この記事では、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS NASDAQ100インデックス」について紹介します。
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、米国株式の指数の一つである「NASDAQ100指数」に連動する投資信託です。ハイテク企業100社から算出されるNASDAQ100指数は、高いパフォーマンスが期待できますが、同時に下落リスクも高くなります。
そこで過去の成績や銘柄を分析し、eMAXIS NASDAQ100インデックスのメリットとデメリットを解説していきます。
eMAXIS NASDAQ100インデックスとは?

三菱UFJ国際のホームページには、「eMAXISとは資産運用のベーシックツールで、長期運用に相応しい」と記載があります。
その中で、eMAXIS NASDAQ100インデックスは、三菱UFJ国際投信が販売しているeMAXIS シリーズの「NASDAQ100指数」に連動を目指す投資信託です。
ファンド情報:eMAXIS NASDAQ100インデックス
eMAXIS NASDAQ100インデックスのファンド情報を表に整理します。ファンド開始日が2021年1月29日と最近販売が開始されたファンドになります。
また信託報酬(運用コスト)が0.44%と低コストですが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に比べると少し高いです。
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
---|---|
受託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
連動対象 | NASDAQ100指数(米国株式指数) |
ファンド設定日 | 2021年1月29日 |
分類 | 外国株式型インデックス |
販売手数料 (購入時手数料) | 無料 |
信託報酬 (運用管理費用) | 0.44% |
信託財産留保額 | 無料 |
ちなみに「NASDAQ100指数」連動する投資信託の中で「eMAXIS NASDAQ100インデックス」最も低コストな商品となっています。

NASDAQ100指数とは?
NASDAQ100指数とは、米国のナスダック市場に上場している金融を除く銘柄のうち、流動性が高く
時価総額の大きい約100社の株式で構成され、1985年1月31日を基準に算出された株価指数になります。
つまり、eMAXIS NASDAQ100インデックスとは、米国企業のトップ100社(金融は除く)に一度に投資できる投資信託になります。
100社の企業の例を挙げると、アップル・マイクロソフト・グーグル・アマゾン・フェイスブック・ネットフリックス・テスラ・ツイッターなど、とにかく有名で勢いのある世界トップのハイテク企業の集まりになります。
これらの洗練された100社から算出されるNASDAQ100指数は、過去35年間で116倍までに成長しています。特に2009年以降のここ十数年間は、凄まじい勢いで成長しており、近年投資対象として注目されている指数になります。

eMAXIS NASDAQ100インデックスの組み入れ銘柄を紹介
eMAXIS NASDAQ100インデックスの組み入れ銘柄について、三菱UFJ国際のHPの投資信託カタログを調べると、上位10銘柄のみ公開されています。(2021年3月31日時点)

右上の全銘柄数が102銘柄になっていますが、同じ企業でも2種類の株式を発行している企業もある関係で、102銘柄となっています。表中6位・7位は共にアルファベット(グーグル)の株式になります。
上位10銘柄で、50%弱を占めていることがわかります。特にGAFAMと呼ばれる5大企業(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)が多くの割合を占めていることがわかります。
しかし残り50%については、情報がなく直接的には確認することができません。そこで今回は同じNASDAQ100に連動する商品を分析することで、銘柄確認を進めます。
eMAXIS NASDAQ100インデックスの全銘柄を確認(QQQで確認)
eMAXIS NASDAQ100インデックスの全銘柄を把握するために、同じNASDAQ100指数へ連動する米国ETFである「INVESCO QQQ TRUST SERIES 1 ETF(QQQ)」を分析していきます。
米国ETF QQQは、eMAXIS NASDAQ100インデックスと同じく、NASDAQ100指数と連動するように運用されているため、殆ど同じ銘柄/割合であると考えることができます。
米国ETF QQQ の全組み入れ銘柄( ≒ eMAXIS NASDAQ100インデックスの全銘柄)
NASDAQ100指数の全100銘柄とその割合については、かなり長くなるので以下の記事にまとめました。気になる方は、以下の記事をご確認ください。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のチャート
早速ですが、eMAXIS NASDAQ100インデックスのチャートと、元の指数であるNASDAQ100指数を比較したチャートを確認していきます。

