初めての資産運用米国株投資

NYダウとは?米国市場の最も有名な指数を解説。連動する投資信託・国内/米国ETFを紹介

 この記事では、米国株式市場でも最も有名な指数の一つである「NYダウ」について解説します。

 「新聞やニュースでよく聞く NYダウ って一体なに?」「株式市場を表す指数の意味や活用方法を教えて欲しい」という方々に対し、この記事で疑問に答えていきます。

この記事のまとめ
  • 「NYダウ」とは、一体なにかを解説
  • 「NYダウ」の過去のパフォーマンスを分析
  • 「NYダウ」に投資する場合の手段を6つ紹介
  • 「NYダウ」に投資する場合のおすすめ銘柄を2つ紹介

 この記事を書いている ふぃたろう は、2016年から現在に至るまで6年間、米国株へ投資を行っている会社員兼ブロガーです。今回は、近年国内でも注目が高まっている米国株への投資の中でも最も有名な「NYダウ」について解説していきます。

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NYダウとは?

 NYダウとは、米国企業の30社の株価から算出される指数であり、正式名称はダウ・ジョーンズ工業株価平均と言います。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出する米国の代表的な株価指数です。

NYダウの特徴

 世界経済の中心である米国の株式市場には世界中の優良企業が上場しており、NYダウは世界の景気や経済の先行きを測る指標として世界中の投資家から注目を集めています。

 NYダウは、30銘柄で構成されているのが特徴で、時価総額・名声・投資家からの関心・持続的成長などの特性から厳選された銘柄のみで構成されます。

 たった30銘柄から成る「NYダウ」ですが、これが米国経済の縮図と言える重要な指数になります。

(参考)他の米国株価指数
  • S&P500指数:米国企業500銘柄から算出
  • ナスダック総合指数:NASDAQ取引所に上場している全銘柄から算出
  • ナスダック100指数:金融除く時価総額トップ100銘柄から算出
  • NYダウ:30銘柄から算出

NYダウの算出方法

 NYダウの算出方法は、以下のようにシンプルです。

NYダウの算出方法

 NYダウ = 構成銘柄の株価合計 ÷ 銘柄数(30) ÷ 除数

 除数は急激な変動や誤差を避けるために用いられる数値で、状況に応じて調整されます。

 NYダウは各銘柄の平均値を取った指数であるため、各銘柄の株価に左右されやすい特性があることを理解しておきましょう。

NYダウのセクター別構成比

 NYダウは全部で9セクターに分類されています。それぞれの構成割合は以下の通りです。

No.セクター構成比率
1情報技術(Information Technology)21.8%
2ヘルスケア(Health Care)16.9%
3工業(Industrials)16.7%
4金融(Financials)16.2%
5一般消費財(Consumer Discretionary)13.4%
6生活必需品(Consumer Staples)7.3%
7通信(communication services)4.4%
8エネルギー(Energy)2.0%
9材料(Materials)1.2%

 米国経済の縮図とも言える「NYダウ」は、各セクターバランスよく組み込まれております。

 S&P500指数と比較すると、S&P500のテクノロジーセクターの割合が約27%なので、NYダウは全体的に分散された指数であることが分かります。

NYダウの全構成銘柄(30銘柄を紹介)

 NYダウに採用されている全30銘柄を紹介します。ティッカーシンボルのアルファベット順に記載しています。

No.企業名(ティッカー)
1アップル(AAPL)
2アムジェン(AMNG)
3アメリカン・エクスプレス(AXP)
4ボーイング(BA)
5キャタピラー(CAT)
6セールスフォース・ドットコム(CRM)
7シスコシステムズ(CSCO)
8シェブロン(CVX)
9ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)
10ダウ・ケミカル(DOW)
11ゴールドマン・サックス・グループ(GS)
12ホーム・デポ(HD)
13ハネウェルインターナショナル(HON)
14IBM(IBM)
15インテル(INTC)
16ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
17JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)
18コカ・コーラ(KO)
19マクドナルド(MCD)
203M(MMM)
21メルク(MRK)
22マイクロソフト(MSFT)
23ナイキ(NKE)
24プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
25トラベラーズ(TRV)
26ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)
27ビザ(V)
28ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
29ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)
30ウォルマート(WMT)

