この記事では、2022年 W32(32週目:2022/8/8〜8/12)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
2-3分で読めるかと思います。
この記事では8月2週間(W32:2022/8/8〜8/12)の「S&P500のパフォーマンス」をまとめていきます。
8月第2週目のS&P500は「+3.26%」の上昇となり、4週連続の上昇となりました。
また今週は、最も重要な指数と言える「消費者物価指数」の発表がありました。その内容を受けて、S&P500も影響を受ける場面があったので、解説していきます。
他にも米国株のセクター別のパフォーマンス、S&P500の上位銘柄の上昇率、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)の1週間の比較など、簡単に紹介していきますので、良ければ最後までご確認ください。
※ あくまで投資は自己責任でお願いいたします
S&P500 1週間のニュース(消費者物価指数の発表)

1週間の経済ニュースの中から、S&P500に影響が大きいと思うものをピックアップして紹介していきます。
今週は、以下の1つについて簡単に説明します。
今週は、「7月度の米国消費者物価指数」の発表がありました。その発表後、株価は大きく変化しました。
では、消費者物価指数の発表内容について簡単に紹介していきます。
7月 米国消費者物価指数の発表
そもそも消費者物価指数とはなんなのでしょうか?
米国消費者物価指数とは?
米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数です。CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれ、米労働省が毎月中旬に公表しています。
消費者が購入するモノやサービスなど、総合的に物価がどのように変化しているかを指数として表したものです。
インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されています。
なお、消費者物価指数の中から、変動の激しいエネルギー関連数値や食料品目を取り除いたものを「消費者物価指数コア」といいます。
引用元:SMBC日興証券、楽天証券
「総合的に物価がどのように変化しているかを指数として表したもので、インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されている」ということで、ここ最近は各国物価上昇をいかに抑えるかに全力を注いでいるため、消費者物価指数にはより注目度が上がっている状況です。
7月度の米国消費者物価指数は、日本時間8/10(水)の21時30分に発表されました。
その結果は、以下の通りで、市場予想を上回る結果となしました。
日にち | 7月 消費者 物価指数 | 結果 | 市場 予想 | 先月 |
---|---|---|---|---|
7/13 (水) | 総合 | 8.5% | 8.7% | 9.1% |
7/13 (水) | コア | 5.9% | 6.1% | 5.9% |
7月の消費者物価指数は、市場予想よりも低く、かつ6月の実績に比べても低くなりました。
これよりインフレ圧力が弱まってきていると言う印象が市場に広がり、安心材料として捉えられました。
実際にこの直後、S&P500は大きく上昇し、1.5%以上上昇しました。
* 7月消費者物価指数時のS&P500

ちなみに、消費者物価指数は「総合」と「コア(食品・エネルギーを除く)」の2つの指数があります。コアは、食品分野とエネルギー分野を除いた指数ですが、実際の私たちの生活での買い物は、食品やガソリンなども多いと思いますので、総合の数字を見ておけば問題ありません。
では、続いてS&P500指数のチャートなどを詳しくみていきます。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年 W32)

では、1週間のS&P500のパフォーマンスを見ていきます。
2022年8月8日(月)〜2022年8月12日(金)の5日間が、2022年32週目(W32)のS&P500の週間パフォーマンスです。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、S&P500とは?をご確認ください。
S&P500の週間の上昇率
S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。まずは1分足で、1週間のチャートになります。

日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
8/8 | 月 | -0.12% |
8/9 | 火 | -0.42% |
8/10 | 水 | +2.13% |
8/11 | 木 | -0.07% |
8/12 | 金 | +1.73% |
1週間 | +3.26% |
8/8(月)〜8/12(金)の5日間のうち、今週は水曜日と金曜日のみ上昇となりました。その他の3日間は、0.1%程度の下落となっています。
それら含めて、1週間トータルで見ると、S&P500は「+3.26%」の上昇となっています。
今週の上昇で、S&P500は7/18の週から、4週連続の上昇となっており、ここ最近S&P500は非常に調子がいいです。
S&P500 採用銘柄のヒートマップ
S&P500採用銘柄の時価総額と上昇率を見れる「ヒートマップ」を見てみます。

