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投資信託

【投信基本知識】投資信託の基準価格とは?買付や売却時の計算方法、分配金との関係についてわかりやすく解説!

この記事では、投資信託の基準価格について詳しく解説しております。

この記事はこんな人におすすめ
  • これから投資信託を始めたい方
  • 投資信託を保有しているもの仕組みがよくわかっていない方

投資信託の基本知識については、別記事でも解説しておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

この記事を書いている人

  • メガバンク勤務の30代女性
  • 個人顧客への資産運用、税金対策等のコンサルタント業務を担当。FP1級、宅建保有。
  • 投資歴10年、保有資産は米国インデックス中心。
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投資信託の基準価格とは?

基準価格の基本知識

投資信託は、各ファンドごとに基準価格と呼ばれる“取引の基準となる価格”が設定されています。

基準価格は、ファンドの1万口あたりの取引金額を表しており、投資対象の値動きによって、日々変動します。

基準価格は、ファンド営業日(※)の夜に1回決まるのみで、株式のように、市場に連動してリアルタイムで動くわけではありません

購入時も売却時も基準価格を基に購入代金、売却代金が計算される仕組みになっています。

ファンド営業日とは

ファンド営業日とは、ファンドの取引を行うことができる日のことを言い、ファンドの投資対象である株式や債券の市場が動いている平日を指します。

逆に、市場が閉じる土日や祝日はファンド休業日といい、投資信託の取引ができない日になります。

基本的に、平日=ファンド営業日と思って間違いありませんが、投資対象が海外のファンドの場合、日本は平日でも海外が祝日にあたる日は、ファンド休業日ということがあります。

基準価格はいくらから始まるのか

投資信託のファンドは全て、基準価格1万円から、運用が始まっています。

例えば、デジタル・トランスフォーメーション(愛称ゼロコンタクト)というファンドであれば、2020年7月31日に10,000円の基準価格で運用がスタートしており、現在まで下記のように基準価格が推移しています。

日興アセットマネジメントHPより

基準価格は、ファンドの投資対象の資産の値動き、運用管理費用、分配金の有無などを踏まえて、毎営業日決まります。

基準価格と分配金の関係について

投資信託の中には、決算日に分配金が出るファンドが存在します。

分配金=儲けというわけではなく、分配金は資産のなかからの取り崩しであり、分配金がでたタイミングで、分配金の金額分基準価格が下がる仕組みになっています。

そのため、毎月分配金を出しているようなファンドや分配金の金額が大きいファンドは、基準価格が上昇しにくい傾向にあります。

分配金が出た場合の基準価格の決まり方は下記のようなイメージです。

分配金については、別記事で詳しく解説しておりますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

基準価格が高いファンドと安いファンド どちらを選べばいいのか

投資信託の営業をしていると、「基準価格が高いファンドか安いファンド、どちらを選べばいいのか」という質問を受けることがあります。

例えば、似たようなファンドであっても、基準価格が5万円のファンドも5千円のファンドもあります。

確かに、「基準価格が高いファンドの方がパフォーマンスがいい」「基準価格が安いファンドのほうがお得感がある」など色々な考えが浮かんでくる気持ちはわかります。

しかし、正直なところ基準価格の値だけでは、ファンドの良し悪しを判断することはできません。

ファンドを比較する際は、基準価格が高いか安いかではなく、基準価格の騰落率を判断材料にすることをおすすめします。

基準価格が高いか安いかではファンドを判断しない

基準価格が高いか安いかは、ファンドを比較する上であまり重要ではありません。

なぜなら、運用を開始した時期の違いや分配金の有無などで、各ファンド基準価格が異なってくるため、単純に基準価格の値だけでファンドを比較することはできないからです。

もちろん、投資対象の値動きによって基準価格は変動するため、基準価格が高いファンドは成績が良い、基準価格が安いファンドは成績が悪いという考え方は必ずしも間違いはありませんが、基準価格の高い低いで比較してファンドを評価することはおすすめできません。

