この記事では、これまで個別に紹介してきた新興国ETF、3つを比較していきます。
こんな方に読んでいただきたい
- 新興国について知りたい
- 新興国関連のETFについて知りたい
- 新興国(米国ETF)について比較したい!情報を整理したい!
米国で人気のある3大新興国ETFについて
これまで米国および世界経済の成長を牽引してきた巨大IT企業(FAANG+M)ですが、バイデン政権では事業分割を視野に規制強化が進むことも予想されています。
これらの巨大企業はS&P500を占める割合も高く、規制が入った時にリスク分散のために、現在、新興国への投資が再び注目され始めています。
日本から購入できる米国ETFで、新興国へ投資する際、大きく3つのETFが存在します。
シンボル | 銘柄名 | 純資産 総額 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 過去1年間 騰落率 | 過去5年間 騰落率 | |
VWO | バンガード・FTSE・ エマージング・マーケッツ ETF | $101B | 約5000 | 0.10% | 1.76% | +25.01% | +110.51% | |
EEM | iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF | $30B | 約1200 | 0.70% | 1.33% | +27.81% | +117.08% | |
IEMG | iシェアーズ ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF | $77B | 約2500 | 0.11% | 1.72% | +27.75% | +116.78% |
※騰落率:株式や投資信託・ETFが「一定期間内にどれだけ値上がり・値下がりしたか」を知るために、配当や分配金を考慮した価格の変化率を計算したもの。手数料や税金を考慮していないため実際の運用損益とは異なります。今回はSBI証券に記載の数値を記載(2021年01月27日時点)
VWO:バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF
VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)は、簡単に言えば、最も多くの銘柄を含み(韓国割合少なめ)かつ、最もコストが安い新興国ETFです。
銘柄数は、IMEGの約2倍の約5000銘柄を含んでおり、大型株から中型小型株まで幅広く同時に投資できるETFです。
コスト(信託報酬)関しても、IMEGの0.11%に対し、微々たる差ですが、0.10%と最も低コストなETFとなっています。
なので、短期というよりも中長期で新興国ETFを取り入れたい方はVWOも検討する価値があるかと思います。
また以下の記事で、VWOについてはベンチマーク指数の紹介とともにご紹介しているので、詳しくはご確認ください。
EEM:iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF
EEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)は、簡単に言えば、小型株を含まない、新興国ETFになります。
その分銘柄数は、VWOの約1/4の1200銘柄を含むETFです。またコストを見ても、0.70%と比較的高いです。
ただしiシェアーズシリーズは、韓国企業の割合が高く、「Samsung」等を取り入れたい方はこれらのETFを選ぶといいでしょう。特にこのEEMは、IEMGに比べ、Samsungの割合が更に高くなっています。
また以下の記事で、EEMについてはベンチマーク指数の紹介とともにご紹介しているので、詳しくはご確認ください。
IEMG:iシェアーズ ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF
IEMG(iシェアーズ ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF)は、簡単に言えば、VWOに韓国企業を加えた小型株を含む新興国ETFになります。
IEMGは、韓国企業を含むETFであり、構成割合は12%程度になります。韓国企業を含み、小型株も含む一方で、銘柄数はVWOの半分程度の約2500となっています。半分ですが十分の分散効果は得られると思います。
またコストもVWOとほぼ同等の0.11%と低く、VWOとIEMGの違いは、「韓国企業の割合」と言えるでしょう。これに関しては、好みもあるかと思いますので皆さんの好みに合わせて選ぶといいでしょう。
VWO・EEM・IMEG の違いを簡単に整理
これまでご紹介した内容を踏まえ、差がある重要な項目のみ、もう一度簡単に比較します。
この表さえ見てもらえれば、3つの主な新興国ETFについて理解できると思います。
コスト | 銘柄数 | 株の種類 | 韓国の割合 | おすすめする人 | |
VWO | 0.10% 最安値 | 約5000 | 大型・中型 小型 | 無し | とにかく幅広く、分散投資したい方 とにかく低コストがいい方 → 中長期で新興国に投資したい方向け |
EEM | 0.70% 最高値 | 約1200 | 大型・中型 | 12-13% | 小型株が不要な方 コストが高いが、最も騰落率が高いため → 短期でリターンを狙いたい方向け |
IEMG | 0.11% 安い | 約2500 | 大型・中型 小型 | 12-13% | VWOと比較し特徴は韓国企業の割合のみ → 韓国企業も含めて幅広く投資したい方向け |
VWO・EEM・IEMG を買ったときのシミュレーション
※解析が間に合っておらず、準備出来次第、記事化いたします。
【米国ETF】新興国 ETF のおすすめはどれか
おすすめの新興国ETFは、「VWO」
先ほど表で違いについてまとめましたが、私は「VWO」をおすすめします。
その理由は? → 3つの理由を解説
理由ですが、①小型株も含んでいること、②コストが安いこと、③韓国企業の割合が少ないこと、が挙げられます。
理由①:小型株を含んでいる
小型株を含むETFの方が分散効果が高く、結果的にトータルパフォーマンスが高くなるといったアノマリーがあるからです。
理由②:低コスト
新興国への投資を検討されている方の多くは、中長期的な投資を考えられている方が多いと思います。その場合、やはり低コストは必須項目になるかと思います。
理由③:韓国企業が少ない
韓国は日本同様に今後人口が減少していく国です。経済は人口に比例し成長していく部分も大きいため、韓国に投資する分をインドや中国、ブラジルなどに投資する方がリターンが高いと考えているからです。
以上の理由から、私は新興国への投資をVWOで行うことにしています。
実際に、2021年1月に持っていたアップル株を30%程度売却し、全てVWOに移動させました。
アップルは今後も安泰かと思いますが、新興国にも分散させておきたく、今回色々調べた結果、VWOが最も効率がいいと判断しました。

これらのETFを購入するには?
方法として、3つあるかと思います。国内の投資信託・国内ETF・海外(米国)ETFです。
今回紹介したETFは、全て米国ETFですが、同じインデックスに連動するものを探せば、投資信託での投資も可能です。
私は、米国ETFを利用していますが、理由は低コスト・流通量が国内より多く売買がしやすいことが挙げられます。
ちなみにこれまでご紹介して生きた3つの米国ETFの新興国銘柄は、全てSBI証券で購入できます。また楽天証券でも3つとも購入可能です。その他の証券会社については、ご自身でお調べください。
VWO | EEM | IEMG | |
SBI証券 | ○ | ○ | ○ |
楽天証券 | ○ | ○ | ○ |
まとめ
今回は米国市場に上場しているETFのうち、新興国へ投資できる3つの主な新興国ETFを紹介しました。
それぞれ特徴があるため皆さんの状況に応じて使い分けていただけるとと思っています。私はVWOを最近購入しました。理由は低コスト、銘柄数・その内容から判断しています。
今後コロナの影響もあり、市場がどのように動くか全く想像できませんが、そんな時こそ分散投資の効果が現れやすくなるかと思います。なので、新興国だけじゃなく、様々な分野へ分散させることをお勧めいたします。
このブログでは、他にも様々な比較・シミュレーションを行なっています。良ければご確認ください。
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