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米国株投資

S&P500 週間パフォーマンス W35(2022年8月5週目)

この記事では、2022年 W35(35週目:2022/8/29〜9/2)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。

8月第5週目のS&P500は「-3.29%」の下落となり、これで3週連続の下落となりました。下落幅も先週の4%超えに続き、今週も3%を超える下落となりました。

また今週は、いくつかの米国経済指数が発表されて、10年債利回りや株価も反応する場面がありました。その内容を簡単に振り返っていきます。

他にも、米国株のセクター別のパフォーマンス、S&P500の上位銘柄の上昇率、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)の1週間の比較など、簡単に紹介していきますので、良ければ最後までご確認ください。

※ あくまで投資は自己責任でお願いいたします

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S&P500 1週間のニュース

今週は、月末なので多くの経済指標の発表がありました。ここでは、以下の3つについて簡単に説明します。

  • ①:8月 消費者信頼感指数(8/30 23:00)
  • ②:8月 ISM製造業景況感(9/1 23:00)
  • ③:8月 雇用統計/失業率(9/2 21:30)

8月 消費者信頼感指数(8/30)

まず初めに、8/30に「8月度の消費者信頼感指数」が発表されました。

消費者信頼感指数とは

消費者のセンチメント(消費者マインド)をアンケートで調査して指数化した景気関連の経済指標です。一般的に個人消費やGDPとの相関性が高く、これらの先行指標として注目されています。

米国の民間経済研究所であるコンファレンスボード(全米産業審議委員会)が毎月発表。5,000世帯の消費者に対して現状や半年後の景況感についてアンケートを実施し、1985年を100として指数化しています。米国の現状の景況感を測る上で信頼性がより高いとされています。

引用元:SMBC日興証券HP

この消費者信頼感指数が発表され、8月は市場予想を上回る結果となりました。

* 8月度 消費者信頼感指数

消費者
信頼感指数
8月結果103.2
8月
市場予想
97.4
7月結果95.3

この米国市場の先行指標として注目されていた「消費者信頼感指数」が市場予想を上回りましたが、米国10年債利回りと恐怖指数(VIX指数)は上昇に転じ、S&P500は下落となっています。

チャートは後ほど紹介します。

8月 ISM製造業景況感(9/1 23:00)

続いて、9/1には8月度の「ISM製造業景況感指数」が発表されています。

ISM製造業景況感指数とは

米国の製造業の景況感を示す指数のことをいいます。

300を超える製造業企業に対して「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートを実施して、回答結果から指数を算出しています。

最新の状況を表し、しかも精度が高いとして信頼度も高いものになっています。

一般に、数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。

引用元:SMBC日興証券HP

景気拡大か景気後退かを精度よく、信頼度も高く状況を知れる指数である「ISM製造業景況感指数」の8月度の結果は、以下のようになりました。

* 8月度 ISM製造業景況感指数

総合
8月結果52.8
8月市場予想52.0
7月対比±0.0

一般的には、このISM製造業景況感指数が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。8月の結果は、「52.8」ですから景気が拡大と判断されます。7月も「52.8」となっており、先月に引き続いての結果となっています。

ちなみに、ISM製造業景況感指数発表直後、株価はそれほど反応しませんでした。その日は市場で取引が開始された後S&P500は下落基調で、発表後もその流れが続いた印象です。

8月 雇用統計

最後に、9/2に8月の米国雇用統計が発表されています。雇用統計は米国株式市場への影響度が非常に高い重要な指数になります。

米国雇用統計とは、

米国の雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な経済指標。

政府から最初に発表される前月の指標で、米国の景気の実体を表す最新の数値として、外国為替、株式、金利などのマーケットにも影響を与えるため、市場関係者が注視しています。

中でも最も注目される数字は、非農業部門雇用者数、失業率、時間当たり賃金などです。

引用元:SMBC日興証券HP

* 8月度 雇用統計

結果市場予想
雇用数
(非農業)
+31.5万人+30.0万人
失業率3.7%3.5%

雇用者数は、市場予想の「30.0万人増加」に対し、結果「31.5万人増加」となりました。しかし失業率は予想以上の値となっています。この結果を受けた市場は、恐怖指数は下落・米国10年債利回りは下落・S&P500は上昇しました。

