米国株投資

【22年9月】SBI・V・S&P500とeMAXIS Slimの比較

ここ数年、資産運用の重要性が日本国内でも言われており、「全世界株式」や「米国株」を用いて運用している人も多いかと思います。そのなかで最も有名な株価指数とも言える「S&P500」について、解説していきます。

また「S&P500」で資産運用している方の多くが、以下の国内の投資信託を利用していると思います。なので、この記事では、以下2つの投資信託のパフォーマンスに加え、S&P500のパフォーマンスを解説していきます。

  1. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  2. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

解説と言っても色々あるので、先にこの記事で紹介する内容を簡単に紹介すると、以下になります。

  • 22年9月の「S&P500指数」の動き
    (セクター別、上位銘柄のパフォーマンス)
  • 22年9月の「SBI・V・S&P500」の動き
  • 22年9月の「eMAXIS Slim S&P500」の動き
  • 「SBI・V」と「eMAXIS Slim」の比較
  • 「S&P500」と「全世界株式・他」の比較
  • S&P500が長期投資に向いている理由

では、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「S&P500指数」について、詳しく見ていきましょう。

もしこれから「米国株」や「全世界株式」で資産運用を始める方は、以下の記事が参考になるかもしれません。証券会社は、SBI証券マネックス証券が初心者でも使いやすく、コストが安い投資信託の取り扱いがあるので、おすすめです。

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S&P500の動き(2022年9月)

初めに「S&P500指数」の2022年9月のパフォーマンスを振り返っていきます。

2022年9月の「S&P500指数」は、「-9.34%」の下落となりました。この下落率は非常に大きく、22年の中では最大です。過去に1ヶ月で「-9.34%」以上下落したのは、20年3月のコロナショックの時(-12.51%)まで遡ります。その前だと2008年10月のリーマンショックの時(-16.94%)となります。

それほど2022年9月のS&P500指数の下落率は、大きい値となります。では1ヶ月のS&P500指数のチャートを見てみます。

*2022年9月のS&P500指数

22年9月の1ヶ月間のS&P500指数の動きを見ると、前半は順調に上昇で始まっていました。しかし中旬〜後半にかけてずるずると下落が続きました。分岐点が2つあります。

  • ①:消費者物価指数(8月)の発表(9/13)
  • ②:FOMC・パウエル議長の講演(9/22)

実際にチャートもそこを起点に、下落に切り替わり、その後数日に渡り下落が続いていることが分かります。結果的に、9/13以降S&P500は下落が続き、1ヶ月で見ると「-9.34%」の下落となりました。

米国10年債利回り・VIX指数(恐怖指数)との比較

次に、S&P500指数と「米国10年最利回り」「VIX指数(恐怖指数)」を比較してみます。

基本的に、比較する2つの指数は、上昇すれば株式(S&P500)にとっては不利な状況となる指数です。特に、VIX指数(恐怖指数)は、投資家の心理状態を示す指数として非常に重要な指数です。VIX指数が上昇すれば、投資家の心理としては「恐怖度が上昇している」と捉えられます。

* 10年債利回り・恐怖指数との比較

これらの指数も、「消費者物価指数の発表」と「パウエル議長の会見」時に上昇しており、特にVIX指数は大きく急上昇していることが分かります。これらのイベントが9月は大きな起点となっており、そこを機に投資家心理が冷え込み株式が売られる展開になっていることが分かります。