 NYダウに採用されている銘柄は、米国企業にも関わらず、日本人の私たちの生活に溶け込んでいる商品やサービスを提供している銘柄が多いです。

 世界中でビジネス展開している超有名企業で多くが構成されているのが「NYダウ」になります。

なぜ「NYダウ」は重要な指数なのか

 NYダウに採用される基準は、明確なルールが存在せず、時代の流れや社会情勢を踏まえ銘柄の妥当性を検討し、必要に応じて不定期に入れ替えが行われています。

 しかし選ばれた銘柄は、以下のような特徴があります。

NYダウ銘柄の特徴
  • 企業の評判が良いこと
  • 持続的に成長し続けていること
  • 投資家が高い関心を示す企業であること
  • 米国で創立し、本社を構えていること
  • 適切な業種配分を維持できること

 NYダウは、常に世の中の流れに合わせて構成銘柄を入れ替えられることで、有益な指数であり続けられるよう工夫されています。 

NYダウのパフォーマンス

NYダウの長期チャート比較

 ここでは米国4大株価指数を比較します。「NYダウ」「S&P500指数」「NASDAQ100指数」「NASDAQ総合指数」の4つです。

 またグラフは、1985年2月1日(※)〜2021年3月末までのものになります。

 過去のチャートで見ると、ハイテク銘柄が多いNASDAQ指数が高い成長率を見せています。

 しかし注目したいのが「NYダウ」は「S&P500指数」よりも高いパフォーマンスを見せている点です。

 NYダウは、各セクターがバランスよく構成されていることで、下落相場でも最も安定したパフォーマンスとなっており、成長局面でもアップルやマイクロソフトなどのテクノロジー企業が牽引することで、トータルでS&P500より高い成長を見せていると考えられます。

NYダウ vs S&P500 vs 日経平均株価

 NYダウを、S&P500と日本の株式(日経平均株価)を比べると、どうなるのか見てみましょう。

引用元:「月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資, 太田創著

 NYダウを、日本の代表的な指数である「日経平均株価」と、「S&P500指数」のチャートを比較すると、まず日経平均株価はほとんど成長していないにも関わらず、米国の株価指数の2つは大きく成長していることが分かります。

 NYダウとS&P500は僅差に見えますが、NYダウの方が高いパフォーマンスを見せていることが分かります。

“NYダウ”に投資する方法(投資信託とETFを紹介)

 NYダウに投資する手段は、大きく3つあります。

NASDAQ100指数へ投資する手段
  1. 「投資信託」を購入する
  2. 「国内ETF」(国内市場に上場している投資信託)を購入する
  3. 「米国ETF」(米国市場に上場している投資信託)を購入する

 3つの手段どれで投資しても、NYダウに連動するのでパフォーマンスは大きく変わりません。

 しかし各手段で、「手数料・運用コスト」と「購入する際の手間」が異なります。

 特に運用コストは、指数のパフォーマンスが同じでも、最終的に私たちの手元に残る資産額が変わりますので注意が必要です。

NYダウへ連動する”投資信託”

 NYダウへ投資できる投資信託は、各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。

NYダウへ投資できる”投資信託”
  1. 三菱UFJ国際 – eMAXIS NYダウ インデックス
  2. 大和 – iFree NYダウ・インデックス

 投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から購入手数料は無料で購入が可能であるため、投資初心者の方など、とにかく少額から資産運用できる点が特徴です。

また「NYダウへ投資する投資信託」は、つみたてNISA制度を利用して投資することが可能です。

eMAXIS NYダウ
インデックス
iFree NYダウ
・インデックス
運用コスト0.66%0.2475%
総資産額24,165百万円27,051百万円
1年リターン+38.95%+39.59%

 簡単に2つの投資信託を比較します。

総資産額

 総資産額は多い方がより多くの人から多くの投資資金が集まっていると言えますが、この2つでは大差ありません。

過去1年のリターン

 過去1年のリターンも大きな差はありません。

運用コスト

 差があるのは、運用コストになります。「大和-iFree NYダウ・インデックス」の方がeMAXISよりも半分以下の0.2475%となっており、メリットがあると考えられます。

 NYダウに連動する投資信託は、2つともパフォーマンスが変わらないので、コストが安い「大和-iFree NYダウ・インデックス」をおすすめします。

NYダウに投資できる”国内ETF”

 国内ETF(国内上場投資信託)に関しても、いくつか商品が販売されています。今回はその中の2つの国内ETFを紹介します。

NYダウに連動できる”国内ETF”
  1. NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信 (1546)
  2. SimpleSimple‐XNYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信 (1679)
  3. 上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり (2562)

 国内ETFでのおすすめ銘柄は、3番の「上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)」です。

 理由は運用コストが、3つの中で最も低い0.33%となっているためです。但し、為替ヘッジがある商品なので、不要な方は1番のNEXT FUNDSの国内ETFを選びましょう。

国内ETFとは?

