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【全世界株式】VTとは:バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの株価・チャート・銘柄を分析

 この記事では、VT:バンガード・トータル・ワールド・ストックETFについて、内容・株価・過去のチャート・銘柄を紹介します。

 VT以外に、VXUSという全世界株式(米国株式を除く)というものがあります。VXUSについても簡単に紹介し比較できればと思います。VXUSについて詳しくは別記事で紹介します。

この記事で分かること
  • VT:バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのETF情報
  • VTの株価(基準価格)
  • VTの過去のチャート
  • VTの上位銘柄
  • VTとVXUSの違い
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VT:バンガード・トータル・ワールド・ストックETFとは?

 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)とは、米バンガード社によって運用される米国ETFです。投資対象は、全世界株式になります。

バンガードHP記載内容

 VTは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場への幅広いエクスポージャーを提供します。

 簡単に言うと、「VT」とは「全世界株式に分散投資できる米国ETF」になります。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス とは?

 では、VTが連動を目指している「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」とはなんでしょうか。

 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは、FTSE社が提供している全世界の株式指数(時価総額加重平均型)になります。新興国の中国・インドを始め、日本やアメリカの先進国を含む、全世界(47か国)の大型株から小型株まで含むインデックス指数になります。

 運営元のFTSEのサイトを見ると、以下のように記載されています。

「The FTSE Global All Cap Index is a market-capitalisation weighted index representing the performance of the large, mid and small cap stocks globally. The index aggregate of around 8,000 stocks cover Developed and Emerging Markets and is suitable as the basis for investment products, such as funds, derivatives and exchange-traded funds.」

https://www.ftserussell.com/ja/

 つまり、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは、「全世界株式の時価総額を98%以上カバーしており、約8000銘柄を含むインデックス指数」と言うことです。

(参考)投資信託 – FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

 米国ETFであるVT以外にも投資信託でFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する商品があります。

投資信託 – FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスへ連動
  1. SBI・全世界株式インデックス・ファンド
  2. 楽天・全世界株式インデックス・ファンド

 ここでは詳細を省略しますが、気になる方は調べてみてください。

VTのETF情報を整理

 VTのETFの情報を以下の表にまとめておきます(2021年6月14日時点の情報)

項目VT(比較)VOO
名称バンガード・トータル・
ワールド・ストックETF
バンガード S&P500 ETF
運営会社米バンガード社米バンガード社
設定年2008年2010年
インデックス指数FTSEグローバル・オール
キャップ・インデックス
S&P500
構成銘柄数8000社約500社
構成銘柄条件全世界株式
(全世界98%カバー)
S&P500指数
経費率0.08%0.03%
運用総額約213億米ドル約2200億米ドル
配当利回り1.51%1.38%
5年騰落率99.18%122.34%
基準価格
(最低購入金額)
$103.97$389.36

 比較として、人気の高いVOOも記載しています。

 VTの特徴としては、やはり構成銘柄数です。全世界株式の時価総額98%をカバーするだけあり、構成銘柄数は8000社となっています。

 一方で、VOOに比べて経費率は若干高く、また運用総額もVOOより劣ります。

 直近5年間の騰落率も、VOOの方が高くなっています。ここ5年間は米国株式の成長が著しく、100%米国株式に投資するVOOと、約50-60%を米国株式で構成し残りは他国に分散しているVTを比較すると、VTの方が騰落率が低くなるのは仕方がありません。逆に米国株式が大きく落ち込んだ際は、VTの方が安定することが予想されます。

VT の経費率(コスト)

 0.080%です。これは同じバンガード社が出すETFである、VOOやVTIの0.030%に比べると高いですが、それでも0.1%を切る値なので、十分安いと言えるでしょう。

 なので、問題なく中長期で投資にも適したETFと言えます。もちろん短期でもコストが安いに越したことはありません。

VTの構成銘柄を紹介【上位30銘柄】

 そんなFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する VT ですが、構成銘柄の上位はどのようになっているのでしょうか。構成銘柄をまとめたのが次の表になります。

※2021年5月31日時点のデータになります。

No.企業名ティッカー
シンボル
構成割合
1Apple IncAAPL2.76%
2Microsoft CorpMSFT2.52%
3Amazon.com IncAMZN1.87%
4Facebook Inc AFB1.01%
5Alphabet Inc AGOOGL0.89%
6Alphabet Inc CGOOG0.86%
7Tesla IncTSLA0.73%
8JPMorgan Chase & CoJPM0.66%
9Tencent Holdings Ltd007000.65%
10Johnson & JohnsonJNJ0.62%

 8000銘柄に投資するETFですが、上位の銘柄を見ると、すでにご紹介したVTIやVOOと大きく変わらず、GAFAMが上位を独占していることが分かります。

 しかし各銘柄の占める割合は、上位4銘柄のみ1%を超えていますが、ほとんどの銘柄が1%以下となっており非常に分散投資されていることが分かります。

 米国株式を対象としているVOOやVTIと異なる点としては、VTはテンセント(10位以下にはアリババや台湾セミコンダクター)などのアジア企業も名を連ねている点になります。

