この記事では、米国株初心者の方のために「米国株の高配当投資」について解説していきます。
「高配当銘柄の見つけ方・探し方を知りたい」「おすすめの高配当銘柄を教えて欲しい」という方はぜひご覧になってください。
- 高配当投資とはどういう投資方法なのかを解説
- 高配当銘柄の探し方を解説
- 代表的な高配当銘柄の組み合わせ方を紹介
- 代表的な高配当ETFを2つ紹介
この記事を書いているふぃたろうは、2016年から現在に至るまで5~6年間、米国株へ投資を行っている会社員兼ブロガーです。今回は、米国株の高配当投資について解説します。記事内で紹介する銘柄は、私も実際にいくつか保有していますので、参考になればと思います。
高配当投資とは何か?

高配当投資とは、配当金の割合が比較的高い銘柄に対し、投資を行う方法です。
高配当投資では、配当金が多い銘柄をいくつか保有し、株価の上昇ではなく、四半期に一度行われる配当金で利益を得る投資方法です。
株価が下がればトータルの資産額は下がりますので、株価は安定しながらも、高い配当金を出す企業を選ぶ必要があります。
高配当投資は必ず「米国株」で行うべき2つの理由
高配当投資を行うには、必ず米国株で行うことをおすすめします。理由は2つです。
株主への還元を重要視する米国企業
米国企業は、世界中の企業と比較しても、「利益は株主のもの」という意識が強く、利益を株主に還元することを非常に重要視しています。米国企業は、2つの取り組みを行うことで私たちに企業の利益を還元してくれます。
- 配当の増配:インカムゲインが増える
※インカムゲイン(income gain)とは、資産を保有することで安定的・継続的に受け取れる利益のこと。つまり配当金を増やすことで株主へ還元してくれます - 自社株買い:キャピタルゲインが上昇しやすくなる
※キャピタルゲイン(capital gain)とは、保有していた資産を売却することによって得られる売却益のこと。自社株買いを行った企業の株式は、発行済み株式数が減るため、株価が上昇します
米国企業は、世界中の中でも、配当金が上がりやすいということが分かります。
株価自体も成長を続ける米国株
米国は株式を重要視する資本主義国家です。つまり米国は、国中の企業・中央銀行・政治家などが株価を押し上げることを最終目標に取り組んでいる国家と言い換えることができます。
米国を代表とする株式インデックスに「NYダウ」「S&P500指数」というものがあります。これら2つの指数は、最も有名な株価指数であり、米国株全体を示す指数と言えます。
引用元:「月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資, 太田創著
グラフを見るとわかるように、米国株は、一時的に大きく下げることはあっても、必ず回復し、下落前よりも成長を続けています。
ちなみにグラフ中の点線は、日本企業225社の株価から算出される「日経平均株価」の推移になります。米国株に比べ、全く歯が立たない結果となっていることもわかります。
高配当投資の「メリット」「デメリット」
高配当投資のメリットとデメリットは、以下のことが考えられます。
- 配当金という「不労所得」を得ることができる
- 銘柄をきちんと選定すれば、株価も安定している企業が多い
- グロース銘柄に比べると株価の上昇は期待できない
- 米国株の配当金は二重課税となるため取り戻すために確定申告が必要
高配当投資は、基本的に株価の成長には期待せず、配当金を貰い続ける投資になります。しかし株価が下がるとトータルの資産は減ってしまうので、銘柄はよく検討した上で選択しましょう。
また米国株の配当金には、「米国」「日本」の両国から課税を受けます。ただし米国の課税は確定申告を行うことで取り返すことができますので、必ず確定申告を行うようにしましょう。
高配当 = 3%/年以上の配当金
一般的に「高配当」とは、1株に対しての配当金を株価の3%以上を出すことを言います。多くの高配当銘柄は3%~5%の配当を実施しています。
仮に配当金を4%とし、再投資をし続けた場合、10年後には1.5倍、20年後は2倍以上に資産が拡大します。
高配当銘柄の中には、5%以上、10%前後の商品もあり、それらを保有すると資産の拡大スピードはもっと早くなります。おすすめ銘柄は後ほど紹介します。
つまり高配当投資は、長期投資で複利の力を最大限活用することが重要です。
高配当銘柄の見つけ方

高配当銘柄を探す方法はシンプルです。配当利回りが「3%以上」のものを基準に探すことで見つけることができます。
それだけでは多くの銘柄があり、絞り切ることができないため、以下の2つも加えた3条件で探すことをおすすめします。
- 配当利回りが3%以上を目安にする
- 増配(配当金の増加)を15年以上継続している
- 1つの銘柄に絞らず、複数の銘柄をセクターを分けて保有する
高配当投資は、今後も配当を維持してくれる企業なのか、またセクターを分散しいくつかの銘柄を保有することでリスク低減を行うことが重要です。
増配(配当金の増加)を15年以上継続しているか?
配当利回りが3%以上の高配当銘柄でも、今後その配当を継続できるか分かりません。業績・経営状況の悪化で配当金が減少する可能性もあります。
今後の業績をある程度予測するためにも、「連続増配15年以上」を目安に銘柄選定を行いましょう。
なぜ15年なのか。2008年にはリーマンショックがありました。その米国市場の大暴落の中でも配当金を増加し続けた企業かどうかを確認するためです。
ちなみに連続増配10年以上の銘柄だけで構成される米国ETF「VIG」というものもあります。後ほど説明いたします。
保有銘柄はセクター別で分散する

