投資信託

SBI・V・S&P500の実質コストを解説(2022年版)

「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」で資産運用を考えているけど、実際の実質コストが知りたい。

SBI・V・S&P500の詳しい運用コストを簡単に解説してほしい

この記事では、上のような質問に答えるために、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」の実質コストについて解説していきます。

※2022年11月25日にデータ更新

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、最も人気のある投資信託の一つであり、皆さんもつみたてNISAや普段のつみたて投資で利用している方も多いと思います。

しかし、「SBI・V・S&P500」や「eMAXIS Slim」などの投資信託の実際の実質コストをきちんと把握している人は少ないと思います。

なので、この記事では、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの運用会社であるSBIアセットマネジメント社が出す「SBI・V・S&P500の運用報告書」の中から、実質コストについて解説していきます。

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【結論】SBI・V・S&P500の実質コストは「0.104%/年」

先に結論を述べると、

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コストは、「0.104%/年」です。

前運用期間から比べ「0.001%/年」安くなりました。

最新のSBI・V・S&P500の実質コスト

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの最新の報告書は、2021年9月15日〜2022年9月14日分の内容となっており、その報告書から実質コストを見ると、以下の通りです。

運用期間実質コスト
第1期
(2019/9~2020/9)
0.110%/年
第2期
(2020/9~2021/9)
0.105%/年
第3期:最新
(2021/9~2022/9)
0.104%/年
※SBI・V・S&P500
の信託報酬
0.094%/年

一般的に、投資信託のコストは、証券会社や運用会社のホームページなどに「信託報酬」が相当します。しかし、実際は信託報酬以外にも諸々必要なので、若干高くなります。それが実質コストになります。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの最新の実質コストは「0.105%」であり、「信託報酬(0.094%/年) + 約0.010%/年」となっています。

この「0.011%/年」が投資信託の隠れコストと呼ばれるもので、隠れコストに信託報酬を足したのが実質コストとなります。後ほど詳しく解説します。

他にも以下のような記事を書いているので、気になる方は参考にしてください。

そもそもSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとは?

そもそもSBI・V・S&P500インデックス・ファンドについて、もう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

銘柄・チャート・メリット・デメリット・仕組み・内容などを詳しく紹介しています。

運用報告書から実質コストを解説(2022年9月発表:第3期)

では最近の「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」の運用報告書の中身を詳しくみていきましょう。

運用報告書は、SBIアセット・マネジメント社のホームページに公開されています(下の画像の通り)。

「運用報告書」とは、最も詳しい内容まで含んだ報告書です。図中の②に示すファイルです。

それとは別にある「交付運用報告書」は、SBI証券やマネックス証券などの各証券会社の中でも公開されている報告書になっており、一部の内容は省略された簡単でみやすい報告書になっています(①)。

今回は、②の最も詳しく書かれているの運用報告書で、実質コストを紹介していきます。

「運用報告書」から「実質コスト」を確認

早速ですが、実質コストを見ていきます。

運用報告書に「1万口あたりの費用明細」が記載されています。手数料などどれだけかかったかを具体的な数字を報告してくれています。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの第3期の手数料は、以下の通りです。

項目金額比率
期間中の
平均基準価格
16,691円
1. 信託報酬11円0.064%
2. 売買委託手数料0円0%
3. 有価証券取引税0円0%
4. その他費用2円0.010%
5. 合計13円0.074%

これを見ると、合計は「0.074%/年」となります。

しかし実際は、SBI・V・S&P500の実質コストは「0.105%/年」となります。

米国ETF「VOO」で運用する「SBI・V・S&P500」

運用報告書を見ると0.074%となっていましたが、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは個別に株式を運用しているわけではなく、米バンガード社が運用する米国ETF「VOO:バンガード・S&P500 ETF」を購入することでS&P500指数へ連動させて運用しています。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを運用には、米国ETF「VOO」の運用コストも必要となります。つまり以下の通りです。

項目金額比率
期間中の
平均基準価格
16,691円
1. 信託報酬11円0.064%
2. 売買委託手数料0円0%
3. 有価証券取引税0円0%
4. その他費用2円0.010%
(5. 合計)(13円)(0.074%)
6. VOOのコスト5円0.030%
7. 実質コスト約18円0.104%

