この記事では、米国株式を示す「ナスダック総合指数(NASDAQ総合指数)」について解説します。
- 「ナスダック総合指数」とは、米国のベンチャー向けの市場に上場されている全ての銘柄から算出した指数であり、テクノロジー系の銘柄が多い
- 「ナスダック総合指数」の過去のパフォーマンスを分析
- 「ナスダック総合指数」と「ナスダック100指数」の違いを解説
- ”ナスダック”への投資は、総合指数ではなく、「ナスダック100指数」がおすすめ
この記事を書いている ふぃたろう は、2016年から現在に至るまで6年間、米国株へ投資を行っている会社員兼ブロガーです。今回は、近年国内でも注目が高まっている米国株への投資の中でも最も有名な「NYダウ」について解説していきます。
ナスダック総合指数(NASDAQ総合指数)とは?
”ナスダック(NASDAQ)”とは?
そもそも「ナスダック」とはなんでしょうか。ナスダックとは米国の株式市場の名称です。正式名称はNational Association of Securities Deals Automated Quotations(NASDAQ)となっています。
ナスダック市場は1971年に始まり、世界最大のベンチャー企業向け株式市場となっています。日本でも、JASDAQがあるのと同じです。
ナスダック総合指数(NASDAQ総合指数)とは?
ナスダック総合指数は、ナスダックに上場の全銘柄の株価から算出される株価指数です。
ナスダックは成長銘柄が多いため、そこの全銘柄から算出されるナスダック総合指数は、近年だとハイテク企業の動向を掴む重要な指標として扱われています。

またナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場する全ての銘柄を時価総額加重平均で算出されます。1971年2月5日を基準日とし、この日の終了時点を100として算出されています。2021年7月23日現在のナスダック総合指数の値は、”14836.99”なので、約50年間で約148倍になっていることがわかります。
ナスダック総合指数 と ナスダック100指数・他指数との違い
ナスダック総合指数 と ナスダック100指数との違い
「ナスダック」といっても、”ナスダック総合指数”と”ナスダック100指数”の2つの指数があります。それぞれで全く内容が異なるため、注意が必要です。
2つの指数で大きく異なるのは、銘柄数です。
ナスダック総合指数は、”総合指数”なのでナスダック市場の3000以上の全銘柄を対象としていますが、ナスダック100指数は、”100指数”なので100銘柄から算出される指数です。
ナスダック総合指数と NYダウ・S&P500指数・NASDAQ100の比較
米国市場には、主要な4つの指数があります。ここではそれらを比較します。
- NYダウ:30銘柄から算出
- S&P500指数:米国企業500銘柄から算出
- ナスダック総合指数:NASDAQ取引所に上場している全銘柄から算出
- ナスダック100指数:金融除く時価総額トップ100銘柄から算出
NYダウ | S&P500指数 | ナスダック総合指数 | ナスダック100指数 | |
指数ティッカー | DJI | SPX | IXIC | NDX |
設立 | 1928年 | 1923年 | 1971年 | 1985年 |
算出会社 | S&P ダウ・ ジョーンズ・ インデックス | S&P ダウ・ ジョーンズ・ インデックス | NASDAQ | NASDAQ |
市場 | ニューヨーク 証券取引所、 ナスダック | ニューヨーク 証券取引所、 NYSE MKT、 ナスダック | ナスダック | ナスダック |
企業数 | 30銘柄 | 500銘柄 | 3000以上 ナスダック 市場全銘柄 | 100銘柄 |
算出方法 | 株価平均 | 時価総額 加重平均 | 時価総額 加重平均 | 時価総額 加重平均 |
内容 | 全セクター から厳選した 30銘柄 | 全セクター からトップ 500企業 | ベンチャーや 成長銘柄が多く、 情報技術セクター が中心 | ナスダック市場の 金融銘柄を除く トップ100銘柄 |
ナスダック総合指数は、最も銘柄数が多いですが、内容としては成長銘柄や近年だと情報技術セクターが多く含まれているのが特徴となっています。
ナスダック総合指数のパフォーマンス
長期チャート比較

ここでは米国4大株価指数を比較します。「NYダウ」「S&P500指数」「NASDAQ100指数」「NASDAQ総合指数」の4つです。またグラフは、1985年2月1日(※)〜2021年3月末までのものになります。
過去のチャートで見ると、ナスダックの2つの指数の成長率が高く、NYダウやS&P500よりも高いパフォーマンスを見せています。
但し、成長銘柄が多く構成されているため2000年のITバブルの際の下落率は非常に大きくなっています。これよりメリットデメリットはあるようですが、長期的に見ると高い成長率を見せています。
NASDAQ総合 vs S&P500 vs 日経平均株価
ナスダック総合を、日本の株式(日経平均株価)を比べると、どうなるのか見てみましょう。

ナスダック総合指数を、日本の代表的な指数である「日経平均株価」と、「S&P500指数」のチャートを比較しています。
日経平均株価はほとんど成長していないにも関わらず、米国の株価指数の2つは大きく成長していることが分かります。
”ナスダック”に投資する方法
ナスダック総合指数への投資方法
ナスダック総合指数に投資する方法は少なく、日本からだと「ナスダック100指数」への投資が人気があり有名です。
ナスダック総合指数へに投資する手段は、現状1つしかありません。
- 「投資信託」を購入する
・野村-米国NASDAQオープンAコース(為替ヘッジあり)
・野村-米国NASDAQオープンBコース(為替ヘッジなし)
投資信託のどちらかを利用するしかありません。2つの投資信託は、信託報酬(運用コスト)が1.694%と非常に高くなっています。
つまりナスダック総合指数への投資の需要はあまりなく、商品も充実していません。
”ナスダック”へのおすすめ投資方法
「ナスダック」へのおすすめ投資方法は、「ナスダック100指数(NASDAQ100指数)」へ投資を行うことです。詳しくは以下の記事をご確認ください。
- 三菱UFJ国際 – eMAXIS NASDAQ100 インデックス」(投資信託)
理由:コストが安く、100円から投資可能、分配金再投資が可能 - インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ)(米国ETF)
理由:最も低いコスト
まとめ
この記事では、「ナスダック総合指数」について解説しました。
ナスダック総合指数は、成長銘柄が多く構成されている指数であり、長期的にも高いパフォーマンスを見せています。しかし投資する場合、限られた投資信託しかないため、総合指数ではなく、NASDAQ100指数への投資をお勧めいたします。
以下に本記事のまとめを記載します。
- ナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場する全3000以上の銘柄から算出される
- 比較的成長銘柄や現在はテクノロジーセクターの銘柄が多くなっている
- 長期的にみると、S&P500やNYダウよりも高いパフォーマンスを上げている指数である
- ナスダック総合指数への投資は一般的ではなく、現在は限られた投資信託のみ
- よって”ナスダック市場”に投資したい場合、「ナスダック100指数」への投資がおすすめ