(参考)上位168銘柄(0.1%以上の構成割合銘柄)

 この記事では省略しましたが、構成割合が0.1%を超える銘柄は全部で168銘柄あります。その168銘柄を全て公開しておりますので、気になる方は以下の記事をご確認ください。

VT セクター別 銘柄割合

 VTのセクター別割合ですが、ベンチマーク指数である「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」と一致しています。時期によっては、0.1%程度差が生じていることもありますが、ほとんど同じとなっています。 ※以下の表は、2021年5月31日時点の情報です。

セクターVTベンチマーク
テクノロジー21.2%21.2%0.0%
一般消費財16.0%16.0%0.0%
資本財13.8%13.8%0.0%
金融13.3%13.3%0.0%
ヘルスケア11.5%11.5%0.0%
生活必需品6.3%6.3%0.0%
素材4.3%4.3%0.0%
不動産3.5%3.5%0.0%
電気通信3.5%3.5%0.0%
エネルギー3.3%3.3%0.0%
公益3.1%3.1%0.0%

 またやはり近年急成長し世界経済を牽引しているテクノロジー部門の占める割合が非常に高いことが分かります。これは先程紹介した、GAFAMやアリババ・テンセントの占める割合が高いことが影響しているためでしょう

VTの地域別構成銘柄

 下の表は、地域別構成銘柄の比率になります。殆どが米国市場が占めていることが分かります。意外だったのが2位が日本ということ。てっきり中国かと思っていました。

 そんな中国が3位に続き、4位以降は欧州市場が続くといった、構成銘柄になっています。

 一応全地域を表にて紹介しますが、下位の方が細かい部分もあるので、飛ばしても問題ありません。


市場

VT

ベンチマーク

バンガードETFとベンチマークの差

地域 :

米国

56.6%

56.5%

0.1%

北米

日本

7.2%

7.2%

0.0%

太平洋地域

中国

4.8%

4.8%

0.0%

新興市場

英国

4.1%

4.1%

0.0%

欧州

フランス

2.6%

2.6%

0.0%

欧州

スイス

2.5%

2.5%

0.0%

欧州

カナダ

2.5%

2.7%

-0.2%

北米

ドイツ

2.4%

2.4%

0.0%

欧州

オーストラリア

2.1%

2.1%

0.0%

太平洋地域

台湾

1.9%

1.9%

0.0%

新興市場

韓国

1.8%

1.8%

0.0%

太平洋地域

インド

1.3%

1.3%

0.0%

新興市場

オランダ

1.0%

1.0%

0.0%

欧州

スウェーデン

1.0%

1.0%

0.0%

欧州

香港

0.9%

0.9%

0.0%

太平洋地域

イタリア

0.7%

0.7%

0.0%

欧州

デンマーク

0.7%

0.7%

0.0%

欧州

ブラジル

0.7%

0.7%

0.0%

新興市場

スペイン

0.6%

0.6%

0.0%

欧州

南アフリカ

0.5%

0.5%

0.0%

新興市場

フィンランド

0.4%

0.4%

0.0%

欧州

ベルギー

0.3%

0.3%

0.0%

欧州

シンガポール

0.3%

0.3%

0.0%

太平洋地域

Saudi Arabia

0.3%

0.3%

0.0%

新興市場

タイ

0.3%

0.3%

0.0%

新興市場

ロシア

0.3%

0.3%

0.0%

新興市場

ノルウェー

0.2%

0.2%

0.0%

欧州

マレーシア

0.2%

0.2%

0.0%

新興市場

メキシコ

0.2%

0.2%

0.0%

新興市場

インドネシア

0.2%

0.2%

0.0%

新興市場

イスラエル

0.2%

0.2%

0.0%

中東

ポーランド

0.1%

0.1%

0.0%

欧州

アイルランド

0.1%

0.1%

0.0%

欧州

オーストリア

0.1%

0.1%

0.0%

欧州

ポルトガル

0.1%

0.1%

0.0%

欧州

ニュージーランド

0.1%

0.1%

0.0%

太平洋地域

フィリピン

0.1%

0.1%

0.0%

新興市場

アラブ首長国連邦

0.1%

0.1%

0.0%

新興市場

チリ

0.1%

0.1%

0.0%

新興市場

トルコ

0.1%

0.1%

0.0%

新興市場

その他

0.1%

その他

カタール

0.1%

0.1%

0.0%

その他

Kuwait

0.1%

0.1%

0.0%

その他


VTの株価チャート(基準価格)

 厳密に言うと、ETFは上場投資信託なので、株価(取引価格)と基準価格の間には乖離がありますが、議論しだすと面倒なので、通常の個別株同様にチャートを見ていきたいと思います。