S&P500 日々の上昇/下落率まとめ

では続いて、「S&P500」の「2022年9月」の「日々の上昇率」を整理していきます。

・W35:8/29~9/2

日付曜日上昇率
8/29-0.67%
8/30-1.10%
8/31-0.78%
9/1+0.30%
9/2-1.07%
1週間-3.29%
表:著者作成

・W36:9/5~9/9

日付曜日上昇率
9/5
9/6-0.41%
9/7+1.83%
9/8+0.66%
9/9+1.53%
1週間+3.65%
表:著者作成

・W37:9/12~9/16

日付曜日上昇率
9/12+1.06%
9/13-4.32%
9/14+0.34%
9/15-1.13%
9/16-0.72%
1週間-4.77%
表:著者作成

・W38:9/19~9/23

日付曜日上昇率
9/19+0.69%
9/20-1.13%
9/21-1.71%
9/22-0.84%
9/23-1.72%
1週間-4.65%
表:著者作成

・W39:9/26~9/30

日付曜日上昇率
9/26-1.03%
9/27-0.21%
9/28+1.97%
9/29-2.11%
9/30-1.51%
1週間-2.91%
表:著者作成

* 9月パフォーマンスまとめ

上昇率
W35(9月1週)-3.29%
W36(9月2週)+3.65%
W37(9月3週)-4.77%
W38(9月4週)-4.65%
W39(9月5週)-2.91%
9月トータル-9.36%

日々の上昇率を見ると、最も大きい下げ率は9/13の「-4.32%」であり、この日は消費者物価指数の発表があった日になっています。週間の上昇率でみると、9月第2週目のみ上昇していますが、その他の週は、いずれも3%程度、それ以上の大きな下落となっています。

この結果1ヶ月で「-9.34%」の下げとなっています。8月も4%以上の下落となっているため、S&P500指数は2ヶ月連続での下落となっています。

S&P500 セクター別上昇/下落率

ではここで、米国株のセクター別のパフォーマンスを見てみましょう。

ここでの比較は、米バンガード社のセクター別米国ETFのパフォーマンスで比較しますので、厳密には数字が少し異なる可能性がありますが、ご理解ください。大まかな比較は問題なくできると思います。

* 2022年9月の米国株セクター別増減率

セクターティッカー2022年
9月
増減率
2022年
8月
増減率
情報技術VGT-12.00%-5.65%
金融VFH-8.47%-1.94%
ヘルスケアVHT-3.39%-5.40%
エネルギーVDE-10.49%+3.20%
一般消費財VCR-8.67%-4.22%
素材VAW-10.65%-3.15%
資本財VIS-10.39%-2.65%
不動産VNQ-13.80%-6.01%
公益VPU-11.92%+0.29%
生活必需品VDC-8.96%-1.56%
通信VOX-12.50%-3.47%
参考
S&P500
VOO-9.60%-4.13%

9月は全セクターが下落しています。さらにヘルスケアセクター以外は、8%以上の下落の非常に大きい下落となっています。ヘルスケアセクターのみ3%程度の下落で済んでいます。

ちなみにS&P500に連動する「VOO」は、9.6%の下落となっており、VOOよりも下落率が小さいのは、「金融」「ヘルスケア」「一般消費財」「生活必需品」の4セクターのみです。それ以外は10%を超える下落となっています。

S&P500 上位10銘柄の構成割合

500社全て紹介することはできませんが、S&P500指数を算出する際に、高い割合で組み入れられている上位10銘柄を確認します。

実際には微妙に変化しているが、更新されていないだけという可能性もありますので参考までに、米バンガード社のS&P500に連動する米国ETF「VOO」の構成銘柄の上位10銘柄を見ていきます。

* 9月のVOO(S&P500)の上位10銘柄

No.銘柄22年8月
構成割合
22年9月
構成銘柄
増減
1アップル7.12%7.16%+0.60%
2マイクロソフト5.98%5.79%+0.02%
3アマゾン3.36%3.29%+0.48%
4アルファベット A1.99%1.92%-0.04%
5アルファベット C1.84%1.79%-0.03%
6テスラ2.13%2.05%+0.38%
7バークシャ・
ハザウェイ
1.55%1.50%+0.02%
8ユナイテッド
・ヘルス
1.45%1.44%-0.04%
9ジョンソン&
ジョンソン
1.31%1.26%-0.14%
10エクソン・
モービル
1.19%
エヌビディア1.30%
上位10銘柄の割合28.03%27.39%-0.64%

※に記載の項目に関して、9月の上位10銘柄は先月まで10位であった「エヌビディア」が上位10銘柄から外れ、「エクソン・モービル」がランクアップしています。

22年9月のS&P500指数の上位10銘柄の割合は、27.39%となっており、前月比で-0.69%の低下となっています。前述の通り、エヌビディアは11位にランクダウン、代わりにエクソン・モービルが10位にランクアップしています。その他をみると、構成割合が上昇しているのは「アップル」のみとなっています。

