この記事では、FP3級を実施している2つの試験機関(FP協会、きんざい)、そのどちらで受験するほうが合格率が高いかを解説します。
その他、簡単に試験内容の違いなどもご紹介いたします。
結論から言うと、
・学科試験は共通問題なので、どっちでも良い。
・実技試験は、2つの試験機関、3種類の受け方がある。
・最も合格率が高いのは、FP協会「資産設計提案業務」で合格率80%~90%
・なので、FP協会で受験すべき。
後に、詳しく述べます。
2つの試験機関と試験範囲の違い
FP3級を受験する際に決めなければいけないのが、「どの試験機関で受験するか」です。
2つの試験機関
ファイナンシャル・プランニング技能検定は、
「NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、FP協会)」
「一般社団法人 金融財政事情研究会(以下、金財)」
という2つの試験機関で実施されます。
試験日は、毎年1月、5月、9月に実施され、それぞれの試験日の約2ヶ月前に、3週間ほどの申込み期間が設けられ、どちらの試験機関も受験日など、ほとんど同じです。
もちろん合格後、得られる資格も同じ。学科試験の内容も共通問題であり同じであるため、学科試験に関してはどちらの試験機関で受験しても差はありません。
しかし、実技試験の内容がFP協会、金財で異なります。
続いて、各試験機関での試験範囲を見ていきましょう。
FP3級 試験内容
FP3級は、学科試験・実技試験ともに以下の6分野から出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
学科試験の内容
学科試験に関しては、以下の記事にまとめていますので、気になる方は参考にしてください。
実技試験の内容
実技試験は、金財と日本FP協会で別の内容となっています。但し、試験範囲はさっきご説明した6個の範囲から出題されます。それぞれどのような内容となっているのでしょうか。
先に、わかりやすいように表にまとめて、後で説明します。
学科試験 | 実技試験 1 | 実技試験 2 | 実技試験 3 | |
FP協会・金財 | FP協会 | 金財① | 金財② | |
共通 | 資産設計 提案業務 | 個人資産 相談業務 | 保険顧客資産 相談業務 | |
A. ライフプランニングと資金計画 | ○ | ○ | ○ | ○ |
B. リスク管理 | ○ | ○ | × | ○ |
C. 金融資産運用 | ○ | ○ | ○ | × |
D. タックスプランニング | ○ | ○ | ○ | ○ |
E. 不動産 | ○ | ○ | ○ | × |
F. 相続、事業承継 | ○ | ○ | ○ | ○ |
金財のFP3級実技試験
金財では、「個人資産相談業務」と、「保険顧客資産相談業務」の2つが用意されています。このうちどちらか1つを選び受験します。FP協会と同様に記述式の問題が出題され(問題数:5題15問)、合格点は50点満点中30点以上(得点率60%以上)です。
金融資産や不動産など、個人的なライフプランにかかわること、生命保険など保険全般に重点を置いたことについて問われます。
日本FP協会のFP3級実技試験
日本FP協会では、資産設計提案業務から20問が金財と同様に記述式で出題されます。合格点は100点満点中60点以上(得点率60%以上)です。
倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニングのプロセス、顧客の状況分析と評価を問われます。
これだけでは実技試験の内容についてイメージできないと思いますので、公式ホームページから過去問を無料ダウンロードし、違いを事前に確認することをオススメします。
どちらの試験機関で受験するほうがいいのか
結論、「FP協会 資産設計提案業務(表中:実技試験1)」が最も合格率が高いです。
各実技試験での合格率・難易度を以下にご紹介します。
FP3級 実技試験 難易度
FP3級の本試験は、金融の知識を問う試験なので一見難しそうですが、FP3級は入門的な資格なので、専門的な難易度の高い内容は問われません。さらに、出題されるところもだいたい決まっています。なので、過去問をしっかり勉強してさえすれば、決して難易度の高い試験でないと思います。このことは、次に紹介する合格率の高さからも判断できます。
FP3級 実技試験 合格率
FP3級全体の合格率をまず紹介すると、おおよそ70%になります。それでは学科試験および実技試験、それぞれの合格率を見ていきましょう。
学科試験の合格率は、以下の記事で紹介しているので省略します。
実技試験の合格率は、以下の表のとおりです。これは2016年度以降の合格率の平均値です。
試験機関 | 試験科目 | 合格率 | |
実技試験1 | FP協会 | 資産設計提案業務 | 84% |
実技試験2 | 金財 | 個人資産相談業務 | 64% |
実技試験3 | 金財 | 保険顧客資産相談業務 | 51% |
おおよそですが、FP協会の「資産設計提案業務」で合格率80%~90%、きんざいは「個人資産相談業務」で60%~80%、「保険顧客資産動産業務」で40%~70%位で合格率が推移しています。
また学科の合格率(約70-80%)に比べると、実技試験の合格率は低く、実技試験の方が難しいことがわかります。実技試験は計算問題などの記述式であるのに対し、学科試験は最悪勘で選べる選択問題。実技試験の方が、合格率が低いのは当たり前のような気がしますが。
結局どっちの試験機関で受験すればいいの?
最初にもお伝えしましたが、合格率が最も高い「FP協会 資産設計提案業務」で受験するのが良いか思います。
しかし、人によって学びたい科目や好き嫌い、もしくは会社の指示で受けているなど、様々な状況があるかと思います。さっきも述べた通り、国家試験全体を見たら、FP3級はかなり合格率の高い試験です。合格する人は、科目関係なくしっかり勉強するためどの科目でも合格すると思います。
なので、過去問を中心にしっかり勉強することに集中しましょう。
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まとめ
この記事では、FP3級の実技試験の科目選択、試験機関による違いをご紹介しました。結論としては、試験期間によって、実技試験の試験科目が異なる。また合格率も異なります。
合格率が少しでも高い試験科目で受験したい方には、FP協会の「資産設計提案業務」の試験科目をおすすめします。
ただし、FP3級自体が国家試験の中では難易度が低い試験なので、しっかり勉強できる方であれば、どの試験科目を選択しても問題ありません。