※上記チャートは、PCやタブレットからの閲覧をオススメします。スマホから閲覧の方は以下の画像をご確認ください。

 リーマンショックの2008年の後半~2009年前半や、2020年のコロナショックで落ち込んでいますが、中長期的に見ると順調に成長を続けていることが分かります。

 人口が増え続ける限り世界経済は成長を続けると考えられており、VTは今後も着実に成長を重ねていくことが期待できるでしょう。

VTのメリットとデメリット

メリット

 VTに投資するメリットは、やはり全世界の株式市場に一度に分散投資できる点でしょう。

 今後も世界経済全体で見れば、人口増加に伴い、高い確率で成長を続けていきます。一時的に落ち込むことはあっても、長期的に見れば、高い確率でリターンを得ることができると考えられます。

 その全世界株式の98%に対し、1つの商品を買うだけ(管理するだけ)で投資することができ、コストも0.08%/年で比較的安いですから、中長期的な投資には向いている商品(ETF)と思います。

デメリット

 近年の米国株式と比べると、比較的リターンが小さいことでしょうか。

 やはりここ数年は米国市場の成長は凄まじく、短期の場合に限っては、VTI(全米国市場)やVOO(S&P500)に投資している方に比べると、リターンが小さくなっています。

 ただしもっと昔は米国市場よりも新興国市場の成長が大きい時期もありましたし、今後どうなるかはなんとも言えません。そういった意味でも、全世界に分散しておけば、ここ数年のような短期的な米国市場の成長には負けるかもしれませんが、どの国がどうなろうとも、毎年継続的に成長を続けるETFだと思います。

もう一つの全世界株式 米国ETF:VXUS

 VT以外に、もう一つ全世界株式に投資できる米国ETFがあります。VXUSと言います。

 VXUS(バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF:Vanguard Total International Stock ETF、)は、米バンガード(Vanguard)社が提供しているETFです。

 VXUSは、米国株式市場以外の世界の株式市場の約98%をカバーする指数(FTSE Global All Cap ex US Index)に連動することを目指しており、つまりVZUSは、米国を除く全世界株式に投資できるETFになります。

VXUSとVTの比較

項目VXUSVT
名称バンガード・トータル・インター
ナショナル・ストック(除く米国)
ETF
バンガード・トータル・ワールド・
ストックETF
運営会社米バンガード社米バンガード社
設定年2011年2008年
インデックス指数FTSEグローバル・オールキャップ
(除く米国)インデックス
FTSEグローバル・オール
キャップ・インデックス
構成銘柄数7500社8000社
構成銘柄条件米国を除く全世界株式の
98%をカバー
全世界株式
(全世界98%カバー)
経費率0.08%0.08%
運用総額約470億米ドル約213億米ドル
配当利回り1.98%1.51%
5年騰落率77.32%99.18%
基準価格
(最低購入金額)
$67.33$103.97

 VXUSは、米国株式を除く全世界株式の98%をカバーしているETFになります。銘柄数は米国以外で7500社以上もカバーしており、かなり分散されたETFとなります。

 また経費率はVTと同じですが、配当利回はVTよりも高くなっています。しかし騰落率は少しVTより劣る結果となっています。

VXUSのメリット/デメリット

メリット
  • 既にVTIやVOOで米国株式に投資している方が、米国以外に分散投資する際に使い勝手がいい
デメリット
  • 成長著しい米国株式が含まれていない
  • そのため他のETFと比較した際、成長率が劣る

 VTで米国株式とそれ以外の全世界株式を一気に投資するよりも、「VTI(全米株式)+VXUS(米国除く全世界株式)」で投資する方が、VTIが0.03%の経費率である分、経費率を抑えることができます。 

 実際に米国の方々は、VTIやVOO・個別株で自国株に投資をしながら、VXUSでバランスをとっている方も多いです。

 デメリットにも記載しましたが、VXUS単独だと、近年成長著しい米国経済の恩恵を受けることができないので、VXUSは他のETFと組み合わせて自分のポートフォリオのバランスを取るためのETFとして扱うことをオススメします。

VTI(VOO)+VXUS vs VTのシミュレーション

 実際に、「VTI or VOO + VXUS」vs「VT」で比較してみました。気になる方は以下の記事をご確認ください。

 (現在記事準備中です。出来次第更新いたします)

(参考)米国株の情報メディア -モトリーフール

 Motley Foolは、1993年に設立されたバージニア州アレクサンドリアを拠点とする民間の金融および投資アドバイス会社です。最近日本語版がリリースされ、日本でも人気が上昇しています。

 アメリカ生まれということもあり米国株のニュースが中心で、VOOやQQQのパフォーマンスや過去の分析データを配信してくれます。

画像:モトリーフールHP、著者撮影
モトリーフールの特徴
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まとめ

 この記事では、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」についてご紹介しました。

 構成銘柄としては、全世界株式市場の約8000銘柄であり、銘柄数的にも投資対象の国としても、一度にかなりに分散効果を得ることができるETFになります。

 チャートを見ると、リーマンショックやコロナショックでは多少落ち込んだものの、中長期的に見ると順調に成長を重ねています。

 またVTIやVOOについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧になってください。

VT(全世界株) と VTI(全米国株)とVOO(S&P500)どっちがおすすめ?

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