緑が上昇、赤が下落です。
今週は、ほとんど緑になっており、上昇していることが分かります。
逆に下落している銘柄をみると、JNJ(ジョンソン&ジョンソン)が-3.40%の下落。またNVDA(エヌビディア)も-1.47%の下落となっていますが、今週のS&P500銘柄はほとんどが上昇する結果になりました。
では、次に、セクター別パフォーマンスを詳しく見ていきます。
S&P500 セクター別パフォーマンス
では、セクター別のパフォーマンスを見ていきます。
ここではS&P500採用銘柄だけでなく、比較は米バンガード社のETFのパフォーマンスを使用します。
参考のために、先週のセクター別上昇率も記載しています。
セク ター | ティ ッカ ー | 先週の 上昇率 (W31) | 今週の 上昇率 (W32) |
---|---|---|---|
情報技術 | VGT | +2.35% | +2.58% |
金融 | VFH | +0.07% | +5.54% |
ヘルスケア | VHT | +0.02% | +1.72% |
エネルギー | VDE | -6.55% | +7.76% |
一般消費財 | VCR | +1.39% | +3.62% |
素材 | VAW | -1.43% | +5.62% |
資本財 | VIS | +0.92% | +3.99% |
不動産 | VNQ | -1.65% | +4.51% |
公益 | VPU | +0.13% | +3.45% |
生活必需品 | VDC | +0.27% | +1.24% |
通信 | VOX | +1.92% | +4.32% |
参考 S&P500 | VOO | +0.31% | +3.34% |
エネルギーセクターの上昇が目立ちます。エネルギーセクターは先週は6%以上の下落でしたが、今週は7%以上の上昇となっています。ここ数週上下動が激しくなっています。
その他のセクターでは、1~5%の上昇となっており、これらを平均すると、S&P500の上昇率「3.26%」に近い値になりそうです。
エネルギーセクター以外で上昇率が特に高いのは、「金融」「素材」になります。
逆に低いのは、「ヘルスケア」「生活必需品」セクターが1%台の上昇にとどまっています。
各セクターの日別パフォーマンス
8月8日(月)〜8月12日(金)の各セクターの日々のパフォーマンスをまとめた表になります。

今週最も大きな上昇を見せたエネルギーセクター(VDE)は、毎日上昇してます。その他のセクターは、おおよそ似たような動きとなっており、水曜日と金曜日に大きく上昇したセクターが多いです。
上昇率が低かった「ヘルスケア(VHT)」「生活必需品(VDC)」は、下落率が大きいわけではなく、上昇率が小さいことが原因で、他のセクターよりもパフォーマンスが低くなっていることもわかります。
S&P500 上位銘柄のパフォーマンス
各セクターやS&P500自体にも大きな影響を与える上位銘柄のパフォーマンスを見ていきます。
以下は、米バンガード社のホームページに記載のS&P500指数に連動する米国ETF「VOO」の構成銘柄になります。
8/13時点で公開されている情報ですが、先週の情報は変わらず、上位銘柄の構成割合も変化ありません。
実際には微妙に変化しているが、更新されていないだけという可能性もありますので参考まで。

次にこれらの上位10銘柄の日々の上昇率を見てみましょう。

全体的には日々似たような動きをしていますが、テクノロジー銘柄(アップル・マイクロソフト・グーグル・アマゾンなど)は、水曜日と金曜日に大きく上昇。その他の3日間は微減程度。
テスラは、火曜日と木曜日の下落率が大きい。
ジョンソン&ジョンソンは、上昇率が小さく、木曜日と金曜日の下落率が大きい。
最後にエヌビディアは、決算内容が悪く、月曜日と火曜日に株価が大きく下落。水曜日と金曜日は他の銘柄同様に上昇しましたが、1週間ではマイナスとなる結果。
上位10銘柄に関しては、以上のような動きとなっています。
以上のような日々の動きがありながら、1週間で見たときの上昇率は以下の表の通りです。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 | セクター | |
---|---|---|---|---|
1 | AAPL | アップル | +4.08% | VGT 情報技術 |
2 | MSFT | マイクロ ソフト | +3.18% | VGT 情報技術 |
3 | AMZN | アマゾン | +1.95% | VCR 一般消費 |
4 | GOOGL | アルファ ベットA | +3.58% | VOX 通信 |
5 | GOOG | アルファ ベットC | +3.75% | VOX 通信 |
6 | TSLA | テスラ | +4.12% | VCR 一般消費 |
7 | BRK.B | バークシャ ハザウェイ | +3.25% | VFH 金融 |
8 | UNH | ユナイテッド ヘルスケア | +1.61% | VHT ヘルスケア |
9 | JNJ | ジョンソン & ジョンソン | -3.40% | VHT ヘルスケア |
10 | NVDA | エヌビディア | -1.47% | VGT 情報技術 |
(比較) | S&P500 | +3.34% | ー |
ほとんどの銘柄が上昇して1週間を終える結果になりましたが、ジョンソン&ジョンソンとエヌビディアの2銘柄のみマイナスパフォーマンスで終える結果となっています。
S&P500と他指数の比較

続いて、S&P500と他の指数(NYダウ・NASDAQ100)の比較を行います。
また株価への影響が大きい「為替・10年債利回り・VIX指数」との比較も行っていきます。
NYダウ・NASDAQ100との比較
青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。

