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【新興国・米国ETF検討② 】MSCI エマージング・マーケット・インデックス について分析

※この記事には、最新版の別の記事があります

より新しい情報、詳しい情報を記載していますので、良ければそちらをご覧ください

>>最新記事「VWO・EEM・IEMGを比較。新興国株ETFはどれがおすすめ?」

 この記事は、前回ご紹介した「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」とは異なる、新興国株価指数である「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」についてご紹介します。

 ※前回の記事:https://omtanke11.com/sinkokoku-etf-vwo/

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MSCI エマージング・マーケット・インデックスの特徴

 「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」とは、新興国市場をカバーしている株価指数であり、MSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出しています。

 この株価指数は、新興国26ヵ国の大型株と中型株を対象としており、約1400銘柄で構成されています(2020年6月時点の数値)。

 つまり、前回ご紹介した「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」と異なり、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」には小型株が含まれていない株価指数ということになります。

新興国株式市場の
時価総額のカバー率   
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ
(含む中国A株)・インデックス
約99%
MSCI エマージング・マーケット・インデックス    約85%
MSCI エマージング・マーケッツ・IMI インデックス約99%

 ちなみに、同じMSCI社が算出している新興国株価指数で、小型株も含む指数として、「MSCI エマージング・マーケッツIMI インデックス」があります。これに関しては、次回の新興国株ETFの記事で取り上げることにします。

 ※「MSCI エマージング・マーケッツIMI インデックス」については、こちらの記事をどうぞ

構成国比率(2020年12月31日時点)

 MSCIに記載のデータを下の表にしたので、ご確認ください。

       構成国比率    
中国39.09%
韓国13.46%
台湾12.75%
インド9.25%
ブラジル5.1%
その他22%

 ここで注目なのが、「韓国」です。

 前回ご紹介した「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」には、含まれておらず、本インデックスには韓国が含まれています。多くがサムスンだと思われます。

構成銘柄比率(上位10銘柄)

       構成銘柄比率 セクター
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.5.89%台湾テクノロジー
Alibaba Group Holdings ADRTencent Holdings Ltd.5.59%中国一般消費・サービス
Tencent Holdings Ltd.5.30%中国情報サービス
Samsung Electronics Co.4.52%韓国テクノロジー
Meituan B1.73%中国一般消費・サービス
Naspers N1.14%南アフリカ一般消費・サービス
Reliance Industries0.98%インドエネルギー
JD.com ADR0.96%中国一般消費・サービス
China Construction Bank H0.93%中国金融
Ping An Insurance Group Co. of China Ltd.0.93%中国金融

 やはりサムスンが上位に食い込んでいることがわかります。その他の企業は、FTSEの方と大きくは変わらない印象です。

セクター比率

       セクター比率
テクノロジー20.48%
一般消費・サービス18.34%
金融17.96%
情報サービス11.63%
材料7.56%
小売・流通5.86%
エネルギー5.02%
ヘルスケア4.74%
工業4.34%
不動産2.05%
公共(電気・ガス・水道)2.02%

 やはり、情報・サービスなどのIT分野が多くを占めていることがわかります

MSCI エマージング・マーケット・インデックス」に投資するには?

 結論、「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)」です。詳しくみていきましょう。

iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)

MSCI エマージング・マーケット・インデックス」との連動を目指しているファンドは、「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)」があります。以下にブラックロック社の商品説明を抜粋しておきます。

  • iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)は、新興国の大型および中型株式で構成される指数と同等の投資成果を目指しています。

EEMの特徴

 iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)の特徴は、新興国株式市場の大型・中型株に一度に分散投資できるという点になります。VWOに比べ、韓国の割合が高く投資することができます。但し、経費率が0.70%とVWOに比べ、若干高いのが弱点かと思います。

iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)
ベンチマーク   MSCI エマージング・マーケット・インデックス
売買手数料証券会社毎
経費率0.70%
売買単位1株(2021年1月19日現在、$52.53/1株)
純資産総額$30.26 B (2021年1月19日現在)
上場市場NYSE Arca

EEMの国別構成比(ベンチマーク指数の比較)

 次の表は、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」と、
「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)」の構成銘柄の国の割合を表したものです。

 ほとんど一致していることがわかります。また中国・台湾・インドのアジア圏で約60%以上を占めていることがわかります。

国(市場)     EEM   ベンチマーク指数
中国39.38%39.09%
韓国13.51%13.46%
台湾13.44%12.75%
インド9.02%9.25%
ブラジル4.77%5.1%

EEMの組み入れ銘柄 上位10銘柄

 以下の表は、iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)の組み入れ上位10銘柄を示したものです。※ブラックロック社HPからデータを確認(2021年1月19日時点)

       EEM   株価指数  セクター
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.6.59%5.89%台湾テクノロジー
Alibaba Group Holdings ADRTencent Holdings Ltd.5.80%5.59%中国一般消費・サービス
Tencent Holdings Ltd.5.69%5.30%中国情報サービス
Samsung Electronics Co.4.49%4.52%韓国テクノロジー
Meituan B1.89%1.73%中国一般消費・サービス
Naspers N1.20%1.14%南アフリカ一般消費・サービス
Reliance Industries0.94%0.98%インドエネルギー
JD.com ADR0.94%0.96%中国一般消費・サービス
China Construction Bank H0.93%0.93%中国金融
Ping An Insurance Group Co. of China Ltd.0.93%0.93%中国金融

EMM以外の新興国インデックスは?

 iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)以外の新興国ETFで代表的なものは、
以下の2つになります。これらのETFの比較については、別記事でまとめていますので、気になる方は、
チェックしてみてください。

  • iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF(IEMG)
  • バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)

他インデックスとの比較

 ETFの話から戻しますが、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は、新興国株の大型・中型に幅広くカバーしている株価指数であり、全体の約85%をカバーしています。

 他のインデックスは、同じMSCI社の指数で小型株も含む「MSCI エマージング・マーケッツIMI インデックス」や、同様に小型株を含む「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」があります。

 なので、今回紹介した「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は、新興国株の大型・中型株に集中投資したい方におすすめな株価指数になるかと思います。

まとめ

 この記事では、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」について、紹介しました。

 本インデックス(株式指数)は、大型株・中型株からなる指数であることが特徴、また韓国株式の割合が高いことも特徴かと思います。また新興国株式時価総額の85%をカバーしている指数になります。

 また本インデックスに投資する方法として、iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(EEM)をご紹介いたしました。

 このETFは、日本から唯一「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」へ投資するためのETFになります。

 新興国株への投資を検討されている方で、大型・中型株に集中投資したい方は、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

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