初めての資産運用

インデックスファンドとアクティブファンドの違いとは?メリット・デメリットを比較してみた

この記事では、インデックスファンドとアクティブファンドの基本知識、メリット・デメリット、違いについてわかりやすく解説しています。

“投資初心者の方”“ファンド選びに迷っている方”“つみたてNISAでの投資を考えている方”などにおすすめの記事となっています。

ふぃれみ
ふぃれみ

プロフィール
大手金融機関 総合職10年目

個人顧客への資産運用、税金対策等のコンサルタント業務を担当

FP1級、宅地建物取引士

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インデックスファンドとは

インデックスファンドとは

インデックスファンドは、市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動した投資成果を目指す投資信託です。

指数とは、マーケットにおいて株式や債券などの個々の価格データを集計し、市場全体の動向が分かるよう数値化したものです。

代表的な指数として「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」があげられます。

債券市場指数、不動産投信指数、商品(金など)との連動を目指して運用されているインデックスファンドもあります。

インデックスファンドは市場全体や市場を代表するような指数と連動するように投資を行うため、市場全体のパフォーマンスが良好な時は追随してプラスのリターンを獲得でき、振るわないときはマイナスのリターンとなります。

主なインデックスの紹介

国内外の代表的な指数が以下の通りです。

これらの指数を投資対象とした投資信託のファンドが数多く存在します。

三井住友トラストアセットマネジメントより

インデックスファンドについて、さらに詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。

アクティブファンドとは

アクティブファンドとは

アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが独自の観点から調査・分析を行い、指数を上回る運用成果をめざす投資信託です。

ファンドマネージャーは、ファンドの運用方針に沿って組み入れ銘柄の選定や入れ替えを機動的に行いながらファンドを運用していきます。

アクティブファンドの投資手法

アクティブファンドの代表的な投資手法として、バリュー運用グロース運用という投資スタイルがあります。

アクティブファンドとひとまとめにしても、投資手法はファンドによって異なりますので、自分にあった投資手法のファンドを選ぶようにしましょう。

バリュー運用

企業価値と比べて株価が割安な銘柄に投資する

企業の利益や資産額などの一定の基準に対して割安な(過小評価されている)株式に投資する手法です。

PER(利益から見た株価の水準を図る指標)やPBR(純資産から見た株価の水準を図る指数)の低いもの、配当利回りの高いものなどが代表的な選択基準であり、例えば、何らかの理由で人気の圏外にあり、株価が割安な水準に放置されていると考えられる株式を投資対象とすることなどが典型です。

グロース運用

成長が見込める銘柄に投資する

企業収益の成長性等に主眼をおいて選定された株式を投資対象とする運用手法のことで、成長株投資ともいいます。

製品競争力、商品開発力、業態等からみて、当該株式発行会社の一株当たり利益が伸びると予想される銘柄に投資する運用手法です。

インデックスファンドについて、さらに詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。

インデックスファンドとアクティブファンドはどちらが多いのか

現在、国内には5000種類以上の投資信託のファンドが存在し、その約9割はアクティブファンドに分類されます。

つみたてNISAの対象商品のほとんどがインデックスファンドであったり、ネット証券の売れ筋ランキングの上位にインデックスファンドがランクインしていたりするため、意外に思われる方も多いかと思いますが、実はインデックスファンドはファンド数が少ないのです。

