この記事では、2022年 W22(22週目)の週間パフォーマンスを簡単に解説していきます。
おそらく、2-3分あれば十分読めるかと思います。
S&P500指数と、他指数の比較。10年最利回り・為替の動きの解説。
またS&P500のセクター別パフォーマンスの紹介、上位銘柄の日々の上昇率、VIX指数の確認を簡単に行なっていきますので、さくっと最後までご確認いただけると嬉しいです。
S&P500 1週間の目立ったニュースなど

まずは今週(5/30~6/3)の米国市場のイベントを見ていきます。
米国経済指標の発表
今週は、いくつか重要な米国経済指標の発表がありました。
日にち | 米国経済指標 | 結果 | 市場予想 | 先月 |
---|---|---|---|---|
6/1(水) | 5月 ISM製造業 景況感指数 | 56.1 | 54.5 | 55.4 |
6/3(金) | 5月 米雇用統計 | 39万人増 | 32.2万人増 | ー |
・5月 ISM製造業景況感指数
市場予想を上回る結果となり、「米国市場は底堅い」という考えが広がっています。
・5月 米雇用統計
こちらも市場を上回る結果。発表直後に、金利が大きく上昇し、株価は下落傾向となりました。
いずれにせよ、各数値が市場予想を超える結果となり、「米国経済はまだまだ堅調だ」という認識は広がりました。それを受けて、米国10年債利回が上昇し、それを嫌がる形で各株価が下落することが多かった1週間となりました。
では、チャートなどを詳しくみていきます。
S&P500 1週間のパフォーマンス(2022年5月 W22)

2022年5月30日〜2022年6月3日(W22)のS&P500指数の週間パフォーマンスを見ていきます。
※ ちなみに、S&P500指数について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
上昇率
続いて、S&P500指数の1週間の上昇率を見てみましょう。
まずは15分足で、1週間のチャートになります。

ちなみに、5/30(月)は戦没者追悼記念日のため試乗はお休みとなっていました
次に、毎日の上昇率を表にまとめます。
日付 | 曜日 | 上昇率 |
---|---|---|
5/30 | 月 | (※休場) |
5/31 | 火 | -0.63% |
6/1 | 水 | -0.75% |
6/2 | 木 | +1.84% |
6/3 | 金 | -1.63% |
1週間 | -1.19% |
木曜日は大きく上昇していますが、その他の日は下落しています。
6/1(水)に「5月 ISM製造業景況感指数」、6/3(金)に「5月 米雇用統計」の発表があり、先ほども述べた通り、いずれも市場予想を上回る結果となりました。
それを受けて、米国10年債利回りが大きく上昇しました。その影響を受けて両日ともに株価指数は下落しています。

ヒートマップ
続いて、S&P500を構成する銘柄の1週間のヒートマップを見てみます。
2022/5/27(金)~2022/6/3(金)の上昇率になっています。5/27(金)はどの銘柄も大きく上昇したため、この期間の上昇率を見た場合、1週間パフォーマンスは上昇している銘柄(緑の銘柄)が多いことがわかります。

※マップが更新されたら、2022/5/30(月)~2022/6/3(金)のものに入れ替えます。
セクター別パフォーマンス
次に、 S&P500指数のセクター別パフォーマンスを見ていきます。
まずは、セクター別の毎日の上昇率を比較します。

6/2は全体的に上昇していますが、それ以外は全セクター下落傾向です。
VDE(エネルギーセクター)のみ6/1,6/3に上昇しているのが特徴的です。
ETF別の1週間パフォーマンスを表にまとめます。
セクター | ティッカー | 上昇率 |
---|---|---|
情報技術 | VGT | -1.06% |
一般消費財 | VCR | -0.15% |
ヘルスケア | VHT | -2.86% |
生活必需品 | VDC | -1.50% |
素材 | VAW | -0.88% |
公益 | VPU | -1.22% |
資本財 | VIS | +0.26% |
通信 | VOX | -0.96% |
不動産 | VNQ | -2.02% |
金融 | VFH | -1.83% |
エネルギー | VDE | +1.34% |
1週間のパフォーマンスを見ても、エネルギーセクター(VDE)のみが高い上昇を見せていることがわかります。
実際に、S&P500指数と、エネルギーセクター(青線)のみを比較しても、エネルギーセクターの方が上昇率は高くなっています。

gafam+TN
最後にS&P500指数の大部分の割合を占めているトップ銘柄のパフォーマンスを見ておきましょう。
ちなみに6/3(金)時点の、S&P500の上位構成は、以下の7銘柄となっています。
ティッカー | 銘柄名 | 1週間の上昇率 (概算) |
---|---|---|
AAPL | アップル | -2.31% |
MSFT | マイクロソフト | -0.73% |
GOOGL | アルファベット (グーグル) | +2.60% |
AMZN | アマゾン | +6.92% |
TSLA | テスラ | -6.90% |
NVDA | エヌビディア | -0.04% |
FB | メタ・プラットフォーム | -1.84% |
今週のパフォーマンスを見てみましょう。毎日の上昇率をざっくりまとめたヒートマップです。