 そもそもETFとは、Exchange Traded Fundの略で、訳すと「上場投資信託」となります。

 つまり国内ETFとは、日本国内の株式市場に上場している投資信託であり、株式同様に指定した金額で売買が可能な商品です。

 ETFは、運用コストが安いことが一つの特徴でしたが、最近販売されている投資信託は、国内ETFに負けないレベルで運用コストが安いため、ここ数年は国内ETFはメリットが少なくなってきています。

 実際に「大和-iFree NYダウ・インデックス」は運用コストが0.2475%で、どの国内ETFより安いので、国内ETFより投資信託の方が良さそうです。

NYダウへ投資できる”米国ETF”

 米国ETFの特徴としては、米国市場に上場している投資信託を購入するため、米国ドルを準備する必要があります。もしくは為替手数料を払うことで日本円決済も可能です。

 少し面倒ですが、為替交換を自分で行えば、米国ETFはとにかく運用コストが安いのが特徴です。

 日本の証券会社を通して購入できるNYダウに連動するの米国ETFは、主に1つしかありません。

NYダウへ投資できる”米国ETF”
  1. SPDR ダウ工業株平均ETF(ティッカー:DIA)

 米国ETFである「SPDR ダウ工業株平均ETF(DIA)」の運用コストは、0.16%と投資信託や国内ETFに比べても、最も安くなっています。

NYダウへ投資する際のおすすめ銘柄

No.銘柄種類コスト分配金
再投資
1三菱UFJ国際
eMAXIS NYダウ インデックス
投資信託0.66%可能
2大和
iFree NYダウ・インデックス
投資信託0.2475%可能
3NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ
工業株30種平均株価連動型
上場投信
国内ETF0.495%不可
4SimpleSimple
‐XNYダウ・ジョーンズ・
インデックス上場投信
国内ETF0.55%不可
5上場インデックスファンド
米国株式(ダウ平均)
為替ヘッジあり
国内ETF0.33%不可
6SPDR ダウ工業株平均ETF米国ETF0.16%不可
NYダウ おすすめ銘柄
  1. 大和iFree NYダウ・インデックス(投資信託)
    理由:コストが安く、100円から投資可能、分配金再投資が可能、手間もかからない
  2. SPDR ダウ工業株平均 ETF(米国ETF)
    理由:最も低いコスト

 NYダウへ投資する際のおすすめ銘柄は2つです。

 少額から投資が可能・為替の手間もない・分配金再投資が可能な投資信託のメリットは大きいので、個人的には投資信託をオススメします。特に初心者の方は投資信託がいいと思います。

購入可能
証券会社
1. 大和iFree
NYダウ・インデックス
2. SPDR
ダウ工業株平均 ETF
SBI証券
マネックス証券
楽天証券
LINE証券××

 それ以外の方は、ご自身の好みに合わせて選択することができると思いますので、ご検討してみてください。

まとめ

 この記事では、NYダウについて解説しました。

 NYダウは、長期的にも非常に安定した成長を見せている指数で、長期で見ると最も有名な指数である「S&P500」をも上回るパフォーマンスを見せています。

 しかし投資する際の商品数はS&P500よりも少なくなっています。

 以下に本記事のまとめを記載します。

この記事のまとめ
  • NYダウは、厳選された30銘柄の株価から算出される
  • 幅広いセクターでバランスよく構成されており長期的にも非常に安定している
  • NYダウへ投資する方法は、3つ(投資信託・国内ETF・米国ETF)
  • 投資信託は、「大和iFree NYダウ・インデックス」が最も運用コストが安い
  • 国内ETFは、運用コストメリットが薄れてきており、投資信託の方がトータル利用しやすい
  • 米国ETFは、「SPDR ダウ工業株平均 ETF(DIA)」の1つしかない

 この記事は以上になります。この記事の続きは以下の記事になりますので、気になる方はご覧ください。

【参考】米国株(NYダウや個別株)の情報メディア -モトリーフール

 Motley Foolは、1993年に設立されたバージニア州アレクサンドリアを拠点とする民間の金融および投資アドバイス会社です。最近日本語版がリリースされ、日本でも人気が上昇しています。

 日本で人気が上昇している理由は、NYダウ・S&P500などの米国株のパフォーマンスや過去の分析データを配信してくれるためです。

画像:モトリーフールHP、著者撮影
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