余談ですが、こちらのデータによると、一番ファンド数が多い投資対象は、国際債券、次いで国際株式となっています。

日本は、低金利が続いているため、国内債券を投資対象としたファンドはほとんどないことがわかります。

インデックスファンド・アクティブファンドのメリット

インデックスファンドのメリット

コストが比較的低く設定されている

インデックスファンドは、連動を目指す指数とほぼ同じ銘柄を概ね同じ比率で保有するため、銘柄調査費用等は発生しません

そのため、銘柄選定を行うアクティブファンドに比べると、信託報酬(運用期間中にかかるコスト)が低く抑えられています。

ファンドの値動きがわかりやすい

インデックスファンドは、テレビや新聞、インターネットで公表される指数の動きから、大まかな動向を捉えることができます

テレビのニュース番組の最後に、その日の日経平均株価が表示されているのをご覧になったことがある方も多いと思います。

より幅広い分散投資が可能

インデックスファンドは、指数を構成する銘柄の全て、あるいは代表的な銘柄群を保有するので、より広い銘柄分散が可能になります。

一般的に、銘柄の分散を行うと、下落時の下げ幅を抑制して運用することができるといわれています。

アクティブファンドのメリット

市場を上回るリターンが期待できる

アクティブファンドは、銘柄選定を行い投資を行うため、銘柄選定がうまくいくと、市場平均を上回るリターンが期待できます

ただし、必ずしもアクティブファンドがインデックスファンドのパフォーマンスを上回るとは限らず、インデックスファンドのパフォーマンスを大きく下回る可能性もあります。

アクティブファンドの成績は、ファンドマネージャーの力量次第といえます。

機動的に売買できる

アクティブファンドでは、将来の個別銘柄の値動きを予測して、ファンドマネージャーは機動的に銘柄を売買することができます。

指数に組み入れられた銘柄を機械的に組み込むインデックスファンドに比べて、市場環境に応じて機動的に銘柄を売買する点は大きなメリットといえます。

インデックスファンド・アクティブファンドのデメリット

インデックスファンドのデメリット

組み入れ銘柄をファンドマネージャーが自由に売買することができない

インデックスファンドは、指数との連動を目指すことが第一目標であるため、ファンドマネージャーは自らの思惑で自由に銘柄を売買することはありません

たとえ、より良い銘柄があったとしても、指数に組み入れられていない銘柄であれば、ファンドに組み入れられることはありません。

リターンは市場における平均にとどまる

インデックスファンドは、指数に連動する投資成果を目指すため、市場平均並みの運用成果しか期待できません

相場上昇局面では、アクティブファンドに比べて、リターンが劣る可能性があります。

アクティブファンドのデメリット

インデックスファンドに比べてコストが高い

アクティブファンドは、ファンドマネージャーやアナリストによる業績予想、株価分析、市場見通し等を踏まえて、ファンドマネージャーが運用を行いますので、通常の運用コストに加え、追加的な調査費用等が発生します。

運用に手間をかけている分、インデックスファンドと比較して、費用(信託報酬)が高めに設定される傾向があります。

銘柄やセクター(業種)を絞るため、値動きが大きくなることがある

アクティブファンドは、銘柄を絞り込んで投資するため、良くも悪くも特定の銘柄やセクター(業種)の影響を受けやすくなります

ファンドによっては、投資対象の銘柄数が少ないファンドもあり、インデックスファンドよりも値動きが大きくなりやすいです。

値動きが大きいため、相場上昇時の上げ幅が大きい一方で、相場下落時の下げ幅も大きく、インデックスファンドよりもリスクが高い傾向にあります。

インデックスファンドとアクティブファンドの比較

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

インデックスファンドとアクティブファンドの違いをまとめると以下の通りです。

パフォーマンス

インデックスファンドは、指数に連動する投資成果を目指すため、市場平均並みの運用成果しか期待できません

一方、アクティブファンドは、指数を上回る運用成果を目指すため、インデックスファンドを上回るパフォーマンスが期待できます

とはいえ、インデックスファンドのパフォーマンスを下回っているアクティブファンドも数多く存在し、必ずしもアクティブファンドのほうがパフォーマンスが良いとは限りません。

アクティブファンドは、積極的に値上がりを狙う分、インデックスファンドよりも上昇時も下落時も値動きが大きくなる可能性があります。

コスト

インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて、コスト(購入手数料、信託報酬など)が安く、差が大きいファンドであれば、年1%以上信託報酬が異なることもあります

コストに関しては、インデックスファンドの方が圧倒的に有利といえます。

組み入れ資産の比率

インデックスファンドは、基本的に指数に組み入れられている銘柄全てに投資を行うため、組み入れる銘柄数が多く、反対に、アクティブファンドは銘柄を選定して投資を行うため、組み入れる銘柄数が少ない傾向にあります。

一般的に、組み入れ銘柄数が多い(=分散されている)ファンドは、上昇時も下落時も基準価格の動きが緩やかな傾向があります。

一方、組み入れ銘柄数が少ない(=分散されていない)ファンドは、組み入れ銘柄の動きが全体に与える影響が大きく、基準価格の動きが大きくなりやすい傾向にあります。

また、組み入れ銘柄の業種や企業規模、エリアなどを絞っているファンドは、銘柄を絞っていないファンドに比べると基準価格の動きが大きくなりやすい傾向があります。

アクティブファンドのなかには、資産分散を積極的に行っているファンドもありますが、銘柄を絞っているファンドは、昇時も下落時も値動きが大きくなる可能性があります。

まとめ

インデックスファンドへの投資がおすすめな人

インデックスファンドへの投資がおすすめな人

・投資初心者の人

・コストを抑えて運用したい人

・商品性、値動きがわかりやすい商品に投資がしたい人

・中長期で投資を行いたい人

・つみたてNISAで運用をしたい人

インデックスファンドへの投資がおすすめな人

アクティブファンドへの投資がおすすめな人

・多少リスクをとってでも値上がりを期待したい人

・短期での値上がりを期待したい人

・特定の投資対象への集中投資を希望する人

インデックスファンド、アクティブファンドどちらがおすすめか

インデックスファンドとアクティブファンド、どちらがおすすめかと聞かれた場合、基本的にはインデックスファンドをおすすめします。

なぜなら、インデックスファンドは、コストが低く、商品性もシンプルで、成長市場を投資対象としたファンドを選択すれば、市場に連動してファンドの運用成果が期待できるからです。

とはいえ、自分の投資の考え方に合ったアクティブファンドであれば、多少コストが高く、リスクがあったとしても投資する価値はあると思います。

“アクティブファンドは悪”といった記事などを目にすることがありますが、私はそうは思いません。

魅力的なアクティブファンドも数多くあると感じています。

インデックスファンドとアクティブファンドのメリット・デメリットを理解した上で、最終的には、投資の考え方、好みでファンド選びを行えば良いと思います

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オムタンケ|FP1級保有銀行員の「お金」の話
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