しかしその日のうちに、S&P500は下落に転じており、非常に不安定な動きとなりました。

では、S&P500の1週間のチャートを確認していきましょう。

S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年 W35)

では、いくつかの経済指標が発表された今週のS&P500の動きを見ていきましょう。

2022年8月29日(月)〜2022年9月2日(金)の5日間が、2022年35週目(W35)のS&P500の週間パフォーマンスとなります。

S&P500の週間の上昇率

S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは1分足で、1週間のチャートになります。

日付曜日上昇率
8/29-0.67%
8/30-1.10%
8/31-0.78%
9/1+0.30%
9/2-1.07%
1週間-3.29%
表:著者作成

8/29(月)〜9/2(金)の5日間のうち、今週は木曜日以外全て下落となっています。唯一上昇した木曜日の上昇幅も大きくなく「+0.30%」となっており、それに対し下落幅は比較的大きく、1週間で「-3.29%」の下落となりました。

特に、火曜日・金曜日の下落が大きく、それぞれ消費者信頼感指数の発表と、雇用統計があった日となっています。金曜日はパウエル議長の発言を受けて、大きく下落しています。

今週もS&P500は「-3.29%」の下落となったので、先週の-4.04%の下落に引き続き、3週連続の下落となっています。

S&P500 採用銘柄のヒートマップ

S&P500採用銘柄の時価総額と上昇率を見れる「ヒートマップ」を見てみます。

緑が上昇、赤が下落です。今週は、ほぼ全てが赤くなっており、さらに下落幅も大きいです。

先週はほぼ全てのセクターが下落する中で、唯一エネルギーセクターのみ上昇していましたが、今週はそのエネルギーセクターも真っ赤に下落しています。

では、次にセクター別パフォーマンスを詳しく見ていきます。

S&P500 セクター別パフォーマンス

では、セクター別のパフォーマンスを見ていきます。

ここではS&P500採用銘柄だけでなく、比較は米バンガード社のETFのパフォーマンスを使用します。

参考のために、先週のセクター別上昇率も記載しています。

セク
ター
ティ
ッカ
今週の
上昇率
(W35)
先週の
上昇率
(W34)
情報技術VGT-5.21%-5.24%
金融VFH-2.61%-3.58%
ヘルスケアVHT-2.10%-4.01%
エネルギーVDE-3.33%+4.17%
一般消費財VCR-3.04%-4.68%
素材VAW-5.21%-1.02%
資本財VIS-3.71%-3.31%
不動産VNQ-3.91%-3.92%
公益VPU-1.51%-2.49%
生活必需品VDC-2.55%-3.10%
通信VOX-2.70%-4.42%
参考
S&P500
VOO-3.24%-4.02%
表:著者作成

今週は、全11セクターが下落となりました。先週上昇していたエネルギーセクター(VDE)も下落し、S&P500指数にあたる「VOO」は「-3.24%」の下落です。

特に情報技術セクター(VGT)の下落幅が5%を超えており、非常に大きい下落となっています。この原因は、エヌビディア(NVDA)が今週大きく下落したためと考えられます。

後ほど、S&P500の上位銘柄の中で、エヌビディアの下落率を見ていきます。

各セクターの日別パフォーマンス

8月29日(月)〜9月2日(金)の各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

エネルギーセクター以外は、似たような動きになっています。エネルギーセクターは他と異なる動きとなっており、9/2(金)は唯一上昇しています。上昇幅も2%を超えています。しかし8/30(火)・9/1(木)の下落幅が他よりも大きく、1週間で3.33%の下落となりました。

S&P500 上位10銘柄の構成割合

各セクターやS&P500自体にも大きな影響を与える上位銘柄のパフォーマンスを見ていきます。

まずは今週時点のS&P500の上位銘柄を確認しましょう。

S&P500の上位銘柄は、米バンガード社の米国ETFである「VOO」の構成銘柄で見ていきます。

* 今週(W35)のVOO(S&P500)の上位10銘柄

* 変化率(S&P500構成銘柄)