米国市場だけでなく、株式市場は図のように、景気が循環していきます。
- 好景気:素材銘柄
- 景気後退:エネルギー銘柄
- 不景気:ヘルスケア銘柄
- 景気回復:ハイテク銘柄
高配当投資は、長期保有が前提となります。長期投資の場合、世の中の景気はどんどん変化し、何度も循環することになります。景気変動の中で、各場面での株価への影響は、銘柄が所属するセクターにより大きく異なります。
なので、配当重視のポートフォリオでは、リスク分散のためにも投資先セクターの分散が必須となります。少なくとも4つの景気サイクルの局面ごとの各セクターには分散投資し、ポートフォリオ全体での景気変化による影響を吸収できるようにしましょう。
各セクターで3銘柄ずつ保有すると、4つのセクターで計12銘柄を保有することになります。個人投資家で適切な分散効果が得られるのが10~20銘柄と言われていますので、各セクターで3銘柄前後保有することがいいでしょう。
代表的な高配当銘柄を8つ紹介
好景気銘柄(消費循環銘柄、素材銘柄)
・マクドナルド
・ダウケミカル
景気後退銘柄(エネルギー銘柄)
・エクソンモービル
・シェブロン
不景気銘柄(ヘルスケア銘柄、通信銘柄)
・ジョンソン&ジョンソン
・AT&T
景気回復銘柄(金融銘柄、情報技術銘柄)
・バンク・オブ・アメリカ
・IBM
必ず分散した銘柄/自分のポートフォリオは可視化しておく

各セクターへ分散した個別銘柄やポートフォリオは、管理しやすいように資産管理アプリを使って可視化しておくと便利です。資産の割合、購入金額、現在の損益など一度に全てを確認することができます。
カビュウは米国株にも対応した分析アプリなので、ぜひ試してみてください。
高配当ETFを2つ紹介(VYM・QYLD)

個別銘柄に投資すると、思わぬニュースや業績不振などで株価が急落する場合もあります。そのリスクを抑えるためには、ETFの活用もおすすめです。
ETFとは、上場投資信託の略で、簡単に言えば個別株のパックである投資信託が市場に上場されているため個別株同様に売買できる商品です。
高配当銘柄だけで構成される米国ETFだと、銘柄も数十以上に分散されており、配当金も安定してもらうことができますので、銘柄選定を行う必要もなくなるため非常に便利です。
VYM:バンガード 米国高配当株式ETF
VYMとは、米バンガード社が運用する米国ETFであり、正式名称は「バンガード 米国高配当株式ETF(Vanguard High Dividend Yield ETF)」です。High:高い、Dividend Yield:配当利回り → High Dividend Yield:高配当利回り という意味です。
VYMは約400銘柄から構成されており、400銘柄は「平均以上(2.4%以上)の配当を出すこと」を条件に選定されています。
つまり、VYMは配当利回りが約2.4%以上の400銘柄を集めたパックということです。

上位10銘柄を見ても、JPモルガン・ジョンソン&ジョンソン、バンク・オブ・アメリカ、エクソンモービル、ベライゾンなど高配当投資の代表銘柄が多く含まれているETFとなっています。
400銘柄に分散されているので、かなりリスクは低減されていますが、トータルの配当利回が3%弱となっており、人によっては物足りないかもしれません。
投資信託版の「VYM」
米国ETFの購入に抵抗がある方は、投資信託をおすすめいたします。VYMの投資信託が登場しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
VIG:バンガード 米国増配株式ETF
VIGとは、米バンガード社が運用する米国ETFであり、正式名称は「バンガード 米国増配株式ETF(Vanguard Dividend Appreciation ETF)」です。
VIGは約240の銘柄から構成されており、構成銘柄は「10年以上連続増配」していることが条件で選ばれています。
通常、配当の増配は、企業業績が良くその分を株主に還元するために企業側が行うことです。それを10年以上継続しているVIGの銘柄は、非常に業績が良く、安定した有名企業ということになります。
つまりVIGは、配当もある程度もらいながら、株価の上昇も見込める銘柄のパックということです。

上位10銘柄を見ても、マイクロソフト、JPモルガン・ジョンソン&ジョンソンなどのある程度配当を出しながらも株価も上昇を続けている銘柄ばかりから構成されています。
トータルの配当利回が1.5%前後となっており、VYMに比べても低くなっていますが、株価の上昇も見込める銘柄ばかりなので、トータルでの資産増加スピードはVIGも非常に優れています。
VYM VS VIG
高配当銘柄「VYM」と、連続増配銘柄「VIG」のどちらがトータルパフォーマンスが優れているか検討します。
配当金額だけではVYMの方が高くなっていますが、VIGは株価の上昇でそれを補えるのかを確認します。


結果は、配当金はVYMの方が多いですが、株価上昇を含めたトータル資産額ではVIGが上回る結果となりました。
- 配当金がとにかく欲しい方:VYMがおすすめ
- 配当金はそこそこ欲しいがトーラル資産額の上昇が優先:VIGがおすすめ
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まとめ
今回は、米国株の高配当投資に関して紹介しました。この記事のまとめは以下になります。
- 高配当投資とは、不労所得である「配当金」のために投資する方法
- 長期投資になるため景気に左右されないセクター分散が必要
- 代表的な銘柄を、4つのセクターに対し各2銘柄の計8銘柄を紹介
- 代表的な高配当ETFは、VYM・VIG
- 少しでも安く買うためには、購入方法が豊富な「マネックス証券」がおすすめ
高配当投資とは何かを理解できたら、実際に少額購入してみて学ぶ方が早いです。日本株よりも更に少額から(数千円程度〜)取引できるのも米国株のメリットの一つです。
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