上の表で示す値が、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コストの内訳になります。

一部の数値は四捨五入しているため、微妙に数字が合わない場合があります。

具体的な金額で言うと、

この手数料が算出された2020年9月15日〜2021年9月14日の約1年間の平均基準価格は、「13,423円」なので、実質コストをかけると「16,691円 × 0.104% = 17円~18円」となります。

この約18円が、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入して、1年間運用した場合に係る実際の手数料となります(第3期実績)。

運用コストはどの投資信託でも必要ですが、実質コストが0.104%/年というのは、業界最安値となっています。たった18円、されど18円、考え方や捉え方は人それぞれですが、少なくともSBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、国内の投資信託の中ではトップクラスに安い手数料になっています。

「SBI・V・S&P500」vs「eMAXIS Slim S&P500」

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コストは「0.104%/年」とわかりました。

同じ、S&P500で運用できる人気の投資信託は、もう一つあります。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。

どちらの方が実質コストが安いのでしょうか?

実質コストの比較

eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
SBI・V・S&P500
信託報酬0.097%/年0.094%/年
実質コスト0.112%/年0.104%/年

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コストも同じように運用報告書で確認できます。

2つを比較すると、ほとんど同じですが、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの方が若干だけ実質コストが安いことがわかります。

安いと言っても、「0.008%/年」です。仮に100万円運用していたら、80円だけSBI・V・S&P500インデックス・ファンドの方が実質コストが安いことになります。

ちなみにeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コストに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

「SBI・V・S&P500」を買うときに「ちょっと得する方法」

SBI・V・S&P500を買う時に、ちょっとだけ得をする方法があるので参考までに紹介します。

まずは、SBI・V・S&P500の取り扱いのある証券会社を紹介します。

SBI・V・S&P500は、SBI証券やマネックス証券で購入できますが、楽天証券では購入できません。

取り扱いSBI・V
S&P500
eMAXIS Slim
S&P500
SBI証券
マネックス証券
楽天証券×
LINE証券×

ここでは、SBI・V・S&P500の買い方について解説していきますが、既にeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で運用している場合でも、わざわざSBI・V・S&P500インデックス・ファンドに変更する必要はありません。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)での運用で十分なのでそれを継続していきましょう。

クレカ決済で購入金額の最大1%をポイント還元してもらう

現在、投資信託をクレジットカード決済で購入し、資産を運用するというのが増えています。例えば、以下のような証券会社でクレジットカード決済が取り入れられています。

証券会社クレジットカードポイント還元率
SBI証券三井住友カード0.5%~1%
マネックス証券マネックスカード1.1%
楽天証券楽天カード0.2%
(※)
LINE証券

上の表のように、主要なネット証券会社はクレジットカードで「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」といった投資信託を購入することが可能です。

SBI証券では「三井住友カード(NL)」、マネックス証券では「マネックスカード」、楽天証券では「楽天カード」を使用することが可能です。

楽天証券は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合は「0.2%」の還元となります。

以上から、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドやeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を購入する場合、「SBI証券×三井住友カード(NL)」、「マネックス証券×マネックスカード」のいずれかで、クレカ決済すると少しお得に資産運用をすることが可能です。

まとめ

この記事では、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コストを解説しました。

2021年9月15日〜2022年9月14日の第二期の運用報告書によると、SBI・V・S&P500の実質コストは「0.104%/年」でした。これはeMAXIS Slim S&P500よりも0.008%/年安いコストになります。

「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim S&P500」の比較については、以下の記事が参考になります。

また、さらに実際のコストを少しでも下げたい方は、「SBI証券×三井住友カード(NL)」や「マネックス証券×マネックスカード」を組み合わせクレカ決済で購入すると、1%前後のポイント還元を受けることができるのでお得に資産運用することが可能です。

三井住友カード(NL)は、スタバやマクドナルドなど普段使いでも非常に活躍するクレジットカードなので、まだお持ちでなければこれを機に検討してみてはいかがでしょうか。

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オムタンケ|FP1級保有銀行員の「お金」の話
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