ティ
ッカー
銘柄
先週
(W34)
今週
(W35)
1AAPLアップル7.12%7.12%
2MSFTマイクロ
ソフト
5.98%5.98%
3AMZNアマゾン3.36%3.36%
4GOOGLアルファ
ベットA
1.99%1.99%
5GOOGアルファ
ベットC
1.84%1.84%
6TSLAテスラ2.13%2.13%
7BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
1.55%1.55%
8UNHユナイテッド
ヘルスケア
1.45%1.45%
9JNJジョンソン
&
ジョンソン
1.31%1.31%
10NVDAエヌビディア1.30%1.30%
上位10銘柄
が占める割合
28.03%28.03%

VOO(S&P500)の構成銘柄とその割合です。

VOOの上位銘柄は公開されてる情報では、変化がありませんでした。

S&P500の上位10銘柄の上昇率

各セクターやS&P500自体にも大きな影響を与える上位銘柄のパフォーマンスを見ていきます。

次の画像と表が、S&P500の上位10銘柄の日々の上昇率をまとめたものになります。

* S&P500 上位10銘柄の上昇率

ティ
ッカー
銘柄名先週の
上昇率
(W34)
今週の
上昇率
(W35)
セクター
1AAPLアップル-4.61%-4.77%VGT
情報技術
2MSFTマイクロ
ソフト
-6.31%-4.49%VGT
情報技術
3AMZNアマゾン-5.41%-2.48%VCR
一般消費
4GOOGLアルファ
ベットA
-5.86%-2.26%VOX
通信
5GOOGアルファ
ベットC
-5.77%-2.35%VOX
通信
6TSLAテスラ-2.89%-6.21%VCR
一般消費
7BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
-2.46%-4.24%VFH
金融
8UNHユナイテッド
ヘルスケア
-3.48%-2.44%VHT
ヘルスケア
9JNJジョンソン
&
ジョンソン
-2.98%-0.93%VHT
ヘルスケア
10NVDAエヌビディア-8.90%-16.07%VGT
情報技術
(比較)VOO
(S&P500)
-4.02%-3.24%

* S&P500 上位10銘柄の日々の上昇率

上位10銘柄の上昇率を見ると、全銘柄が下落となっています。特にエヌビディアの下落率は「-16.07%」と非常に大きな下落となりました。

日々の増減率を見ても、エヌビディアは毎日2%以上下落していることが分かります。この影響を受けて、先ほど紹介した情報技術セクター(VGT)の5%以上の下落に繋がっていると考えられます。

S&P500と他指数の比較

続いて、S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較を行います。

また株価への影響が大きい「為替・10年債利回り・VIX指数」との比較も行っていきます。

NYダウ・NASDAQ100との比較

青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。

指数グラフ色上昇率
NYダウ-2.99%
S&P500-3.29%
NASDAQ
100
-4.02%

今週も、3指数全てが下落し、2週連続3指数が下落となっています。下落率を見ると、NYダウが最も小さく、NASDAQ100が最も大きい下落となっており、S&P500は真ん中の下落率となっています。

では、株価と密接に関係している「米国10年債利回り」と「VIX指数」についても1週間の動きを見ていきます。

米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)

続いて、米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)とS&P500指数を比較してみましょう。

青がS&P500、オレンジが恐怖指数、紫は米国10年債利回りになります。また今週発表のあった経済指標のタイミングを白の点線で記載しています。見ると「消費者信頼感指数」「雇用統計」の発表タイミングに合わせて、10年債利回りや恐怖指数、S&P500が大きく動いていることが分かります。

VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)

続いて、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)について、今週のパフォーマンスを比較してみましょう。

ティッカー投資対象1週間の
上昇率
VOOS&P500-3.24%
VTI全米株式-3.46%
VT全世界株式-3.37%

今週は、やはりS&P500、全米株式、全世界株式の全てが下落となっています。2週連続の下落です。

下落率の順で見ると、VTI(全米株式)が最も下落率が大きく、最も下落率が小さいのはVOO(S&P500) となっています。今週は米国企業の中でも時価総額が大きい銘柄(S&P500の上位銘柄など)の下落率が、中小型株よりも比較的小さいため、VOOの方がVTIよりも下落率が小さいと考えられます。

この辺りの「VTI(全米株式) vs VOO(S&P500)」や「RUSSELL2000の影響」「全世界株式 vs 米国株」などの比較については、こちらの記事「VT・VTI・VOOの違いを解説」で解説していますので、よければご覧ください。

