイミングです。
つまり今週の株価などは、経済指標の内容を受けて強く反応していたことがわかります。
S&P500(日本円換算)のチャート

S&P500で資産運用する場合、国内の投資信託を用いることが多いかと思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが多いかと思いますが、そこで日本円に換算したS&P500のパフォーマンスも見てみましょう。
まずは、為替の動きになります。

週初めは、135円台でスタートし、週半ばには一時的に137円に近づきました。しかし週末には135円台に戻し、135円台を推移しています。
次に、S&P500の日本円換算チャートになります。

2022年の初めからのチャートを見ると、1月1日〜7月1日まででS&P500(日本円換算)は「-5.69%」となっています。
6月の初旬に一時的にプラスに転ずる場面もありましたが、そこから大きく下落しました。しかしここ最近少しづつまた盛り返しているところです。
2022年に入って苦しい時期が続いていますが、長期投資であれば上昇する可能性は高いので、じっと待つしかありませんね。
VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)

最後に、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)について、今週のパフォーマンスを比較してみましょう。

1週間の 上昇率 | ||
---|---|---|
VOO | S&P500 | -2.66% |
VTI | 全米株式 | -2.35% |
VT | 全世界株式 | -2.10% |
チャート内と表内の上昇率の記載が異なりますが、表内の数値が正しい数値になります。
比較すると、今週は、VOO(S&P500)が最も下落幅が大きくなっています。反対にVT(全世界株式)の下落幅が最も小さくなっています。
VT(全世界株式)の方が分散が効いており、今週S&P500指数よりも下落幅が大きかった上位銘柄の割合が低いため、VTは最も下落幅が小さ区なっていると考えられます。
詳しくは、「VT・VTI・VOOの違いを解説」の記事で解説していますので、よければご覧ください。
(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば、三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
>>参考記事:【2022年】SBI証券クレカ積立を徹底解説!
まとめ(2022年 W26 のS&P500)
今週のS&P500は、「-2.21%」と久しぶりに上昇しました。
先週は「+6.45%」だったので、2週間で見るとまだプラスですが、2022年初来で見ると、まだまだ大きく下落している状況です。
一方で、長期投資を前提としている方は、この下落のタイミングはチャンスと捉えることもできます。
長期投資には、SBI証券×三井住友カード(NL)の組み合わせが非常に強力です。
またS&P500だけでなく、イーサリアムに関しても週間パフォーマンスを簡単にまとめていますので、気になる方は、こちらの記事をご確認ください。
>>先週のS&P500のパフォーマンス「S&P500 週間パフォーマンス W25」
>>先週のETH・イーサリアムのパフォーマンス「ETH・イーサリアムの週間パフォーマンス W25」