S&P500 上位10銘柄の上昇/下落率

続いて、S&P500の「上位10銘柄の1ヶ月の上昇率」を見ていきます

*S&P500 上位10銘柄の2022年8月の上昇率

ティッカー銘柄名2022年
9月
増減率
2022年
8月
増減率
セクター
1AAPLアップル-12.10%-3.24%VGT
情報技術
2MSFTマイクロ
ソフト
-10.93%-6.86%VGT
情報技術
3AMZNアマゾン-10.86%-6.06%VCR
一般消費
4GOOGLアルファ
ベットA
-11.62%-6.96%VOX
通信
5GOOGアルファ
ベットC
-11.81%-6.42%VOX
通信
6TSLAテスラ-3.76%-7.25%VCR
一般消費
7BRK.Bバークシャ
ハザウェイ
-4.91%-6.59%VFH
金融
8UNHユナイテッド
ヘルスケア
-2.75%-4.24%VHT
ヘルスケア
9JNJジョンソン
&
ジョンソン
+1.25%-7.55%VHT
ヘルスケア
10XOMエクソン
・モービル
-8.66%VDE
エネルギー
NVDAエヌビディア-16.90%VGT
情報技術
(比較)S&P500-9.34%-4.24%

上位10銘柄の2022年9月の上昇/下落率を見ると、ジョンソン&ジョンソン以外下落となっています。逆にこれだけ下落している中で上昇しているジョンソン&ジョンソンはすごいですね。

他の銘柄を見ると、6位〜10位の銘柄はS&P500指数よりも下落率は小さくなっていますが、上位5銘柄は全て10%以上の下落となっており、S&P500指数よりも下落率が大きくなっています。

S&P500 日本円換算チャート

冒頭でも言いましたが、S&P500に投資している方の多くは、国内の証券会社を通し、投資信託を買って運用している方が多いと思います。

そこで22年9月のS&P500の日本円換算チャートも確認しておきます。

* S&P500指数(日本円換算)チャート

日足のチャートになっていますが、8/31の終値と9/30の終値を比較すると、S&P500(日本円換算)の9月の増減率は「-5.66%」の下落となりました。ドル換算の通常のS&P500指数が「-9.34%」であったのに対し、下落幅が小さくなっています。これは為替(円安)の影響によるものです。

S&P500(日本円換算)が5.66%も下落したのは、22年では初めてで、最近だとコロナショックの20年3月まで遡らないと同程度の下落はありませんでした。それほど今月のS&P500の下落幅は大きかったと言えます。

一方でS&P500指数に投資し資産運用している方は、長期投資を前提にしていると思います。長期投資の場合、毎月・毎週・毎日・決まった金額を購入していることが多いかと思います。その場合、下落局面では同じ金額で多くの投資信託の口数を購入できるため、将来的には上昇幅を期待できるといった捉え方もできます。

そういった長期投資を行う場合、最近ではクレジットカード決済を利用した自動積立設定が便利で利用者が増えています。中でも、「SBI証券」と「三井住友カード(NL)」の組み合わせが便利です。初心者にも利用しやすい「SBI証券」と、普段の買い物でも利便性が高い「三井住友カード(NL)」だと長く使用することができます。詳しくは、「SBI証券クレカ積立を徹底解説」の記事をご確認ください。

SBI・V・S&P500の動き(2022年9月)

画像:SBI証券

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドについて、簡単に紹介しておきます。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(以下、SBI・V・S&P500)は、S&P500指数への連動を目指す投資信託です。SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの仕組みを図式化すると、以下のような仕組みになっています。

* SBI・V・S&P500のファンドの仕組み

画像:著者作成

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入した私たちは、間接的に米国ETFであるVOOに資金が投入されます。運用を単純化することで、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドだけでなく、SBI・Vシリーズの投資信託は業界最安値の運用コストを実現しています。