青がeMAXIS NASDAQ100インデックスです。ピンクがNASDAQ100指数です。eMAXIS NASDAQ100インデックスは、販売開始が2021年1月29日のためまだ日数が少なく、このチャートはあまり参考になりません。ちなみに2つのグラフが乖離しているのは、日本円と米国ドルの為替の違いが考えられます。
日数が浅くデータが確認できないので、ここでも代わりに米国ETFであるQQQのチャートを確認してみましょう。
米国ETF(QQQ)で長期チャートを確認
米国ETFであるQQQを用いて、NASDAQ100指数の長期の成長率・チャートを確認してみます。以下が米国ETF(QQQ)とNASDAQ100指数の2つのチャートを示した画像です。

青が米国ETFのQQQ、オレンジがNASDAQ100指数です。若干オレンジの方が高いですが、これは青の米国ETF(QQQ)が運用手数料分引かれていることが原因と考えられます。しかしQQQは、NASDAQ100指数とほとんど同じ成長率を見せていることが分かります。
2000年に投資した場合、2001年にITバブル崩壊があり大きく下げていますが、その後徐々に回復し、現在では+481%と、約6倍(約+500%)となっています。
しかし、チャートをよく見ると2000年からの10年間はほとんど成長していません。この20年間の成長は、2011年から2021年の後半10年間の成長が大部分を占めており、高いパフォーマンスを見せるNASDAQ100の(下落)リスクもこのチャートから読むことができます。
eMAXIS NASDAQ100インデックスのメリットとデメリット
メリット
メリットは、以下の点が挙げられます。
- 米国企業のうち時価総額トップ100社(金融以外)に投資できる(NASDAQ100指数)
- ハイテク企業ばかりなので高いリターン(成長率)を期待できる
- NASDAQ100指数に連動する投資信託の中では最安コスト
- 投資信託なので分配金を自動的に再投資し複利の効果で運用が可能
- 100円から投資可能
NASDAQ100指数への投資メリットは、米国時価総額トップ100社に一度に分散投資できる点かと思います。
特に、アップル・グーグル・マイクロソフト・アマゾンなどは、私たちの生活に不可欠なモノ・サービスを提供しており、今後も更なる成長が期待されます。
その他にも投資信託としてのメリットとして、分配金再投資を選択すれば自動的に複利の効果を得ながら運用が100円から可能な点も大きなメリットになります。
デメリット
- ハイテク企業に偏ったファンドなので、S&P500などに比べると下落リスクが高まる
- 投資信託なので、購入金額をコントロールできない
NASDAQ100指数とよく比較されるS&P500指数は、一時的に下がることはあっても、おおよそ毎年成長を続けており、長期(10-20年)で見た時おおよそ年5-8%程度と言われています(計算方法や算出する区間にも依るため記事や人によって幅があります)。
これに対し、NASDAQ100指数は、2000年から10年間ほとんど成長が見られなかったように、成長にムラがあります。一方で2011年以降の成長率はS&P500指数を上回っており、S&P500に比べると、一長一短があるファンドと言えます。
個人的には、NASDAQ100指数の大部分は、GAFAMと呼ばれる5大企業(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)構成されているため今後も成長が期待できると考えていますが、もう少しリスクを落として投資したい方は、同じ米国株式指数の「S&P500指数」への投資をお勧めします。
eMAXIS NASDAQ100インデックスの購入方法/証券会社
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、銀行や証券会社で購入することができます。
ちなみにeMAXIS NASDAQ100インデックスは、つみたてNISAでの購入が出来ません。
購入できる銀行・証券会社一覧
銀行・証券会社などの金融機関で購入することが可能です。

最近利用が増えている「SBI証券」「楽天証券」の2社は、共にeMAXIS NASDAQ100インデックスの扱いがあります。
SBI証券での購入手順を解説
(記事準備中)
まとめ
この記事では、NASDAQ100指数に連動する最も低コストである投資信託「eMAXIS NASDAQ100インデックス」について内容を紹介しました。
S&P500に比べると、成長率にばらつきがあるファンドですが、ここ10年間の成長率は凄まじく、今後も成長が期待できるファンドとなっています。あまりリスクを取りたくない方には、向かないので、ご自身でよくご検討されてから投資していただくようにお願いいたします。
ちなみに私は、S&P500指数とNASDAQ100指数を組み合わせて投資を行なっています。組み合わせの割合については、現在検討中ですが、シミュレーションした記事を以下に載せておきます。
逆に、もっとリスクを取ってでもリターンを得たい、ハイテク企業の成長率を期待したい方は、「FANG+」という指数に投資することで、グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンに集中投資することが可能です。気になる方は、こちらの記事をご確認ください。