7銘柄(GAFAM+TSLA+NVDA)の今週1週間のパフォーマンスを見ると、アマゾンは大きく上昇しています。一方でテスラは大きく下落していることがわかります。
またグーグル(アルファベット)も上昇していますが、アップルは下落。
銘柄によって、明暗が分かれる1週間となっています。
これらの銘柄は、1株の価格が高く個別では購入しにくい銘柄もありますが、そのような方にはLINE証券の利用が便利です。米国株を0.1株から取引できるサービスがありますので、気になる方は以下の記事などをご覧ください。
S&P500指数の1ヶ月のパフォーマンス

2022年5月1日からの1ヶ月のS&P500指数のチャートを見てみます。

一番左が、5/1。一番右が6/3になります。
5月の前半は少し上昇したものの、その後後半あたりまで下落が続いています。しかし5/22頃から反発し始め、少しづつ下落幅を取り返している状況です。
他指数との比較

青がS&P500指数、黄色がNYダウ、赤がNASDAQ100指数となります。
NYダウが最も下落幅が小さく、続いてS&P500、最も下落幅が大きいのはNASDAQ100指数となっています。
やはり10年債利回りの上昇に伴い、ハイテク銘柄の方が売られやすく、ハイテク銘柄から多く構成されているNASDAQ100指数の方が下落幅が大きい展開となっています。
その点、S&P500は、NYダウとNASDAQ100との間のパフォーマンスとなっており、非常にバランスが取れた指数とも言えます。
10年債利回り・為替・VIX指数

最後に、S&P500指数にも影響が大きい3つの指数についても、今週のパフォーマンスを確認しておきます。
3つの指数は、「S&P500 VIX指数」「10年債利回り」「為替」です。
順に見ていきます。
S&P500 VIX指数
S&P500 VIX指数は一時的に上昇する場面もありましたが、1週間で見ると下がっています。

10年債利回り
日本時間6/1の夜、6/3の夜に10年債利回りが大きく上昇しています。
「5月 ISM製造業景況感指数」「5月 米雇用統計」の発表があったタイミングです。
10年最利回りの上昇と連動する形で、S&P500指数も下がっていることがわかります。

為替(ドル-円)
為替の方もみてみます。
こちらも10年最利回りと連動するタイミングで、ドル高・円安となっていることがわかります。
米国10年最利回りが上がると、日本国債ではなく米国国債の方がお得になります。
(日本国債はほとんど上昇しないため)
そのため、日本国債を売って米国国債を購入するために、日本円を売って米国ドルが買われます。
なので、円安・ドル高に進むことになります。

(参考)S&P500 へ投資できる人気の投資信託

1週間のS&P500のパフォーマンスを見てきましたが、そんなS&P500に投資する方法はいくつかあります。
詳しくは、「S&P500とは?」の記事で紹介していますが、ここでは投資信託のみ簡単に紹介します。
S&P500連動の「投資信託」
S&P500に投資する際におすすめなのが投資信託です。
各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から、購入手数料は無料で購入できる点です。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
おすすめ①:投資信託 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、後の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりも低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。
SBI証券であれば三井住友カード(NL)との組み合わせが非常に強力です。
おすすめ②:投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入できない、楽天証券やLINE証券でも購入可能なS&P500の投資信託が、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になります。
まとめ(2022年 W22 のS&P500)
今週のS&P500指数は、「-1.19%」となりました。
先週末(5/27)に大きく反発したため、その反動で下がっている可能性と、米国10年債利回りの上昇の影響を受けていると考えられます。
10年債利回りは、今週発表のあった「5月 ISM製造業景況感指数」「5月 米雇用統計」の結果が市場予想を上回ったことで上昇圧力がかかり、実際に上昇しました。
次週は最も影響力の大きいとも言える「5月 消費者物価指数(CPI)」の発表があり、引き続き注目が必要です。
* 全世界株式/全米株式/S&P500のパフォーマンスの比較