この記事では、米国株式市場でも有名な指数である「NASDAQ100指数(ナスダック100指数)」について解説します。
「米国株の投資でよく聞くNASDAA100(ナスダック100指数)って一体なに?」「株式市場を表す指数の意味や活用方法を教えて欲しい」という方々に対し、この記事で疑問に答えていきます。
- NASDAQ100指数とは、一体なにかを解説
- NASDAQ100指数の過去のパフォーマンスを分析
- NASDAQ100指数に投資する場合の手段を6つ紹介
- NASDAQ100指数に投資する場合のおすすめ銘柄を2つ紹介
この記事を書いている ふぃたろう は、2016年から現在に至るまで6年間、米国株へ投資を行っている会社員兼ブロガーです。今回は、近年国内でも注目が高まっている米国株への投資の中でも最も有名な「NASDAQ100指数」について解説していきます。
NASDAQ100指数(ナスダック100指数)とは?
NASDAQ100指数(ナスダック100指数)とは、ナスダックと呼ばれる米国の証券取引所に上場する、金融銘柄を除く、時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数です。
つまりNASDAQ100指数は、米国で最も勢いのある時価総額が高い企業100社のパックになります。
NASDAQ(ナスダック、National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に設立された世界初の電子株式取引所です。
このNASDAQ100指数を構成する代表的な銘柄は、近年話題が絶えない「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業5社になります。
GAFAMの近年の成長は、世界で最も優れた数字となっており、この5社が中心であるNASDAQ100指数も高いパフォーマンスを見せています。
GAFAMとは、企業名の頭文字をとったもので、以下のIT企業5社を指す
- G:グーグル(Google:GOOG)
- A:アップル(Apple:AAPL)
- F:フェイスブック(Facebook:FB)
- A:アマゾン(Amazon:AMZN)
- M:マイクロソフト(Microsoft:MSFT)
NASDAQ100指数の算出方法
NASDAQ100指数 = 現在の時価総額合計額 ÷ 1985年2月1日の時価総額合計額 ÷ 125
NASDAQ100指数は、現在の時価総額合計額を、1985年2月1日を基準日とし算出された時価総額で割って、算出されます。つまり、1985年から現在の時価総額合計額が何倍になったのかがわかるということです。
例えば、現在(2021年7月16日)時点のS&P500指数は「約14500」なので、1985年2月1日の基準値125に対しては、約116倍に成長しているとことが分かります。
25年半で116倍です。いかに米国市場が成長してきたかが理解できると思います。
NASDAQ100指数のセクター別構成比
NASDAQ100指数は、全部で7セクターに分類されています。それぞれの構成割合は以下の通りです。

No. | セクター | 構成比率 |
1 | 情報技術(Information Technology) | 63.67% |
2 | 一般消費財(Consumer Cyclicals) | 21.16% |
3 | ヘルスケア(Health Care) | 6.31% |
4 | 生活必需品(Consumer non-Cyclicals) | 3.86% |
5 | 工業(Industrials) | 2.26% |
6 | 通信(Telecommunication service) | 1.38% |
7 | 公共(Utilities) | 0.97% |
各セクターの構成割合は、その時に時価総額によって決まるため、近年成長が著しく、業績も好調なテクノロジーセクターの割合が高くなっています。
S&P500指数のテクノロジーセクターの割合が約27%なので、NASDAQ100指数は倍以上もテクノロジーセクターの割合が高いということになります。
NASDAQ100指数の構成銘柄 TOP10
上位構成銘柄とその構成割合を紹介します。以下の数値は、2021年7月16日時点のデータになります。

No. | 企業名 | 構成比率 |
1 | アップル(AAPL) | 11.65% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | 10.09% |
3 | アマゾン(AMZN) | 8.60% |
4 | アルファベット A(GOOG) | 4.07% |
5 | フェイスブック(FB) | 3.99% |
6 | テスラ(TSLA) | 3.66% |
7 | アルファベット C(GOOGL) | 3.64% |
8 | エヌビディア(NVDA) | 3.29% |
9 | ペイパル(PYPL) | 2.51% |
10 | アドビ(ADBE) | 2.10% |
上位10銘柄の占める割合 | 53.60% | |
GAFAMの占める割合 | 42.04% |
NASDAQ100指数の上位銘柄を見ると、100銘柄から構成されるにも関わらず、上位10銘柄のみで53.9%と半分以上を占めていることが分かります。
また近年私たちの生活を激変させているGAFAMと呼ばれる巨大IT企業(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)の5社が上位を抑えており、GAFAM5社だけで42.04%もの割合を占めています。
ちなみに上位10銘柄以外だと、ネットフリックス(NFLX)や、スターバックス(SBUX)、ズーム(ZM)、またコロナワクチンで有名になったモデルナ(MRNA)などが含まれており、NASDAQ100指数は今後の成長が期待できる企業ばかりで構成されていることが分かります。
NASDAQ100指数のパフォーマンス

NASDAQ100指数は、世界中の株式市場指数の中でも、近年最も高いパフォーマンスを上げている指数です。
ここでは、そのNASDAQ100指数のパフォーマンスを、一部比較しながら見ていきます。
NASDAQ100指数の長期チャート比較