「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」について、詳しく知りたい方は、SBI・V・S&P500の解説記事をご確認ください。

基準価格・純資産額の増減率(22年9月実績)

またSBI・Vシリーズの特徴は、低コストだけではありません。以下の表に、先週末時点のファンドの特徴、仕様をまとめておきます。

* SBI・V・S&P500の22年9月の増減率

ファンド情報22年
8月31日
時点
22年
9月30日
時点
増減
基準価格17,794円16,999円-795円
(-4.48%)
純資産額650,423
百万円
642,297
百万円
-8126
百万円
(-1.25%)
信託報酬0.094
%/年程度
隠れコスト0.011%
実質コスト0.105%/年
表:著者作成

2022年9月の「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、基準価格が「-4.48%」の下落となりました。また純資産総額は「-1.25%」の減少です。

S&P500(日本円換算)は5.77%の下落だったので、それに比べると若干下落率は小さくなっていますが、国内の投資信託の基準価格と、S&P500指数は時差があるので、その影響と考えられます。

運用コスト(実質コスト)に関しては、月間で変わるものでは無いので変化ありません。ちなみにSBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コストは「0.105%/年」となっています。これは非常に安い水準です。SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、コストが業界最安値であり、またVOOからの配当金を効率よく内部で自動投資してくれるため、複利の力で資産を効率よく運用することができます。

SBI・V・S&P500について、もっと詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をあわせて読んでみてください。

eMAXIS Slim S&P500の動き(2022年9月)

画像:三菱UFJ国際投信

続いて、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)についても、簡単に紹介しておきます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信が運用するS&P500指数への連動を目指す国内の投資信託です。eMAXIS Slim シリーズは、S&P500だけでなく、様々な種類のファンドがあり、非常に人気も高く、コストも安いため、多くの方が既に利用されているファンドです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のファンドの仕組みは以下の通りです。

* eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のファンドの仕組み

画像:著者作成

私たちの資金は、三菱UFJ信託銀行に一度集められたあと、米国株式市場のS&P500指数に連動する商品や個別株などに、S&P500指数と同じ動きになるように資金が振り分けられ運用されていきます。

SBI・V・S&P500が米国ETF「VOO」を利用しているのとは異なり、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は米国の個別株で実際に分散投資していることが特徴です。

基準価格・純資産額の増減率(22年9月実績)

最新のファンド情報を見ておきましょう。

* eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のファンド情報

ファンド情報22年
8月31日
時点
22年
9月30日
時点
増減率
基準価格19,637円18,548円-869円
(-4.48%)
純資産額1,486,778
百万円
1,422,680
百万円
-64,098
百万円
(-4.31%)
信託報酬0.097
%/年程度
売買委託
手数料
0.004%/年
隠れコスト0.011%/年
実質コスト0.112%/年
表:著者作成

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)についても、基準価格と純資産総額の変動をみてみます。2022年9月のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、基準価格が「-4.48%」の下落となっています。純資産総額は「-4.31%」の下落です。

基準価格の下落率は、SBI・V・S&P500と同じですが、純資産総額の減少率はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が大きくなっています。後ほど比較します。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コストは「0.112%/年」となっており、若干SBI・V・S&P500より高くなっていますが誤差の範囲です。ほとんど同じと考えて問題ありません。

では、それぞれのファンド情報はこの程度にして、比較していきましょう。

もしeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)について詳しく知りたい方は、以下のeMAXIS Slim S&P500の解説記事をご確認ください。

「SBI・V・S&P500」vs「eMAXIS Slim S&P500」

では「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の基準価格・純資産総額の増減率を比較してみます。2022年9月の1ヶ月間の増減率です。

ファンド情報SBI・V
S&P500
eMAXIS Slim
S&P500
基準価格
の増減
-4.48%-4.48%0.00%
純資産額
の増減
-1.25%-4.31%3.06%
信託報酬0.094%0.097%
売買委託
手数料
0.004%
隠れコスト0.011%0.011%
実質コスト0.105%0.112%
表:著者作成

SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500の二つを比べると、9月の基準価格の下落率は全く同じとなっています。下落率は「-4.48%」です。微妙にファンドの仕組みが異なるので、全く同じというのも珍しいですが、S&P500指数への連動を目指すという点では、同じ方針を持つ国内投資信託なので、同じでも不思議ではありません。

純資産総額を見ると、SBI・V・S&P500は1.25%の減少ですが、eMAXIS Slim S&P500は4.31%の減少となっており、少し差がついている印象です。以前から、これら2つの投資信託の純資産総額の増減は負っているのですが、SBI・V・S&P500の方が変動幅は小さく、eMAXIS Slim S&P500の方が変動幅が大きい印象です。SBI・V・S&P500へ投資している方の方が、長期投資を前提にしており、eMAXIS Slim S&P500は比較的短期的に売買している方も多いことも考えられます。

「SBI・V」「eMAXIS Slim」「S&P500」「為替」の比較

では、「SBI・V・S&P500」「eMAXIS Slim」と「S&P500」「為替」の増減率を比較しましょう。

SBI・V
S&P500
eMAXIS
Slim
VOO
S&P500
為替
ドル円
8/30$366.03
8/3117,794円19,417円138.63円
9/29$333.38
9/3016,999円18,548円144.81円
変化量-795円-869円-$32.65+6.18円
変化率-4.48%-4.48%-8.92%+4.46%

S&P500指数は、国内投資信託の基準価格と日にちがずれるので、表内には国内投資信託の算出に使用される日のVOO(S&P500)の数値のみ記載しています。

先ほども紹介した通り、SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500の下落率は共に「-4.48%」となっています。これらの投資信託の基準価格の算出に使用されるS&P500指数は、前日の値が使用されるます。前日のS&P500指数の変化率に加えて、当日朝10時ごろ発表される為替レートをもとに基準価格が算出され、夜21-22時ごろに発表されます。

では、前日のS&P500指数の変化率と、為替レートを足し合わせてみましょう。「-8.92%」+「+4.46%」を計算すると、「-4.46%」となります。この「-4.46%」は、SBI・V・S&P500やeMAXIS Slim S&P500の下落率である「-4.48%」とほぼ一致します。このようにSBI・V・S&P500とeMAXIS Slim S&P500の基準価格は決定されています。

9月の基準価格も、S&P500指数の変動と為替の変動から算出される値にほぼ一致する結果となっていることが分かりました。

2022年9月は、SBI・V・S&P500もeMAXIS Slim S&P500も4.48%の下落となりましたが、長期投資を前提にしている場合、自動つみたて購入などを設定している方も多いかと思います。

「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で運用する場合、三井住友カード(NL)を利用するとポイント還元があり実質のコストをさらに押し下げることが可能です。年会費も無料なので、デメリットもほとんどないのでおすすめです。

「S&P500」vs「全世界・新興国・高配当」

SBI・Vシリーズの投資信託の比較

では、せっかくなので、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが有名な「SBI・Vシリーズ」の投資信託について、他のファンドの週間パフォーマンスもみていきましょう。

* SBI・Vシリーズの9月の上昇/下落率

ファンド8/31
基準価格
9/30
基準価格
増減9月の
増減率
S&P500
(VOO)
17,794
16,999
-795
-4.48%
全米株式
(VTI)
11,362
10,835
-527
-4.64%
全世界株式
(VT)
10,415
9,882
-533
-5.12%
米国高配当
(VYM)
12,872
12,465
-407
-3.16%

9月のSBI・Vシリーズの投資信託は、すべてのシリーズが下落しています。下落率を見ると、最も大きいのは全世界株式です。逆に最も下落率が小さいのは、高配当株式になっています。S&P500や全米株式は、その間という感じです。

高配当株式を除くと、S&P500が最も下落率が小さくなっており、S&P500が優秀な指数であることが分かります。高配当株式とS&P500の比較に関しては、こちらの記事「SBI・V・米国高配当株式(VYM)投資信託を紹介。VOOと比較」で詳しく書いていますが、結論としては長期投資をこなう場合、S&P500指数の方がパフォーマンスは圧倒的に高いです。