楽天証券ファンド検索ページより

このように、ファンドによって基準価格は大きく異なります。

基準価格の騰落率で判断する

ファンドを比較する際に、確認いただきたいのは、基準価格の騰落率です。

騰落率とは、一定期間の間に、基準価格がどれだけ上昇または下落したのかを数値化したものになります。

基準価格の騰落率は、各ファンドの同一期間のパフォーマンスを比較することができます。

例えば、日本企業の株式に投資をするAファンドとBファンド、どちらを購入すべきか迷った時には、下の図のように基準価格の騰落率でパーフォーマンスを比較することがおすすめです。

楽天証券ファンド検索ページより

金融機関のHPなどで簡単に確認することができます。

過去の騰落率のパフォーマンスが良いファンドが、必ずしも今後も伸びていくとは限りませんが、同じような投資対象のファンドを比較する時には、参考になる指標のひとつであると考えています。

基準価格はいつ使うのか?

投資信託の取引の基本知識

投資信託の取引について理解するためには、申込日と約定日の違いについて知る必要があります。

申込日・・・投資信託の取引の注文を申し込んだ日のこと。15時以降に注文を行った場合や、休日に注文を行った場合、翌営業日が申込日となります。

約定日・・・売買が成立する日のことで、この日の基準価格で取引が行われる

売買の申込日=約定日と思われる方が多いですが、申込日と約定日が異なるファンドが多く存在するため注意が必要です。

海外を投資対象としたファンドの多くは、申込日の翌営業日が約定日となり、申込日の翌営業日の基準価格で取引されています

具体的には、約定日が翌営業日のファンドを買い付ける場合、月曜日の15時までに売買の注文を申し込むと、火曜日の基準価格で取引が成立するという仕組みです。

したがって、投資信託は、適用される基準価格がわからないまま、購入または売却の申し込みを行う必要があります

申込日に基準価格が決定するファンドでも、注文を入れたその日の夜に基準価格が決まるため、注文を申し込んだ時点では、基準価格がいくらになるのかはわかりません。

購入ファンドAファンド 基準価格決定日は翌営業日

売却の注文を行う際も、基準価格決定の日程は上記の通りです。

投資信託は、ファンド営業日の15時までに売買注文を申し込めば、その日の注文として手続きが行われます。

15時以降に注文を行った場合や、休日に注文を行った場合、申込日は翌営業日となります。

ファンドの休業日にあたる日は、注文を行う時間にかかわらず、申込日は翌営業日となります。

取引時に適用される基準価格を知る

投資信託の購入、売却を行う際には、約定日がいつになるのか(基準価格決定日)を確認するようにしましょう。

約定日は、ファンドごとに異なり、目論見書(※)やHPのファンド情報に記載があります。

金融機関のファンド情報ページを開くと、下記のような記載があります。

このファンドの場合、基準価格決定日は申込日の翌営業日ということになります。

目論見書とは

目論見書には、運用方針、手数料、リスク、取引に関する注意事項などが、投資信託の取引に必要な情報が記載されています。

金融機関は、投資信託を購入する顧客に対して、目論見書で重要事項を説明する義務があります。

オンラインで投資信託を購入する際も同様で、顧客が目論見書をダウンロードしなければ、購入画面に進めないような仕組みが採用されています。

投資信託購入時の計算方法

投資信託を購入する際の計算方法について具体的に説明します。

投資金額100万円でAファンドを購入する場合、どのような計算になるか見ていきましょう。

Aファンド 購入約定日基準価格12,500円 購入時手数料1.1%

購入時に手数料がかかるファンドの場合、手数料を引いた後の金額で、ファンドを購入することになります。

この例の場合、手数料を引いた実質の購入金額を、12,500円の基準価格で割ることで、購入できる口数を導くことができます。

購入時の計算式

金額指定で買付を行う場合 「100万円分Aファンドを買いたい」

口数指定で買付を行う場合 「100万口分Aファンドを買いたい」

投資信託売却時の計算方法