ここでは米国4大株価指数を比較します。「NASDAQ100指数」「S&P500指数」「NYダウ工業平均株価」「NASDAQ総合指数」の4つです。またグラフは、1985年2月1日(※)〜2021年3月末までのものになります。※NASDAQ100指数が開始
過去のチャートで見ると、やはりNASDAQ100指数が最も高い成長率を見せていることが分かります。また過去の大暴落「ITバブル」「リーマンショック」「コロナショック」などで大きく下がる場面もありますが、その後すぐに回復し暴落前よりも高く成長しています。
このように「NASDAQ100指数」は、他の米国株式の指数と比較しても、高い成長率を見せているのが特徴です。
NASDAQ100指数 vs S&P500 vs 日経平均株価
NASDAQ100指数を、S&P500と日本の株式を比べると、どうなるのか見てみましょう。

NASDAQ100指数を、日本の代表的な指数である「日経平均株価」と、「S&P500指数」のチャートを比較すると、まず日経平均株価はほとんど成長していないにも関わらず、米国市場S&P500は大きく成長していることが分かります。
しかしそのS&P500指数よりも何倍も高い成長を見せているのが「NASDAQ100指数」になります。ただ2000年ごろの下落局面で最も高い下落幅を見せているのも「NASDAQ100指数」になります。比較的ハイリスクハイリターンであるという点を理解しておく必要があります。
NASDAQ100指数に連動する「投資信託」と「ETF」を紹介

NASDAQ100指数に投資する手段は、大きく3つあります。
- 「投資信託」を購入する
- 「国内ETF」(国内市場に上場している投資信託)を購入する
- 「米国ETF」(米国市場に上場している投資信託)を購入する
3つの手段どれで投資しても、NASDAQ100指数に連動するのでパフォーマンスは大きく変わりません。しかし各手段で、「手数料・運用コスト」と「購入する際の手間」が異なります。特に運用コストは、指数のパフォーマンスが同じでも、最終的に私たちの手元に残る資産額が変わりますので注意が必要です。
NASDAQ100連動の「投資信託」
NASDAQ100連動の投資信託は、各運用会社がいくつか販売していますが、ここでは2つの代表的な投資信託を紹介します。
- eMAXIS NASDAQ100 インデックス(以下に、参考記事あり)
- iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス
投資信託の特徴は、数百円から数千円程度の少ない金額から購入手数料は無料で購入が可能であるため、投資初心者の方など、とにかく少額から資産運用できる点が特徴です。
NASDAQ100指数に連動する投資信託は、つみたてNISA制度では利用できない点は注意が必要です。
おすすめ投資信託① ー eMAXIS NASDAQ100 インデックス(三菱UFJ国際)
2つある投資信託のうち、eMAXIS NASDAQ100 インデックスの方が運用コストが安いためおすすめです。
S&P500連動の国内ETF【国内】
S&P500連動の国内ETFに関しても、いくつか商品が販売されています。
- NEXT FUNDS NASDAQ-100 連動型上場投信(1545)
- 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし(2568)
- 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジあり(2569)
国内ETFでのおすすめ銘柄は、2. か3. の「上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)」です。理由は運用コストが、1.よりやすいためです。
為替ヘッジあり or なしについては、以下のように理解してもらえると良いです。どちらが良いかは人の考え方によるため、好みで問題ありません。
- 為替ヘッジなし:基準価格が指数と為替から決まる
→円安になると、為替の影響で指数以上に基準価格が伸びるが、円高になると逆に下がる - 為替ヘッジあり:基準価格が指数のみから決まるが、為替ヘッジコストが基準価格に織り込まれる
→円安/円高になろうが、指数のパフォーマンスのみが基準価格に影響する。ただし一定の為替ヘッジコストがかかる
そもそもETFとは、Exchange Traded Fundの略で、訳すと「上場投資信託」となります。つまり株式市場に上場している投資信託であり、株式同様に指定した金額で売買が可能です。
ETFは、運用コストが安いことが一つの特徴でしたが、最近販売されている投資信託は、国内ETFに負けないレベルで運用コストが安いため、ここ数年は国内ETFはメリットが少なくなってきています。
NASDAQ100連動の米国ETF
米国ETFの特徴としては、米国市場に上場している投資信託を購入するため、米国ドルを準備する必要があります。その点手間(場合によっては為替手数料)がかかりますが、米国ETFはとにかく運用コストが安いのが特徴です。よって、米国ETFは長期投資に向いています。
NASDAQ100指数に連動するの米国ETFは、主に1つしかありません。
- インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ)
米国ETFである「QQQ」は、最も有名な米国ETFの中の一つです。NASDAQ100指数に連動する唯一の米国ETFであり、非常に人気が高い商品です。
人気の証拠に、資産総額は日本円で約19兆円程度となっており、日本の最も人気がある投資信託でも数千億円程度の資産総額なので、いかに人気が高いかがわかると思います。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
まとめ
この記事では、「NASDAQ100指数とは?」について解説しました。
NASDAQ100指数は、長期的にも非常に高い成長を見せた指数ですが、下落場面になった際は、大きく下げる場面があることに注意が必要です。
以下に本記事のまとめを記載します。
- NASDAQ100指数は、金融を除く、米国の時価総額トップ100集団
- 特に巨大IT企業(GAFAM)だけで40%以上を構成されている
- NASDAQ100指数へ投資する方法は、3つ(投資信託・国内ETF・米国ETF)
- 投資信託は、「eMAXIS NASDAQ100 インデックス」の方が運用コストが安い
- 国内ETFは、運用コストメリットが薄れてきており、投資信託の方がトータル利用しやすい
- 米国ETFは、運用コストがとにかく安いが手間がかかり中級者以上向け
- 米国ETFは、「インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ)」の1つしかない