* あわせて読みたい記事

S&P500(日本円換算)のチャート

S&P500で資産運用する場合、国内の投資信託を用いることが多いかと思います。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが多いかと思いますが、そこで日本円に換算したS&P500のパフォーマンスも見てみましょう。

S&P500と為替の動き

まずは、今週の為替の動きになります。

1週間で見ると、S&P500は「-3.29%」の下落となっていますが、為替(ドル円)は、+1.23%の円安に動いています。為替は円安に動きましたが、S&P500の下落率が今週は大きいので、S&P500(日本円換算)は下落しているということになります。

年初来のS&P500(日本円換算)のパフォーマンス

では次に、S&P500の日本円換算チャートになります。

ちなみに1分足での計算ができないので、日足で2022年1月3日〜2022年9月2日のチャートになります。

今週時点
(W34)
先週時点
(W35)
今週の
下落率
S&P500
(日本円換算)
+1.58%+0.05%-1.53%

S&P500(日本円換算)は、2022年の年初来で見ると、先週末時点では「+1.58%」のプラスとなっていましたが、今週は先週に続き下落したので、今週末時点で「+0.05%」のプラスまで下げてしまってます。

今年は、一時期「-13%程度」の下落となる場面もあったS&P500(日本円換算)ですが、なんとかここまで持ち直してきました。今後も期待です。

ちなみにS&P500の日本円換算が関係あるのは、以下の2つの国内の投資信託をお持ちの方になります。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

S&P500へ投資できる人気の投資信託

少し触れましたが、S&P500に投資できる投資信託は数多く存在します。その中でも、非常に人気度の高い投資信託が2つあります。

* S&P500へ投資できる人気の投資信託

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

これら2つの投資信託は、国内トップの人気を誇る商品であり、生活資金や老後資金の準備のために資産を運用するのに利用される非常に優秀な投資信託になります。

私自身もこれら2つの投資信託を利用して資金の80%程度を運用しています。

なぜ「S&P500」を利用するのか?

S&P500は、米国企業の中から特に優秀な企業を500社を選び算出される指数です。

選ばれるということは、選ばれない/外される企業もあります。つまり常に優秀な企業だけで構成されるのがS&P500になります。

その優秀な500社が1つのパックになったS&P500は、過去100年を振り返っても順調に成長を続けている株価指数になります。

画像:著者作成

なぜ投資信託を利用するのか?

S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。

投資信託の特徴は、「100円から数千円程度の少ない金額から購入できる点」と「分配金を自動で再投資できる点」の2点です。

対して、今回紹介してきた「VOO(S&P500)」や「VTI(全米株式)」などは、米国ETFといい、1株単位での売買となります。1株が数万円程度することからも、購入しにくい点がデメリットとなっています。1株単位の取引なので、分配金が入ってもその分配金で1株購入できない場合や、端数のお金が発生したりします。

少額でも購入でき、分配金はk自動で再投資してくれる投資信託は、複利の力を効率的に発揮できる非常に優れた商品です。

分配金を再投資した場合と、再投資しなかった場合を比較すればその威力がわかります。

* 分配金を再投資する/しないの比較(S&P500)

画像:インデックス投資は勝者のゲーム

分配金を再投資する方が圧倒的に資産の増加スピードが速いことがわかります。

なので十分な資金がありVOOやVTIの分配金(数%)だけで、さらにVOOやVTIを追加購入できるほどの資金力がある方は別ですが、一般の方が効率的に資産運用するためには投資信託を利用して分配金を再投資し複利の力で運用していくことが最も効率がいい運用方法になります。

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まとめ(2022年 W35 のS&P500)

今週のS&P500は、「-3.29%」と下落し、2週連続の下落となりました。S&P500は生活資金や老後資金の準備のために、長期投資を前提に運用している方も多いかと思います。

S&P500(米ドル換算)は、2022年の年初来でまだ10%以上の下落となっていますが、長期投資を前提に運用している方/したい方にとっては、この下落しているタイミングはチャンスと捉えることもできます。

S&P500は「米国のトップ500社からなる非常に優秀な指数で、数年単位で見ると着実に成長している」。これが「S&P500」です。

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