次に、投資信託を売却する際の計算方法について具体的に説明します。

保有するAファンドを売却する場合、どのような計算になるのかを見ていきましょう。

Aファンド 保有口数79.12万口 売却約定日基準価格14,500円 解約手数料なし

売却約定日の基準価格に保有する口数をかけると、売却金額を導くことができます。

この計算式は、ファンドの保有期間中に、時価を調べるときにも使えるため覚えておくと便利です。

売却時の計算式

基準価格の調べ方

基準価格の調べ方

ここでは簡単に基準価格の調べ方について説明します。

金融機関のHP

投資信託を購入した金融機関のHPにいけば、直近の基準価格を調べることができます。

基準価格を確認する際は、いつの時点の基準価格が表示されているのか、日時を確認するようにしましょう。

基準価格は、1日1回ファンド営業日の夜に決まるため、日中に基準価格を調べた際に出てくる値は、全営業日の基準価格になります。

SBI証券 投資信託ファンドページ

運用会社、投資関係サイトのHP

運用会社や、モーニングスターのような投資関係のサイトでも、ファンドの基準価格を調べることができます。

これらのサイトには、基準価格以外に、過去のパフォーマンスや月次レポート、ファンドのデータ分析などが掲載されているため、より詳しく調べたい方におすすめです。

レオス ひふみファンド 公式HPより

新聞

主要なファンドであれば、朝刊に前営業日の基準価格の記載があります

紙面には、運用会社ごとにまとめられて基準価格が記載されており、省略したファンド名で書かれているため、探すのに苦労するかと思います。

過去からの基準価格の変動を調べる

先ほどご紹介した、金融機関、運用会社のHPや投資情報サイトなどで、簡単にファンドの過去の基準価格の推移を確認することができます。

eMAXISSlim米国株式(S&P500)

楽天証券HPより

また、複数ファンドの基準価格の推移を比較したチャートも確認することもできるため、迷っているファンドがあれば、基準価格の動きを比較してみるのもおすすめです。

楽天証券HPより

国内株式ファンドと米国株式ファンドの基準価格を比較してみました。

基準価格の変動要因を知る

ファンドの投資対象を知る

基準価格の変動要因を知る上で、確認しておきたいのがファンドの投資対象です。

ファンドの投資対象は、金融機関や運用会社のファンド情報ページや販売資料、目論見書などに記載があります。

例えば、グローバルAIというファンドの投資対象を目論見書で確認してみます。

グローバルAIファンド 目論見書より

記載の通り、投資対象は株式、投資のメインエリアがアメリカとなっています。

つまり、このファンドの場合、AI関連のアメリカの企業の株価の変動の影響を大きく受けるということです。

さらに詳しく投資対象を知りたい場合も目論見書を見れば、投資対象についての記載があります。

グローバルAIファンド 目論見書より

上記のように、どのような企業の株に投資をしているのか目論見書に記載があります。

基準価格の変動要因を調べる

基準価格の変動要因について詳しく知りたい方は、ファンドの月間レポートを確認するのがおすすめです。

金融機関や運用会社のサイトの中のファンド情報ページにいくと、月間レポートというものがアップされています。

ファンドによっては、月間レポートに基準価格の変動要因や今後の見通しについて記載されていることがあります。

金融機関のHPで保有するファンドを検索し、月間レポートを開く。

SBI証券HPより

THE5Gファンドの月間レポートがこちら。

市場動向、運用実績、今後の見通しなどが月間レポートにまとめられています。

SMTAM THE5G月間レポート

まとめ

いかがでしたか。

投資信託の取引を行う上で、基準価格についての知識は必要不可欠です。

この記事を読んで、少しでも基準価格についての理解が深まれば幸いです。

このサイトでは、投資信託に関する内容の記事を他にもアップしておりますので、よろしければそちらも参考にご覧ください。

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