全世界株式(VT)・全米株式(VTI)・S&P500(VOO)の比較については、以下の記事で詳しく行なっているので、そちらを参考にしてください。

eMAXIS Slimシリーズの比較

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が有名な「eMAXIS Slimシリーズ」の投資信託についても、他のファンドの週間パフォーマンスもみていきましょう

ファンド8/31
基準価格
9/30
基準価格
増減9月
増減率
S&P50019,417
18,548
-869
-4.48%
全世界株式
オールカントリー
16,909
16,016
-893
-5.28%
新興国株式12,799
11,822
-977
-7.63%

eMAXIS Slimシリーズは、「S&P500」「全世界株式(オール・カントリー)」「新興国株」を比較してみます。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、非常に人気が高い投資信託です。これら2つの先週1週間の下落率は、「-4.48%」と「-5.28%」となっており、ここでもS&P500指数の方が下落率は小さくなっています。

また新興国株式を見ると、「-7.63%」と非常に下落率が大きくなっています。全世界株式は、簡単にいうと「米国株式+先進国株式+新興国株式」なので、そのうち新興国株式の下落率が大きくなると、米国株式単体であるS&P500指数の下落率が最も小さくなるのも当然の結果と言えます。

これら「SBI・Vシリーズ」や「eMAXIS Slimシリーズ」の投資信託は、国内でも2強の人気投資信託シリーズであり、低コストで扱いやすく、初心者にもおすすめの投資信託です。これらの投資信託で資産運用するには、「SBI証券」か「マネックス証券」がおすすめのネット証券会社になります。

理由は、SBI・Vシリーズの投資信託の取り扱いがあることと、クレジットカード決済で運用ができ、ポイントによる還元があるためです。クレカ決済すると、投資信託の購入金額の0.5~1.1%のポイント還元を受けることができ、実質的な投資コストを削減することが可能です。

特に「SBI証券×三井住友カード(NL)」の場合、当サイト経由で三井住友カード(NL)に入会すると2000円相当のポイントがプレゼントされるキャンペーンを行なっていますので、是非ご活用ください。

S&P500が長期投資に向いている理由

まず前提として、S&P500で資産運用する方は「生活資金」や「老後資金」の準備に長期的に投資する方が多いと思います。生活資金や老後資金に限らず、資産運用は長期投資が重要です。長期投資が重要な理由は以下になります。

  • 世界経済は長期的に見ると成長を続けている
  • 一時的に下落しても長期であれば高い確率で資産が上昇できる
  • 複利の力で大きく資産を成長させれる

米国株式が今後も成長していく理由

しかしいつまでも経済成長が続かないと指摘する声もあります。

実際に日本は人口減少に伴い、経済成長の勢いが低下しており、欧州においても同じような傾向が見られます。一方で米国に関しては、移民によって今後も人口増加が予測されており、今後も経済成長が続く先進国とも言われています。つまり米国の株式市場は、これまでもこれからも世界経済を牽引していく可能性が高いと市場関係者から言われています。

そんな米国の株式市場も、時には大きく下落する場面もあります。例えば、2000年頃のITバブルや、2008年頃のリーマンショック、2020年3月のコロナショックの時は大きく下落しました。今後も一時的には大きく下落することも十分にあり得ます。しかし一度下落しても「米国株式」は、過去に例外なく力強く復活を遂げてきました。実際に過去のS&P500指数のチャートを見ると、下落後も復活していることが分かります。

* 1950年頃〜2022年までのS&P500指数のチャート

以上から、米国株式は今後も成長を続ける可能性が高く、一時的に下落する場面があっても長期投資をしていればまた回復してくれるということが分かります。なので、長期投資には「米国株式」がおすすめと言えます。

もちろん全世界株式での運用でも問題ありません。全世界株式の約50-60%は米国株式が組み入れられています。しかし残りの40-50%は、米国以外の先進国と、新興国が組み入れられています。

