この記事では、FP3級の学科試験について、試験内容の確認と頻出範囲について紹介します。FP3級も1つの試験に過ぎません。やはり「傾向」「頻出テーマ」が存在します。それらについて詳しく見ていきましょう。
この記事の結論
・学科試験は試験機関によらず共通問題
・出題範囲は広いが、頻出範囲がある
・頻出範囲を押さえることで、難易度はそれほど高くない試験となる
FP3級学科試験の内容
科目 | 試験機関 | 試験科目 | 出題形式 | 問題数 | 制限時間 | 合格基準 |
学科 | 金財 FP協会 | 共通 | マークシート形式 | 60問 | 120分 | 36/60点以上 |
学科試験は、FP協会・金財どちらで受験しても内容は同じです。詳しくは上の表の通りですが、試験時間120分で問題数60問、合格ライン36/60問であり、2つの試験期間で全く同じ問題が出題されます。
次に試験範囲ですが、出題範囲は6テーマあり、はっきり言って範囲は広いです。効率的に勉強しなければ、難易度は高く感じるでしょう。各出題範囲に関する情報は、後ほどご紹介します。
学科試験の難易度・合格率は?
FP3 級は国家試験の中では難易度が低いと言われていますが、試験範囲は広く、実際のところ難易度・合格率はどの程度なのでしょうか。これらに関しては、別記事にまとめていますので、そちらを紹介いたします。
難易度 ーFP3級学科試験
合格率 ーFP3級学科試験
FP3級 学科試験には頻出範囲がある?
結論から言うと、FP3級の学科試験にはよく出る範囲と、あまり出題されない範囲があります。つまり、これをきちんと確認した上で、勉強を行うことで効率的に、無駄なく合格に向かえるということです。
ここでは、過去5年間の出題範囲・傾向から、頻出範囲を紹介します。
ライフプランニングと資金計画
子供の教育資金計画や、老後の生活設計を立てるに当たって必要となる、公的年金、健康保険・介護保険、教育・住宅ローン等の仕組みについて問われます。
◎最頻出
FPの倫理と関連法規、係数の活用、フラット35、住宅ローン返済方法、奨学金、教育一般貸付、
任意継続被保険者、出産育児一時金、公的介護保険、雇用保険、老齢基礎年金、老齢厚生年金、
遺族年金、確定拠出年金
○頻出
ライフプランニング、住宅ローン金利、繰上げ返済、学資保険、後期高齢者医療制度、労災保険、
国民年金、障害基礎年金
リスク管理
病気や事故など、人生の中での「リスク」にに対処するための、損害保険・生命保険などの各種保険商品についての種類・特徴・選択方法・関係法令について問われ、主に保険の制度、商品の特徴が出題されます。
◎最頻出
契約者保護に関する制度、保険業法、保険表の算定、払済保険と延長保険、生命保険、地震保険、
自動車損害賠償責任保険、傷害保険
○頻出
自動車保険、火災保険、賠償責任保険
金融資産運用
金融市場や投資の基本理論について勉強し、株や債権、外貨、投資信託等の金融商品の特徴や仕組み、売買の方法について問われ、他の科目に比べて、出題傾向の偏りが少なく、全体的に出題されます。
◎最頻出
金融政策と市場、預金保険精度、金融商品取引法、元利合計額計算、債権利回り、株価指数、
投資信託の運用手法、ポートフォリオとデリバティブ取引、外貨預金
○頻出
経済指標、インフレとデフレ、金融商品販売法、国債、株式取引の仕組みと税金、
投資信託の仕組みと税金、NISA、外国為替
タックスプランニング
所得税を中心に、住民税・所得税・消費税など色々な税金に関して出題されます。所得の計算は、毎回複数題されています。住宅ローン控除も、ほぼ毎回出題されているので押さえておきましょう。
◎最頻出
不動産所得、退職所得、一時所得、譲渡所得、配偶者控除、扶養控除、配当控除、確定申告
○頻出
所得税の基礎、給与所得、雑所得、利子所得、事業所得、減価償却、損益通算、所得税額産出
不動産
マイホームを購入したり、保有している不動産を売却したりするときに必要となる税金や関連法令、契約に関する知識、また、不動産投資について問われます。そのほかに、建築基準法では、主に住宅などを建てる際の制限が中心に出題されます。不動産の譲渡については、譲渡所得の区分。税金については、固定資産税・不動産取得税をおさえましょう。
◎最頻出
不動産登記記録、不動産の取引と媒介契約、借地権/借家権、建ぺい率、区分所有法、固定資産税、
取得/保有にかかる税金、土地活用と不動産投資、居住用財産の譲渡所得の特別控除
○頻出
不動産価値と鑑定評価、都市計画法、用途制限、容積率/延べ面積/防火規制、譲渡/賃貸にかかる税金
相続
相続、贈与、事業承継に関する科目です。贈与税・相続税の計算からは、基礎控除や各種控除の内容が問われ、計算のルールとなる各種控除の制度をおさえましょう。また相続人の順位の決め方や法定相続分の計算方法は必ず覚えておきましょう。
◎最頻出
贈与契約、贈与税の配偶者控除、相続時精算課税、相続の承認と放棄、法定相続人と法定相続分、
遺言書、遺留分、配偶者に対する相続税額の軽減、小規模宅地等の評価減の特例
○頻出
贈与税の基礎、直系尊属からの贈与の特例、養子縁組、遺産分割方法、相続財産の種類、2割加算、
遺産に係る基礎控除額、相続税の申告期限、土地建物株式等の相続税評価額
FP3級 学科試験 勉強方法
こちらに関しては、別記事で紹介させていただいていますので、興味がある方は、以下の記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、FP3級の学科試験について、試験内容の確認と頻出範囲を紹介しました。難易度はそれほど高くありませんが、出題範囲は広く効率的に勉強しなければ、難易度が高く感じることもあります。なのでご紹介した「頻出範囲」を中心に勉強することをお勧めします。