指数 | グラフ色 | 上昇率 |
---|---|---|
NYダウ | 黄 | +2.92% |
S&P500 | 青 | +3.26% |
NASDAQ100 | 赤 | +2.71% |
先週は、NYダウのみ下落していましたが、今週はS&P500含む3指数全てが上昇しています。
上昇率は、S&P500のみ3%を超える上昇となっており、残り2指数は2%を超える上昇率となっています。
今週は全セクターのパフォーマンスが良く、最もセクターの偏りが小さいS&P500の上昇率が最も高くなる結果となりました。
米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)
続いて、米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)とS&P500指数を比較してみましょう。

青がS&P500、オレンジが恐怖指数、紫は米国10年債利回りになります。
また今週発表があった「消費者物価指数」の発表のタイミングを矢印で記載しています。
やはり消費者物価指数の発表があったタイミングが最もS&P500の変動が大きくなっています。
このタイミングで、恐怖指数は大きく下落し、米国10年債利回りも大きく下落しています。株価と反対の動きとなりやすい2つの指数が下落したこともあり、S&P500は大きく上昇する結果となりました。実際に水曜日は、S&P500は「2.13%」の上昇となっています。
S&P500(日本円換算)のチャート

S&P500で資産運用する場合、国内の投資信託を用いることが多いかと思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが多いかと思いますが、そこで日本円に換算したS&P500のパフォーマンスも見てみましょう。
S&P500と為替の動き
まずは、今週の為替の動きになります。

1週間で見ると、為替(ドル円)は、-0.94%と円高に動いています。またここでもやはり消費者物価指数の発表タイミングで大きく円高に触れていることが分かります。
年初来のS&P500(日本円換算)のパフォーマンス
では次に、S&P500の日本円換算チャートになります。
ちなみに1分足での計算ができないので、日足で2022年1月3日〜2022年8月12日のチャートになります。

S&P500(日本円換算)は、2022年の年初来で見ると、先週時点では「+2.06%」の上昇となっていましたが、今週のS&P500は3%以上上昇したこともあり、今週末時点で「+4.17%」となっています。
3%以上上昇しましたが、為替で1%程度円高に触れているため、上昇分を相殺されていることもわかります。
今年は一時期-13%程度のマイナスとなる場面もあったS&P500(日本円換算)ですが、なんとかここまで持ち直してきました。今後も期待です。
VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)

最後に、VT vs VTI vs VOO(全世界 vs 全米 vs S&P500)について、今週のパフォーマンスを比較してみましょう。

ティッカー | 投資対象 | 1週間の 上昇率 |
---|---|---|
VOO | S&P500 | +3.34% |
VTI | 全米株式 | +3.50% |
VT | 全世界株式 | +3.25% |
上昇率の順で見ると、 VTI(全米株式) > VOO(S&P500) > VT(全世界株式)となっています。チャートを見ても、VT(全世界株式)の方が全体的に動きが緩やかで、下落幅は小さいですが、上昇幅も大きくないのが分かります。
VTI(全米株式)の方が、VOO(S&P500)よりも、高い上昇率となっているのは、米国株式の小型株の上昇率が高かったためです。
実際に小型株2000社から構成される「RUSSELL2000指数」の今週のパフォーマンスは「+4.93%」となっており、S&P500の上昇率(+3.26%)よりも高くなっています。
VTI(全米株式)は、簡単に言えば「S&P500にも含まれる大型株+中小株(RUSSELL2000銘柄など)」で構成されているため、VTIはRUSSELL2000にも含まれる小型株の上昇率の恩恵を受けたと言えます。
この辺りの「VTI(全米株式) vs VOO(S&P500)」や「RUSSELL2000の影響」「全世界株式 vs 米国株」などの比較については、こちらの記事「VT・VTI・VOOの違いを解説」で解説していますので、よければご覧ください。
(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
* S&P500の国内投資信託2選
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば、三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
>>参考記事①:【2022年】SBI証券クレカ積立を徹底解説!
>>参考記事②:「7年間米国株投資を続ける私がおすすめするネット証券2社」
まとめ(2022年 W32 のS&P500)
今週のS&P500は、「+3.26%」と大きく上昇しました。これで4週連続の上昇となりました。
しかしS&P500(米ドル換算)だと、2022年はまだ10%以上の下落となっています。
S&P500は生活資金や老後資金の準備のために、長期投資を前提に運用している方も多いかと思います。長期投資を前提に運用している方/したい方にとっては、この下落しているタイミングはチャンスと捉えることもできます。
長期投資には、SBI証券×三井住友カード(NL)の組み合わせが非常に強力です。
S&P500は「米国のトップ500社からなる非常に優秀な指数で、数年単位で見ると着実に成長している」。これが「S&P500」です。