ここで意見が分かれるのが「米国以外の先進国株式」です。米国以外の先進国は経済成長率がそれほど高くありません。つまり株式市場の成長率もそれほど高くなく、分散という意味で全世界株式を購入する以外にメリットは小さいという意見もあります。「米国株式」vs「全世界株式」は意見が分かれますが、全世界株式の半分以上は米国株式であるので、ご自身の好みで選択しても問題ありません。

米国株式の中で「S&P500」がおすすめの理由

そんな米国株式市場の中でも、「S&P500」は長期投資に向いています。S&P500の他には、「全米株式」も選択肢に挙げられますが、S&P500がおすすめの理由は以下です。

  • 世界中の投資家が好んでおり、安定している
  • 過去100年以上の間、上昇を続けている実績がある
  • 米国企業4000社の中から、その時に優秀な500社を自動的に選んでくれる
    → 衰えてきた企業は、勢いある企業と入れ替えられる
    → 非常に安定したパフォーマンスを実現可能
  • 優秀な500社のみで構成されているので、下落相場に比較的強い

以上がS&P500がおすすめの理由ですが、もちろん全米株式(VTI)でも問題ありません。

実際に、S&P500(VOO)と全米株式(VTI)の差はそれほど大きくありません。ただ若干ですが、以下のような特徴があります。

  • S&P500(VOO)は、比較的下落相場に強い
  • 全米株式(VTI)は、比較的上昇率が高い
    理由:全米株式は中・小型銘柄を含むため

細かいデータの比較は、「VT・VTI・VOOの違いを解説」や「VTIとVOOはどっちがおすすめ?」の記事で紹介していますので省略しますが、S&P500と全米株式を比較すると、上記のような差が過去のデータからは見られるということは理解しておきましょう。

「SBI・V・S&P500」「eMAXIS Slim S&P500」の買い方

最後に、これまで紹介してきた「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の買い方を紹介しておきます。

SBI・V・S&P500やeMAXIS Slim S&P500を購入できる主要なネット証券会社は、以下の通りです。

SBI V
S&P500
eMAXIS Slim
S&P500
便利さ安心度
SBI証券
マネックス証券
楽天証券×
LINE証券×

eMAXIS Slim S&P500は、基本的に多くの証券会社で購入することができます。しかしSBI・V・S&P500は「SBI証券」や「マネックス証券」でしか購入できません。

「SBI・V・S&P500」は「eMAXIS Slim S&P500」よりもさらに低コストで、S&P500の投資信託の中で最も低いコストであるのが特徴です。

さらに、「SBI証券」や「マネックス証券」はクレジットカード決済が可能となっています。クレカ決済で購入した投資信託(SBI・V・S&P500など)は、購入金額の0.5%~1.1%のポイント還元を受けることができ、実質コスト(0.1%前後/年)をさらに節約することができます。

特に「SBI証券×三井住友カード(NL)」の場合、当サイト経由で三井住友カード(NL)に入会すると2000円相当のポイントがプレゼントされるキャンペーンを行なっていますので、是非ご活用ください。

まとめ(S&P500 2022年9月)

この記事では、2022年9月の「S&P500指数」のパフォーマンス・上昇/下落率を紹介しました。またS&P500指数と同じパフォーマンスを目指す「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のパフォーマンスに関しても解説しました。

S&P500指数は、2022年9月歴史的に見ても大きな下落となり、厳しい局面が続いていますが、数年単位で見ると着実に成長しているのが「S&P500」です。つまり長期投資を前提としている方にとっては、下落局面はチャンスと捉えることもできます。生活資金や老後資金を準備するために、毎月コツコツS&P500など米国株を購入している方も多いかと思いますが、SBI・V・S&P500やeMAXIS Slim S&P500は非常に低コストであり、長期での資産運用には適したファンドと言えます。

もっと実質コストを節約したい方は、「SBI証券」や「マネックス証券」のクレジットカード決済を利用し、ポイント還元サービスを受けることをお勧めします。「SBI証券×三井住友カード(NL)」の場合、当サイト経由で三井住友カード(NL)に入会すると2000円相当のポイントがプレゼントされるキャンペーンを行なっていますので、是非ご活用ください。

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オムタンケ|FP1級保有銀行員の「お金」の話
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